IDC Japan、国内テープストレージ市場規模予測を発表
国内テープストレージ市場規模予測を発表
・2006年上半期の国内テープストレージの売上は269億4,000万円で、テープドライブ、テープオートメーションともにミッドレンジセグメントの比率がさらに上昇・テープドライブでは、LTOハーフハイトの出荷台数がLTOフルハイトを上回る
・今後もドライブ、オートメーションともに、ミッドレンジ製品のみが成長を続けると予測
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内テープストレージ市場の2006年上半期の実績と2010年までの予測を発表しました。これによると、2006年上半期の国内テープストレージ(テープドライブとテープオートメーションの合計)の売上は、269億4,000万円となりました。2005年~2010年の国内テープストレージ市場の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、売上額でマイナス2.9%と予測しています。
2006年上半期の国内テープドライブの売上は101億7,600万円で、出荷台数は5万6,666台となりました。売上では、2005年にミッドレンジがローエンドを抜いて最大の売上構成のクラスとなりましたが、2006年上半期はミッドレンジの比率がさらに60.1%に高まりました。ミッドレンジでは、特にLTOハーフハイトの出荷が好調で、2006年上半期では、ついにLTOハーフハイトは出荷台数でLTOフルハイトを上回りました。フルハイトと同じ容量でコストメリットがあるため、ローエンドサーバーでの採用が増加していることに加え、LTOフルハイトの需要の一部を置き換える傾向が見え始めており、需要の裾野が広がっています。今後はハーフハイトがLTOドライブの量的主流になり、フルハイトがハイスペック版との位置づけになるとIDCではみています。
2006年上半期の国内テープドオートメーションの売上は167億6,400万円で、出荷台数は8,612台となりました。国内テープオートメーション市場においては、ミッドレンジのLTOオートメーションが唯一順調に市場を伸ばしています。2006年上半期は、LTOハーフハイトドライブを搭載したオートローダーの出荷が前年に引き続き好調でした。また、国内市場ではこれまでオートローダー需要におされ、21~30巻と31~100巻の小型ライブラリーの出荷が伸び悩んでいましたが、2006年上半期には需要が本格化する兆しが見え始めました。中小規模ユーザーにおいてバックアップ統合が徐々に増加していることや、データ保全の認識の高まりとともにバックアップ対象のデータ容量が増加していることが小型ライブラリーの需要増の背景として考えられます。今後は、テープストレージベンダーにとっては、オートローダー需要を順調に伸ばしつつ、いかに小型ライブラリーの需要を開拓していくかが焦点となります。
国内では、ディスクベースのバックアップシステムの導入が大企業ユーザーから中小規模ユーザーまでのあらゆるセグメントで拡大しており、テープストレージ需要の減少の要因となっています。テープストレージサプライヤーにとっては、ディスクとの共存を目指し、バックアップ統合ビジネスにおいてD2D(Disk to Disk)の先のT(Tape)の地位を確立し、D2D2Tの構成を拡大していくことが重要となります。また今後は、災害対策や法規制への対応を実現するストレージソリューションの重要な要素として、テープストレージを提案することが重要になります。
IDC Japanストレージシステムズ リサーチアナリストの高松 亜由智は「国内テープストレージ市場では、ミッドレンジセグメントのみが成長することが明確となった。参入サプライヤーは、成長分野であるミッドレンジ市場のニーズを細分化して捉え、それぞれのセグメントのユーザー志向に対応する製品を展開することがより重要となる」と分析しています。
IDCでは、2005年~2010年の国内テープストレージ売上の年間平均成長率を、テープドライブでマイナス4.9%、テープオートメーションでマイナス1.8%と予測していますが、LTOを中心とするミッドレンジ製品は、テープドライブ、テープオートメーションともにプラス成長を続けると予測しています。
今回の発表はIDCが発行したレポート、「国内テープドライブ/テープオートメーション市場 2006年上半期の分析と2007年~2010年の予測」(J7400303)にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内テープドライブとテープオートメーションの2004年から2006年上半期までの出荷実績および市場分析、2007年~2010年までの予測を売上、出荷台数の観点から行っています。また、テープドライブは容量帯別に、テープオートメーションは搭載カートリッジ巻数別に出荷実績調査と予測を行っています。
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国内テープドライブ/テープオートメーション市場 2006年上半期の分析と2007年~2010年の予測
http://www.idcjapan.co.jp/Report/Storage/j7400303.html
<参考資料>
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