アジレント、高周波信号源の研究開発など向けシグナル・ソース・アナライザーを販売
製品名:Agilent E5052B 10MHz-7GHz シグナル・ソース・アナライザ
アジレント・テクノロジーが、従来比10倍高速で、正確な測定も可能なシグナル・ソース・アナライザを発表
アジレント・テクノロジー株式会社(社長:海老原 稔、本社:東京都八王子市高倉町9番1号)は、シグナル・ソース・アナライザ新製品「Agilent E5052B 10MHz-7GHz シグナル・ソース・アナライザ」を発表、本日より販売を開始します。出荷開始は2007年5月下旬を予定しています。
「Agilent E5052B」は、100MHzのオフセット周波数範囲において非常に低いレベルの位相雑音をより正確に測定することができます。高速データ通信システムのクロック・ジッタ解析に最適なほか、キャリア近傍の超低位位相雑音の測定においても従来の10倍以上の測定スループットを実現しています。これらの性能や機能の改善、および世界最速の位相雑音測定スループットにより、「Agilent E5052B」は、既存モデル以上に幅広い分野で活用されることを見込んでいます。特に、数Gbps(ギガビット/秒)帯のデータ通信システム、航空宇宙防衛関連システム、高速無線通信システム等に使われる高周波信号源の研究開発、設計から製造、品質管理まで幅広く利用できます。
「シグナル・ソース・アナライザ」は、多種多様な信号源の評価に必要なあらゆるパラメータを測定できる測定器です。「周波数、パワー、消費電流測定」「位相雑音測定」「周波数、パワー、位相トランジェント測定」「スペクトラムモニタ」などの測定に、一台で対応することができます。
今回発表の新製品「Agilent E5052B 10MHz-7GHz シグナル・ソース・アナライザ」は製品価格を据え置きながら、既存モデル「Agilent E5052A」の測定性能を大幅に改善すると同時に新しい測定機能を追加したものです。例えば、位相雑音測定は従来の上限40MHzの解析オフセット周波数範囲を100MHzにまで拡大しました。これにより、主なデジタル通信規格の標準ジッタ試験に対応できるようになりました。また、マイクロ波、ミリ波の信号源解析用に実用的なワイド・モードの周波数キャプチャ機能を追加し、既存モデルに比べて位相雑音測定範囲の上限を30dB(デシベル)以上拡大しました。これは最新のデジタル遅延線技法の応用で実現したものです。これにより、既存モデルでは位相ロックができないために、測定不能だったドリフトの比較的大きな高周波信号源も容易に解析できます。それに応じて、周波数とパワー・レベルのトランジェント測定においても、許容される周波数変化範囲を従来の最大25.6MHz(メガヘルツ)から最大80MHzに拡大し、対応可能なアプリケーションを広げています。これらの改良により、高周波域での信号源解析の利便性と効率を大幅に向上させました。
キャリア(クロック)周波数測定範囲は、「Agilent E5053Aマイクロ波ダウンコンバータ」との併用により26.5GHzまで拡張することができます。さらに、「Agilent 11970シリーズ ミリ波ミキサ」を使うことで110GHzまで拡張可能です。従来同様、すべての周波数領域でクロス・コリレーション法(相関法)による残留位相雑音の低減が可能です。
さらに、オフセット周波数が100Hz以下のキャリア近傍の残留内部位相雑音を16dB以上(1Hzオフセット周波数)低減し、近傍オフセット周波数領域において超低位相雑音の評価をさらに高速化しています。この改善にあわせて、本体内部のデータ・メモリの容量を100倍にして、長時間観測のニーズにも対応しました。また、ビデオ・トリガ機能を改良し、長時間のトランジェント測定においても、信号パラメータの変化を的確に把握することが可能になりました。これにより、既存モデルが高い評価を受けた汎用無線通信システム分野だけでなく、レーダや衛星通信システムなどの航空宇宙防衛関連システムのマスタ信号源評価や解析向けとしても最適となっています。
機能拡充だけでなく、AMノイズ(振幅変調雑音)解析機能、ベースバンド・ノイズ(低周波帯域信号のスペクトル)解析機能などの新機能も追加しています。AMノイズ解析機能により、接続変更なしで高周波信号源のAM雑音とPM雑音を独立して測定できるようになります。ベースバンド・ノイズ解析機能は、高周波信号源のDC電源のノイズ・スペクトラムを測定することにより、位相雑音あるいはAM雑音の原因を迅速かつ簡単に突き止めることができる機能です。また、オプションの「Agilent E5001A プレシジョン・クロック・ジッタ解析ソフトウェア」により高速データ通信システムのクロック・ジッタの評価をフェムト秒(フェムトは10の-15乗)単位で容易に行なうことができます。
アジレント・テクノロジーの副社長兼コンポーネント・テスト・ディビジョン ジェネラル・マネージャであるボブ・マクラング(Bob McClung)は次のように語っています。「高速データ通信や航空宇宙防衛産業では、位相雑音やジッタの測定スループットと解析の確度が非常に重要な要求事項となっています。『Agilent E5052B』は業界をリードする高性能を実現し、多機能で卓越した利便性を有しています。そのため、次世代通信規格や航空宇宙防衛産業におけるVCO(電圧制御可変発振器)評価やPLL回路試験など多くの分野で、高品質の低位相雑音測定を必要とする研究、開発、設計担当者および製造、品質管理の責任者にとって必須のツールとなるでしょう。」
「Agilent E5052B 10MHz-7GHz シグナル・ソース・アナライザ」は、RF、マイクロ波、ミリ波の発振器、VCO、システムの基準クロック信号源、LANモュール、高速タイミング・モジュール、SerDes(シリアライザ/デシリアライザ)、高速データ変換器などの信号源解析に適しており、研究開発、設計から製造、品質管理まで幅広い分野に最適な製品です。この製品は、神戸事業所内の電子部品計測事業部で開発したもので、アジレントの販売網を通じて全世界で販売します。
●販売方針
*目標市場:数Gbps帯のデータ通信システム、航空宇宙防衛関連システム、高速無線通信システム等に使われる高周波信号源の研究開発、設計、製造、品質管理部門
*参考販売価格:1018万9894円から
*販売開始日:本日
*出荷開始時期:2007年5月下旬
< お客様からのお問い合わせ先 >
計測お客様窓口 電話:0120-421-345
アジレント・テクノロジーについて
アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、コミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス、化学分析市場における世界のプレミア・メジャメント・カンパニーであり、またテクノロジー・リーダーでもあります。19,000名の従業員を擁し、110カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2006年度、50億ドルの売上高を達成しました。アジレント・テクノロジーの情報は、以下のウェブサイトでご覧ください。
http://www.agilent.co.jp