三菱商事と三菱UFJリース、サウジアラビアの総合リース事業に参入
サウディアラビア総合リース事業に参入
三菱商事および三菱UFJリースはサウディアラビアに於いて、現地大手銀行リヤドバンクおよび大手財閥ザヒド・グループとともに総合リース事業に参入します。
世界経済は今後エマージングマーケット(新興国)の成長に牽引されると見込まれていますが、その中でもオイルマネーを背景とした旺盛な設備投資需要を有し、リースに対する需要も高い中東域内の最大市場サウディアラビアに於いてまずはリース事業の基盤を確立するとともに、同国にて事業ノウハウを蓄積し、今後は他エマージングマーケットを含むリース市場ポテンシャルの高い地域への展開を行っていく予定です。
【 案件の概要 】
サウディアラビアではリース事業は同国当局の許認可制となっており、参入は限定的である一方、社会資本整備や石化関連事業の推進に不可欠なファイナンスツールであるリースの需要は非常に旺盛であり、同事業のビジネスチャンスは大きいと考えています。
このような状況下、三菱商事および三菱UFJリースは、同国における大手財閥ザヒド・グループより同グループ傘下のリース会社アジル社株式25%の譲渡を受け、更に同社を同国政府認可の総合リース事業合弁会社とすることで現地パートナー企業と基本合意に達し、株式譲渡契約および合弁会社株主間協定書を締結すると共に、認可取得の為の第一ステップであるサウディアラビア通貨庁(SAMA)認可を取得しました。
合弁会社への出資比率は以下の通りであり、今後同国総合投資庁(SAGIA)・商工業省(MOCI)の認可取得が完了した後、総合リース事業合弁会社として事業を開始します。
リヤドバンク:35%(Riyad Bank、現地大手銀行)
ザヒド・グループ:25%(Zahid Industries & Investment Co. Ltd.、
キャタピラー、ボルボ、ルノー等の同国での総販売代理権を有する現地大手財閥)
三菱商事:20%
三菱UFJリース:5%
他現地ローカルパートナー:15%
【 三菱商事および三菱UFJリースの役割・意義 】
三菱商事では、金融事業分野を全社推進分野の一つとして選定しています。
本件は、まさしくこの金融事業の位置付けを踏まえた商社型産業金融事業への取組みの一環であり、三菱商事は、社内他営業部局とも連携し、モノ・サービスへの知見、及びグローバルなネットワークを活用することにより、サービス(リース取扱い対象品目)の拡充及び新規顧客開拓機能等を付加価値として提供します。また、三菱UFJリースは、合弁会社のリスクマネジメント・資産管理手法等の向上を図るべく、高度な専門性に基づくリース事業マネジメントノウハウを提供します。
更に、三菱商事からは合弁会社への人員の派遣も予定しています。現地有力パートナーと合弁で金融事業に参画し、三菱商事から人員を派遣することで、三菱商事の中東地域での商圏基盤の強化・拡大、イスラム金融分野における知見の蓄積に寄与していくことが期待されています。
【 サウディアラビア選定の理由 】
中東域内で最大市場であるサウディアラビアは今後、オイルマネーを背景とした旺盛な設備投資需要により堅調な成長を持続すると見込まれています。このような環境下、社会資本整備や石化関連事業を推進するのに不可欠なファイナンスツールであるリース機能を提供することで、同国の経済成長を支援すると共に、事業としても高収益を確保、企業価値の向上を目指します。尚、リースはイスラム金融手法の一つとして認知されており、同国に於いても有用なファイナンス手段として受け入れられ易い環境にあります。
【 今後の展開 】
今般のサウディアラビア総合リース事業への参入は、三菱商事および三菱UFJリースによるリース事業海外展開戦略の一環であり、今後もリース市場ポテンシャルの高い海外地域への事業展開を行う予定です。
以 上