米ローム・アンド・ハース、米コダック社のライトマネジメント・フィルム事業を買収
ローム・アンド・ハース社
コダック社のライトマネジメント・フィルム事業の買収に合意
ローム・アンド・ハース社(NYSE:ROH 米国ペンシルベニア州フィラデルフィア)と、イーストマン・コダック社(NYSE:EK 米国ニューヨーク州ロチェスター)は、2007年4月18日(米国時間)、ローム・アンド・ハース社によるコダック社のライトマネジメント・フィルム事業の買収に関して合意したと発表しました。同事業では、液晶ディスプレイ(LCD)の輝度と効率を向上させる先端フィルムを生産しています。
契約の一部として、ローム・アンド・ハース社は、特許、商標、ノウハウ、企業秘密、現在および今後における製品の同事業のポートフォリオ、および知的財産のライセンスなど、コダック社のライトマネジメント・フィルム関連の知的財産を取得します。また、この買収には、ニューヨーク州ロチェスターにある試験工場施設、および主要原材料の供給も含まれています。買収取引の完了後、ローム・アンド・ハース社は、アジア太平洋地域に大規模な専用製造工場を建設します。2008年初頭の稼働を予定しています。
「本日の発表は、当社のフラットパネル・ディスプレイ・テクノロジー事業基盤の構築に向け、素晴らしい第一歩であります。先端ライトマネジメント・フィルムを加えることにより、当社で成長しているフラットパネル材料のポートフォリオが補強されることになります。コダック社は、独自のディスプレイ・フィルムを市場に提供し、またアジア市場に参入して地位を確立することに成功しました。技術情報パイプラインの厚みと充実により、成長著しい液晶テレビ市場における新たなディスプレイに求められる要件に対応します」と、エレクトロニック・マテリアルズ部門のイ・ヒョン・ペイク副社長兼ビジネス・グループ・ディレクターは述べています。
「この事業はローム・アンド・ハース社が適任と考えています。事業および事業展開が電子材料業界で好調な業績を持つ企業の手に委ねられるため、今回の買収は顧客および従業員にとっても素晴らしいニュースです」と、コダック社のライトマネジメント・フィルム事業のロバート・コーノヤー ゼネラル・マネージャー氏は述べています。
画像技術分野における世界有数の企業であるコダック社は、さまざまな用途で使用されるライトマネジメント・フィルム製品を開発してきました。フラットパネル産業におけるこの技術での初めての適応には、ポリカーボネート・フィルム上にランダムに並べられた何百万個もの単一レンズの使用があります。通常のLCDアプリケーションでは複数あるライトマネジメント・レイヤーのうちの一つとして、この独自のフィルムを使用することで、輝度、色濃度、および視野角が向上するとともに、商業フィルムで発生しがちな光学上の異常であるモアレが低減されます。
ローム・アンド・ハース社エレクトロニック・マテリアルズ部門およびスペシャルティー・マテリアルズ部門の取締役副社長およびビジネス・グループ取締役であるピエール・ブロンドー博士は、この買収はエレクトロニック・マテリアルズ部門フランチャイズを成長させるという会社の戦略に沿ったものであるとコメントしています。
「2006年後半に、ローム・アンド・ハース社は、成長の加速、生産性の向上、および成長基盤への積極的な投資を目的とした計画となる、ビジョン2010戦略を立ち上げました。当社のエレクトロニック・マテリアルズ部門は過去数年にわたり素晴らしい業績を残してきました。革新が最も重要である市場で当社の地位を向上させる大きな機会が存在していると考えています。これから数年の間、エレクトロニック・マテリアルズ事業を積極的に成長させていくことをお約束いたします。この買収は、その目的を達成するために講じる手段のうちの第一歩です」とブロンドー博士はコメントしました。
契約の金銭面の条件は明かにされていません。この買収取引は、2007年の前半に完了する予定です。コダック社のこの事業に関連する、ロチェスター、台湾、日本、韓国、および中国の従業員は、ローム・アンド・ハース社のエレクトロニック・マテリアルズ事業の一員となる予定です。
【見通し情報の記述について】
この発表には「見通し情報」が含まれています。実際の結果は、現在の予想が変わり大きく異なったものとなる可能性があります。この発表に含まれている製品やサービスに対する需要および売り上げ予想に関する見通し情報は、リスクおよび不確実性を有しており、新製品やサービスの連続的でタイムリーな開発と採用、競合他社の製品とその価格による影響、原材料、天然ガス、その他エネルギー関連のコスト、それらによるコスト増を相殺するための製品価格転嫁能力、操業地で効力を持つ税、およびその他の法律や規制の影響などの様々な要因の影響を受けて変わることがあります。これらのリスク等の詳細については、ローム・アンド・ハース社が米国証券取引委員会(SEC)に提出した10-K報告書(2007年2月28日付)を参照してください。
◆ローム・アンド・ハース社(NYSE:ROH)
1909年に創立されたローム・アンド・ハース社は、米国フィラデルフィアに本社を置く特殊素材メーカーです。創立以来約1世紀の経験から培った技術力でお客様の次世代を狙う製品、サービスおよびソリューションを提供しています。当社の技術は、建築、エレクトロニクス、産業プロセス、パッケージング、輸送、日用品、水、食料品など、幅広い分野で世界中の人々の生活に役に立てられています。2006年には約82億ドルの売り上げを計上しています。詳しくは当社のホームページ www.rohmhaas.com をご覧ください。
◆ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ社
(日本法人:ローム・アンド・ハース電子材料株式会社 東京都千代田区、代表取締役社長:渡邉憲也)
ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ社は、電子部品および光部品に対する革新的な材料技術のソリューションおよびプロセスを開発・提供しています。その製品と技術は、プリント回路基板、半導体製造および先端パッケージング産業を中心に、世界中の電子産業に貢献しています。