日本アルテラなど3社、リアルタイムOS「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」を発表
アルテラNios II向け、マルチプロセッサ対応の初の商用
リアルタイムOS「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」を発表
株式会社エーアイコーポレーション(本社:東京都品川区、代表取締役社長:加藤博之)、日本アルテラ株式会社(東京都新宿区西新宿、代表取締役社長:日隈 寛和、米国本社:カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ: ALTR)、NPO法人TOPPERSプロジェクト(会長:名古屋大学教授 高田 広章)は本年4月17日、世界で最も支持されているアルテラのコンフィギュレーション可能なソフトコア・プロセッサ Nios(R) IIのマルチプロセッサに対応した、機能分散型リアルタイムOS「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」を発表しました。「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」は、エーアイコーポレーションから提供されます。この組込みソリューションは、デジタル家電、OA機器、車載システムなど様々な分野のアプリケーションをターゲットとしており、今日の先進システムにおける性能、消費電力、および電磁波などの課題に対応します。
アルテラ・コーポレーションのプロダクト&コーポレート・マーケティング担当バイスプレジデントのダニー・ビラン(Danny Biran)は、「Nios II対応『TOPPERS-Proマルチ/FDMP』により、組込み市場でのNios IIの利用がさらに加速されることでしょう。設計者は、Nios IIを活用しつつ、アルテラのStratix(R)シリーズFPGAやCyclone(R)シリーズ、および HardCopy(R) ストラクチャード ASICを用いたマルチプロセッサシステムを構築し、低コストと迅速なTime-to-Marketを実現することが可能になります」と述べています。
今回発表された「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」は、名古屋大学の高田 広章教授をリーダーとする特定非営利活動法人(NPO法人)のTOPPERSプロジェクトが開発したマルチCPU対応オープンソースOS「TOPPERS/FDMP」をベースとした初の商用化OS(OS&ミドルウェア)です。「TOPPERS/FDMP」はμITRON仕様準拠のリアルタイムOSのTOPPERS/JSPカーネルを機能分散マルチ・プロセッサ向けに拡張したカーネルで、μITRON仕様準拠のAPIも備えています。これにより機能分散マルチプロセッサを用いたアプリケーション開発を大幅に効率化し、μITRON仕様向けのソフトウェア資産も活用することができます。
エーアイコーポレーションは、TOPPERSプロジェクトが開発したNios II対応の「TOPPERS/FDMP」をベースに、同社が取り扱う商用基本ミドルウェアのTCP/IPプロトコルスタック、電源断対応のFATファイルシステムをインテグレートし、独自にアルテラ社の統合開発環境へ対応する「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」を開発しました。本年6月初旬から提供開始する予定です。また「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」の、技術サポート、品質保証、知的財産権侵害のリスクへの対応を行います。「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」により、Nios IIを使用したマルチCPUシステムのための包括的なパッケージが提供されます。さらに、リモートメンテンナンス・フィールドアップデートを実現する機能であるリモートリンクローダ(RLL)を、「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」でもオプション対応します。
エーアイコーポレーションは、以下の3つの「TOPPERS-Proシリーズ」を提供します。
●リモートリンクローダ対応μITRON仕様OS「TOPPERS-Pro」
●メモリ保護カーネルとリモートリンクローダ対応RTOS「TOPPERS-Proセキュア」
●機能分散型マルチプロセッサ対応RTOS「TOPPERS-Proマルチ/FDMP」
エーアイコーポレーションの代表取締役社長である加藤 博之氏は、「機能分散マルチプロセッサは、各プロセッサ・コアに別々の役割を持たせることで、高いコストパフォーマンスや厳しいリアルタイム性が求められる組込みシステムに有力なソリューションであるにも関わらず、これまで機能分散マルチプロセッサを用いたアプリケーション開発に有効に活用できるリアルタイムOSは存在しませんでした。当社は、組込みシステムで益々利用が加速するFPGAと、コンフィギュレーション可能なソフトコア・マルチプロセッサに対応することで、今後も組込み市場のニーズに応えていきます」と述べています。
TOPPERSプロジェクトの会長である名古屋大学教授の高田 広章氏は、「TOPPERS-Proマルチ/FDMPの成功には、TOPPERSプロジェクトの成果物であるオープンソースを技術サポート、品質保証するエーアイコーポレーション、そしてNios IIによる独自の組込みソリューションを提供するアルテラとのパートナーシップが不可欠です。本日の発表は、組込みシステム技術の推進と、業界の発展という我々の目標にとって、重要なマイルストンと言えます」と述べています。
Nios II エンベデッド・プロセッサについて
Nios II ソフト・エンベデッド・プロセッサは、プログラマブル・ロジックおよびsystem-on-a-programmable-chip(SOPC)の統合に最適化された汎用32ビット RISC CPUです。また、世界中で開発キットが 20,000個以上販売され、世界の上位20社に入るOEM企業にも採用されています。Niosアーキテクチャは、現在最も支持されているコンフィギュレーション可能なソフト・プロセッサです。Nios IIが備えている「C-to-Hardware(C2H)アクセラレーション・コンパイラ」は、プログラムのボトルネックとなっている部分を、ボタン一つでハードウェア化でき、システムのパフォーマンスを飛躍的に向上させます。URL : www.altera.co.jp/nios2
エーアイコーポレーションについて
1985年の設立以来、機器組込み用ソフトウェアの専門商社として 15社以上の世界のトップメーカや最先端技術のベンチャー企業の日本総代理店としてソフトウェア製品のライセンス販売をしています。ソフトウェアの販売とともに、常に良質な技術サポートとユーザの開発を支援するための移植・SIなどのエンジニリングサービスを提供し、総合的なソリューションを提供しています。またソフトウェア・ドライバ分野を中心に、自社開発製品の販売・サポート事業も行っています。製品分野としては、ネットワーク、通信、無線、ファイルシステム、画像をはじめとするさまざまな領域のソフトウェア部品やアプリケーション、組込みソフトウェアの品質保証や生産性向上を支援するツール群、オープンソースOSを中心としたリアルタイムマルチタスクOSとその開発環境製品群があります。特に力を入れているテーマとして、大規模化、複雑化による「組込みソフトウェアの品質問題」があり、この視点より各種商品・サービスの提案・提供に力を入れています。URL : www.aicp.co.jp
TOPPERS プロジェクトについて
TOPPERS(Toyohashi OPen Platform for Embedded Real-time Systems)プロジェクトは、ITRON仕様の技術開発成果をベースとして、組込みシステム構築の基盤となる各種のソフトウェアを開発し、高品質なオープンソースソフトウェア「HiQOS(High Quality Open Source)」として公開することで、組込みシステム技術と産業の振興を図ることを目的としたプロジェクトです。また、その利用技術や教材となるソフトウェアの提供を通じて、組込みシステム技術者育成に貢献することも目的としています。TOPPERSプロジェクトは、2003年9月に設立した特定非営利活動法人(NPO法人)を中心に、名古屋大学教授の高田 広章をリーダとして、産学官の団体と個人の連携により推進しています。URL : www.toppers.jp
アルテラ・コーポレーションについて
アルテラのプログラマブル・ソリューションは、顧客企業に迅速かつコスト効率に優れた技術革新、他社製品との差別化をもたらし、顧客最終製品の市場におけるシェア拡大を実現します。アルテラに関する詳細情報は、同社Webサイト( www.altera.com 日本語: www.altera.co.jp )に掲載されています。
Altera、The Programmable Solutions Company、アルテラロゴ、弊社特定デバイスの定義、およびその他の商標ならびにサービス・マークを意味する語彙は、特記されていない限り、すべてアルテラ・コーポレーションの米国及びその他の国における登録商標、商標またはサービス・マークです。"TOPPERS" およびTOPPERSプロジェクトのロゴは、TOPPERSプロジェクトの登録商標です。TRONは"The Real-time Operating system Nucleus"の略称、ITRONは"Industrial TRON"の略称、μITRONは"Micro Industrial TRON"の略称です。その他記載されている製品名あるいはサービス名は各所有企業に帰属します。