日本鉄鋼連盟、3月の鉄鋼生産概況を発表
鉄鋼生産概況2007年3月
2006年度粗鋼生産1億1,775万トン、前年度比4.5%増
-過去2番目の高水準
3月1,026万トン、前月比11.4%増、前年同月比6.0%増
1~3月2,953万トン、前年同期比5.4%増
(1)2006年度概況
◎2006年度の鉄鋼生産をみると、銑鉄は2002年度以来5年連続増加した。粗鋼と熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)は前年度を大きく上回り、過去2番目の高水準となった。
○銑鉄生産は8,491.9万トンと2005年度の8,293.7万トンを198.2万トン、2.4%上回った。
○粗鋼生産は1億1,774.6万トンと、2005年度の1億1,271.8万トンを502.8万トン、4.5%上回り、2000年度以降7年連続して1億トン台に乗せるとともに、1973年度の1億2,001.7万トンに次ぐ過去2番目の高水準となった。
炉別生産では、転炉鋼が8,692.4万トン(前年度比3.9%増)、電炉鋼が3,082.2万トン(同6.0%増)となり、粗鋼合計に占める電炉鋼比率は26.2%と前年度を0.4ポイント上回った。
鋼種別では普通鋼が9,189.4万トン(前年比4.5%増)、特殊鋼が2,585.2万トン(同4.4%増)であった。なお、特殊鋼生産は、5年連続で過去最高記録を更新した。
○熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は1億593.3万トンで、前年度比5.4%増となり、4年連続で1億トン台に乗せるとともに、1990年度の1億624.1万トンに次ぐ過去2番目の高水準となった。鋼種別にみると、普通鋼が8,465.3万トン(前年度比5.7%増)、特殊鋼は2,128.0万トン(同4.4%増)となり、特殊鋼はこれまでの最高であった2005年度の2,038.4万トンを上回り、過去最高を更新した。
品種別にみると、広幅帯鋼(4,561.5万トン)は過去2位、亜鉛めっき鋼板(1,453.2万トン)は過去最高であった。
(2)2007年3月及び1~3月概況
◎2007年3月の鉄鋼生産は、銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)のいずれも前月比、前年同月比とも増加した。
○3月の銑鉄生産は718.2万トンと、前月比では稼働日数の関係もあり70.6万トン、10.9%の大幅増となった(前年同月比2.5%増)。また1~3月では前年同期比3.2%増の2,106.9万トンであった。なお、3月の高炉稼働基数は前月と同様の34基中27基であった。
○3月の粗鋼生産は1,025.8万トンと、前月比105.1万トン、11.4%増、前年同月比では6.0%増と、前年同月比で10カ月連続の増加となった。3月としては過去最高で、月間では過去4位の水準であった。1~3月では前年同期比5.4%増の2,952.8万トンであった。
3月の炉別生産をみると、転炉鋼は749.5万トンと前月比11.5%増(前年同月比4.2%増)、電炉鋼は276.3万トンと同11.1%増(同11.3%増)となった。前年同月比でみると転炉鋼は10カ月連続の増加、電炉鋼は16カ月連続の増加となった。
3月の鋼種別生産では、普通鋼は797.1万トンと前月比12.8%増(前年同月比6.3%増)、特殊鋼は228.7万トンと同7.0%増(同5.0%増)となり、前年同月比では普通鋼は10カ月連続の増加、特殊鋼は15カ月連続の増加となった。
○3月の熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産は949.0万トンと前月比115.4万トン、13.8%増(前年同月比8.3%増)となり、前年同月比では10カ月連続の増加となった。
1~3月では2,687.3万トン(前年同期比7.2%増)となった。
○普通鋼熱間圧延鋼材(一般)の生産は755.6万トンと前月比95.7万トン、14.5%増(前年同月比8.6%増)となり、前年同月比で10カ月連続の増加となった。
1~3月では2,137.3万トン(前年同期比7.6%増)となった。
3月の生産品種別では、条鋼類が219.0万トン(前月比12.7%増、前年同月比9.1%増)で、前年同月比では18カ月連続の増加となった。一方、鋼板類は529.5万トン(同15.1%増、同8.3%増)で、前年同月比では10カ月連続の増加となった。
3月の主要品種の生産内訳をみると、鋼板類では最大のウエイトを占める広幅帯鋼が409.7万トン(前月比16.8%増、前年同月比10.1%増)と前年同月比10カ月連続で増加したほか、厚板も111.1万トン(同11.3%増、同3.2%増)と前年同月比5カ月連続の増加となった。一方、条鋼類では中小形形鋼(12.9万トン、同3.2%減、同4.1%減)が前年同月比で2カ月振りの減少となったものの、小形棒鋼(106.4万トン、同13.2%増、同8.4%増)とH形鋼(42.3万トン、同15.0%増、同19.4%増)が前年同月比で18カ月連続増加、また大形形鋼(13.7万トン、同9.8%増、同6.2%増)が前年同月比で2カ月連続の増加となるなど、条鋼類の主要品種では前年を上回る基調が続いている。
○3月の特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は、193.4万トンと前月に比べ19.7万トン、11.4%増(前年同月比7.3%増)となり、前年同月比では10カ月連続の増加となった。
また1~3月では550.0万トン(前年同期比5.7%増)となり、2006年10~12月期の536.9万トンを上回って、過去最高を更新した。