ニコン、大型ACサーボモータ向けの多回転アブソリュートエンコーダを発売
耐久性とメンテナンス性を向上したモジュラー型エンコーダ
多回転アブソリュートエンコーダ「MAR-MK32A」の発売について
株式会社ニコン(社長:苅谷道郎)の子会社、株式会社仙台ニコン(社長:大見川幹生、宮城県名取市)は、大型ACサーボモータ向け多回転アブソリュートエンコーダ(*1)を2007年4月23日から発売します。耐久性とメンテナンス性を向上したモジュラー型で、産業用垂直多関節ロボットの駆動源として使われる大型ACサーボモータなどの制御用として、搭載が可能です。
なお本製品は、「TECHNO-FRONTIER 2007 第25回モータ技術展」(日時:2007年4月18日~20日、場所:幕張メッセ)に出展します。
(*1) 電源ON時に原点復帰(リセット)作業をしなくてもエンコーダの絶対位置を認識でき、作業の効率化を図ることができるアブソリュート(絶対位置検出)タイプのロータリーエンコーダ。
●発売概要
商品名 多回転アブソリュートエンコーダ「MAR-MK32A」
価格 10,000円(税込10,500円)/ロット1000台(標準仕様時)
発売予定日 2007年4月23日
予定生産台数 初年度20,000台
●発売のねらい
エンコーダは、軸の回転角度や回転数をデジタル量として検出するために用いる計測器で、モータの位置・速度を検出して制御部に情報を伝達するセンサーとしても普及しています。自動車製造ラインの産業用ロボットや工作機械など、各種産業機械の分野で、幅広く利用されています。
ニコンでは、1990年に独自の多回転アブソリュートエンコーダ「MAR-H10」を発売。
以後、アブソリュートエンコーダ事業に本格的に参入し、ユーザーのアプリケーションに応じた製品ラインアップを拡充してきました。
今回発売する製品は、振動などの過酷な使用環境にも耐えうるエンコーダとして、モジュラー構造(ベアリングレス)をとりながら、生産現場でのエンコーダ交換を可能にしたいというお客様のニーズに応えるものです。ニコン独自の光学技術と革新的な設計構造により、今までのモジュラー型エンコーダに必要であった信号調整作業(オシロスコープを見ながらの位置合わせ)をなくしました。また、制御器への位置データ伝送方法は、双方向フルシリアル通信「ニコンAフォーマット」を搭載して、従来機種との互換性を持っています。
●主な特長
1.信号調整作業が不要
ニコン独自のM系列を応用したアブソリュートパターン技術と優れた光学設計によって、モジュラー型(ベアリングレス)でありながら、信号調整作業(オシロスコープを見ながらの位置合わせ)をなくしました。生産現場でのエンコーダ交換を可能にした革新的なアブソリュートエンコーダです。大型ACサーボモータの過酷な使用環境にも耐えうる信頼性と、生産現場でのメンテナンス性を両立しました。
2.一回転20ビットの高分解能を実現
一回転内分解能が最大20ビット(2の20乗:1,048,576分割/回転)もの高分解能(標準品は17ビット)を実現しました。精密な位置決めが可能となり、さらに速度制御の安定性向上にも大きく貢献します。
3.双方向フルシリアル通信「ニコンAフォーマット」を装備
信号線4本の省配線が可能な双方向フルシリアル通信「ニコンAフォーマット」を装備。
複数のエンコーダを同一配線上に接続ができる「バス接続」にも対応可能(オプション)です。
4.主電源OFF時にも高速応答・低消費電流
バッテリーバックアップ(主電源OFF)時にも、通常動作時と同じく6,000rpm(1分あたりの回転数)以上の高速応答が可能。また、多回転部に磁気エンコーダ方式を採用しているため、バックアップ時の消費電流が少なく、外部バッテリーの耐久性が向上します。
●主な仕様
* 関連資料 参照
<この件に関するお問い合わせ先>
株式会社仙台ニコンFA 事業部企画営業課(東京ブランチ)
140-0015 東京都品川区西大井1-3-3(コア・スターレ西大井ビル) 03-3776-0511
ニコン・ホームページ http://www.nikon.co.jp/