ネクステック、日本信号でデータ管理手法ワークユニット方式を適用したNKRMシステムを構築
ネクステックが支援したモジュール型ものづくり情報システムの導入開始(日本信号)
~創造的で付加価値の高い業務に重点的にリソースを割き競争力のある企業を目指す~
ネクステックは、日本信号株式会社(本社:東京都豊島区)が、世界初の全く新しいデータ管理手法ワークユニット方式(*1)(以後WU)を適用した部品情報などの基幹システムにあたるNKRMシステムを構築したことを発表します。
日本信号では、設計・生産におけるルーティンワークを効率化し,創造的で付加価値の高い業務へ重点的にリソースを割き競争力のある企業を目指すプロジェクト(NKRM(Nippon Signal Knowledge Resource Management)プロジェクト)を進めており、ネクステックが、本プロジェクトに関する業務や組織のデザインおよび部品の標準化/モジュール化などを行うデータモデリング,NKRMシステム開発導入までの支援を行いました。NKRMシステムは、ネクステックのPLMシステムパッケージSpeed PLMware.のコアエンジンであるSpeed PLMFoundationをベースに開発し導入しています。
記
1.NKRMシステムの狙い
-業務も情報もモジュール化し設計効率を高め利益創造型の仕事へリソースを集中させる
NKRMプロジェクトは、"案件をこなす仕事"と"将来の価値を創造する仕事"の配分を見直し、こなす仕事の効率化により、価値創造型の仕事へリソースを集中させ知識創造型企業への転換をはかることを目的とし、2005年より実施して参りました。
2.NKRMシステムの概要
ルーチンワークを効率化し,創造的で付加価値の高い業務に重点的にリソースを割くため,製品構成と業務の両方を標準化/モジュール化しました。さらに、図面や設計思想といったノウハウをナレッジ情報システムとして確立しました。
NKRMシステム最大の特徴は、管理単位を「ワークユニット(WU)」と呼ぶ製造業他社に類を見ない新しい考え方で管理するようにしている点です。部品表に則って構成部品やモジュールごとに各業務プロセスで求められる検討項目を整理、製品ごとに開発業務の管理粒度を統一しました。その上で、品質(Q)/コスト(C)/納期(D)に優れた製品をお客様に効率的に提供することが可能になる5つの仕組み(部品表データベース、ドキュメント管理、仕様組み合わせ管理、設計ナビ、案件管理)を導入しました。
3.NKRMプロジェクト担当ディレクターのコメント
ネクステック 取締役 常務執行役員 山口博之
「NKRMプロジェクトは恐らく世の中で初めての試みで参照例が無く、当社のノウハウを鋭意搾り出し新しい考え方の業務と情報体系をゼロから開発設計しました。システム的な仕組みとしては製造業の心臓部である部品表の高度化から始めました。そして、CAD連携、プロジェクト管理、仕様確定コンフィグレーション、図面や設計思想管理を行う設計ナレッジデータベースといった具合に盛沢山の機能を開発導入しました。
本プロジェクト最大の鍵は、製品を構成する部品郡を標準化/モジュール化し、モノそのものをシンプルにした取り組みにあります。機能や画面がいくら研ぎ澄まされていても管理する実態のモノが整頓されていなければ、品質(Q)、コスト(C)、納期(D)はどれも一向に良くはなりません。
結果的に、まず、ITありきで作り上げたシステムではなく、グランドデザインで、日本信号様と一緒に、将来像と業務のデザイン、そして、自分たちが扱っている実態の製品の情報をしっかりと整理した上で、ITはあくまでもその将来像の実現手段であると位置付けて実装した点が成功要因だと思います。」
【 用語解説 】
*1 ワークユニット(Work Unit=WU)
組み立て製造業において、案件ライフサイクル管理の仕組みを構築する場合、案件のライフサイクル全般に渡って共通の管理単位の設定が必要となる。この管理単位として、部品の構成を縦軸(プロダクトパッケージ=PP)×業務プロセスの単位(ワークパッケージ=WP)これら2軸の交点をワークユニット(WU)と定義する。ものづくりに関するあらゆる情報をWUの単位で管理し設計製造を行う手法のことをいう。