日立電線、土浦工場での銅条製造設備増強で約60億円を投資
銅条の製造設備増強について
このたび日立電線株式会社は、銅条製造設備について、約60億円の投資を行うことを決定しましたので、お知らせいたします。本設備投資は、伸銅品の生産拠点である土浦工場にて行われ、2009年度中の稼動を予定しております。
当社では、昨年1月に約25億円の銅条設備増強計画を発表しましたが、2010年以降の市場動向・技術動向に対応するため、今回、従来の計画を見直し、さらなる設備増強を図ることとしたものです。本設備投資により、銅条の生産能力を現状の月産4,600tから月産5,200tに引き上げるとともに、高性能、高品質な製造設備を整えることで、高付加価値製品を中心に銅条事業の拡充を目指してまいります。
当社では、銅条事業として、異形条、銅合金条、圧延銅箔に注力しておりますが、今回の設備投資は特に銅合金条の拡充を目的としたものです。
銅合金条については、主要な用途であるリードフレーム分野において、QFN(Quad Flat package Non-lead)に代表される小型パッケージの伸びが特に見込まれており、材料としてこれまで以上に薄型で、より高品質な高強度合金条が要求されるようになっています。また、コネクタ分野においても、高強度、高導電型新合金条の開発要求が高まっております。
これらの要求に応えるため、昨年1月に発表した計画を拡大修正することにしました。具体的には、従来の計画ではベル型焼鈍炉の増設と連続焼鈍炉の更新を予定しておりましたが、このうち連続焼鈍炉の更新については、新規連続焼鈍炉の導入に変更するとともに、新たに圧延機についても旧設備の改造と新規圧延機の導入を行うことにし、製造工程全体の基盤強化を図ることにしたものです。
導入予定の新圧延機は、多段圧延機であり、板形状制御に優れた特徴があります。また、新連続焼鈍炉は高強度・高導電型銅合金条製造に対応した高温溶体化が可能です。これらの設備を導入することで、圧延効率を向上させるとともに、さらなる品質向上を目指しております。
今回の計画見直しは、当社が計画している新規設備のリードタイムが2年以上を要すること、また、2010年以降の半導体材料およびコネクタ分野の需要増加に対応することを見越し、当社の中長期的な設備投資計画を前倒しする形で行うものです。
当社では、本設備投資によって、生産能力の拡充、高付加価値製品へのシフトを進めるとともに、品質の安定・向上を図り、銅条事業の拡大を目指してまいります。
■土浦工場の概要
所在地 茨城県土浦市木田余町3550
工場長 弓野 茂
従業員数 779名(2007年3月末現在)
敷地面積 552,000m2
建屋面積 134,000m2
主な生産品目 銅条、銅管、電気用伸銅品
※参考資料を参照