住友金属鉱山、フィリピンでタガニート・プロジェクトに関するフィージビリティー・スタディー契約を締結
タガニート・プロジェクトに関するフィージビリティー・スタディー契約の締結について
住友金属鉱山株式会社(本社:東京都港区社長:福島孝一)とフィリピン国Taganito Mining Corporation(タガニートマイニング社本社:マニラ社長:Salvador B. ZamoraII)とは、フィリピン・ミンダナオ島北東部タガニート地区におけるニッケル製錬プロジェクトの実施可能性につき共同で検討することに合意し、本日、フィージビリティー・スタディー契約に調印しました。
タガニート・プロジェクトは、現在世界で注目を集めている「HPAL法」(High Pressure Acid Leach:高圧硫酸浸出法)を用いた大型ニッケル製錬プロジェクトです。フィージビリティー・スタディーの結果が良好であれば、2008年には共同で合弁会社を設立してタガニート鉱山隣接地にHPALプラントを建設します。主に同鉱山にて産出する低品位ニッケル酸化鉱を原料としてニッケル・コバルト混合硫化物(Nickel/Cobalt Mixed Sulfide、ニッケル品位約57%)を年産3万トン(ニッケル量換算)生産する予定です。プロジェクト全体の投資総額は10億ドル以上が想定されており、操業開始は2012年、操業期間は約30年間を見込んでいます。
HPAL法は、これまで有価金属の回収が困難であった低品位のニッケル酸化鉱からニッケルやコバルトを回収する技術で、住友金属鉱山はフィリピン・コーラルベイニッケルプロジェクトでの成功により、この技術分野において現在世界のトップランナーとなっています。コーラルベイニッケルプロジェクトでは年産約1万トン(ニッケル量換算)の生産を行うとともに、2009年春の完成を目指して現在年産約2万トン(同)規模への拡張工事を行っています。これらに加えて、このたびの新プロジェクト検討開始は、貴重なニッケル資源の一層の拡大につながるとともに、当社が目指しているニッケル年産10万トン体制を実現し、さらに「非鉄メジャークラス」にまた一歩近づくものであると考えています。
タガニートマイニング社はフィリピン有数のニッケル鉱山を有するZamoraグループに属し、約20年の歴史を持つ鉱山会社です。住友金属鉱山はコーラルベイニッケルプロジェクトでも同グループのリオツバニッケルマイニング社と合弁でHPALプラントを建設しています。今回のタガニートマイニング社との共同検討の開始により、住友金属鉱山と同グループとの絆が深まるとともに日比間の共同資源開発の拡大が期待されます。
(ご参考)(※関連資料参照)
1.タガニート・プロジェクト(Taganito Project)の概要
2.位置図(図1~2)
3.現地写真(写真1~6)