丸紅、カリブ地域の電力事業持株会社の株式を取得
カリブ地域の電力事業持株会社の株式取得について~垂直統合型電力事業への参画~
丸紅株式会社(以下「丸紅」)は米国大手卸発電事業者(IPP)のミラント社(Mirant Corporation)が実施した、同社グループ会社でカリブ地域の電力事業持株会社である「ミラント・カリビアン・ホールディングス(以下「MCH社」)の国際入札を落札し、現地時間の18日、MCH社を保有するミラント・インターナショナル・インベストメンツ社との間で株式売買契約を締結いたしました。契約金額は約580百万ドル(700億円相当)です。
MCH社は、バハマとジャマイカで垂直統合型の電力会社の過半数持分を保有するほか、トリニダード・トバゴとオランダ領アンティル(キュラソー島)におけるIPPの持分を保有する持株会社で、持分発電容量の合計は115万キロワットです。本件は日本企業が海外で垂直統合型の発電事業を手がける初めてのケースとなります。
中間持株会社を通じて、MCH社が保有する事業は以下の通りです。
・グランド・バハマ島での独占電力会社(GBPC社)*の55.4%
・ジャマイカの独占電力会社(JPS社)*の80%
・トリニダード・トバゴの電力需要の80%を供給するIPP(PowerGen社)の39%
・キュラソー島でベネズエラ国営石油会社の精油所向けに電力・蒸気・水を供給する事業会社(CUC社)*の25.5%、および島の配電・水道会社(Aqualectra社)の優先株
今後は、米国に設立したプロジェクト会社を通じ、移行手続を進めてまいります。
尚、本件に関しまして、財務アドバイザーとしてみずほコーポレート銀行を起用しております。また、買収資金については丸紅の出資金のほか、銀行団からのローンにより調達する予定です。
丸紅は、海外電力事業を戦略分野の一つに掲げており、強固な基盤を増強すべくグローバルポートフォリオの積み増しを図っております。今回の買収対象にはこれまで丸紅が手掛けてきた発電事業に加え送電・配電事業も行う独占型の垂直統合型電力会社を含んでおります。2002年からの国内での小売事業ならびにこれまで蓄積してきた発電事業のノウハウを生かし垂直統合型電力事業の安定した運営を実施していく予定であり、今回の買収により丸紅はグランド・バハマ島ならびにジャマイカにておいて約60万世帯に直接電力を供給することになります。
今回の買収により、昨年12月に東京電力株式会社と共同で買収契約に調印した、ミラント・アジア・パシフィック社の持分と合わせると、持分比率を考慮した保有発電容量では540万キロワット相当へと拡大致しました。今後とも丸紅は、全世界を対象に基幹インフラである電力事業分野の発展に寄与してまいります。
以 上
<*注>
GBPC社:Grand Bahama Power Company Limited
JPS社:Jamaica Public Service Company Limited
CUC社:Curacao Utilities Company