サントリー、ウイスキーのメラニン生成抑制活性の作用メカニズムに関する研究成果を発表
ウイスキーのメラニン生成抑制作用と
そのメカニズムを解明
― 日本薬学会で発表 ―
サントリー(株)と(株)コーセー研究所は、(財)岐阜県国際バイオ研究所との共同研究により、ウイスキー中の成分がもつメラニン生成抑制活性の作用メカニズムに関する研究成果を、日本薬学会第127年会(2007年3月27日~30日・富山市)にて3月30日に共同発表しました。
今回の発表骨子は以下のとおりです。
▽発表演題 「ウイスキーのメラニン生成抑制作用とそのメカニズム」
▽発表者 (財)岐阜県国際バイオ研究所 大口健司・赤尾幸博・野澤義則
(株)コーセー 研究所 水谷友紀
サントリー(株) 諏訪芳秀・小池美奈子・輿水精一
<研究の背景>
ウイスキーは、ホワイトオーク材でつくられた樽の中で長時間じっくりと熟成させることで、芳香とまろやかさをもち、深い琥珀色へと生まれかわります。この「樽熟成」の間に、樽から滲み出したオーク材成分は複雑な反応を重ね、フェノール性化合物をはじめとする多様な成分を生み出すことが知られています。
一方、肌におけるシミやソバカスの原因となるメラニン色素は、皮膚細胞内で「チロシナーゼ」と呼ばれる酵素を中心として作られます。これまでに、サントリー(株)と(財)岐阜県国際バイオ研究所は、ウイスキーがチロシナーゼの酵素活性を強く阻害する作用を持つことを発見しました。ウイスキーのチロシナーゼ活性阻害作用は、日本酒、焼酎、ワインなど他の酒類と比べて強く、樽熟成の期間が長いほど強くなることがわかりました(2004年日本薬学会第124年会にて学会発表、サントリー(株)リリースNo.8724参照)。
さらに、ウイスキー中の美白成分のひとつとして「リオニレシノール」と呼ばれる化合物(リグナンの一種)を見い出し、美白効果が実証されました(2005年日本薬学会第125年会にて学会発表、2005年4月サントリー(株)ご参考資料参照)。
<今回の研究の目的と成果>
今回は、(株)コーセーを新たな研究メンバーに加え、ウイスキーがもつメラニン生成抑制作用に関して、これまでに明らかにしてきたチロシナーゼ活性阻害作用に加え、新たな作用メカニズムを見い出すことを目的として、メラニン生成に関わる種々の細胞内分子の発現に対するウイスキーの影響を細胞レベルで調べました。
※以下の項目については添付資料をご参照下さい。
【実験1】
【実験2】
【まとめ】
▼日本薬学会について
日本薬学会は「くすり」に関係する研究者や技術者が、学術上の情報交換を行い、学術文化の発展を目的とする学術団体です。新しい医薬品の開発・製造・安全性の確認、臨床への供給など薬を使ってさまざまな病気を克服するという目的のもと、2万人を超える会員の情報源として機能しています。日本薬学会は、さらに新しい未来を創造しながら、生命現象の解明と医薬品の適正使用をめざして会員とともに人類の健康と福祉のための努力を通して、着実な発展を続けています。
以上