NTTとNTTレゾナント、映像を公開先限定で共有できる「携帯動画共有実験」を開始
身近な感動体験の映像を公開先限定で共有できる
「携帯動画共有実験」を開始
~携帯を使った動画共有がますます便利に~
日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)と、NTTレゾナント株式会社(以下NTTレゾナント、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和才博美)は、ポータルサイト「goo(*1)」上の実験サイト「gooラボ」(URL: http://labs.goo.ne.jp/ )で、「携帯動画共有実験」(別紙1)を開始します。
本実験では、簡単な操作で、動画の撮影から編集、閲覧までのすべての機能を携帯電話端末(以下、携帯)から利用できます。また、動画の公開先を限定できるSNS(*2)機能を搭載することで、家族や友達といったプライベート性の高い動画を安心して楽しむことが可能です。これによりユーザが、気軽に身近な感動体験の映像を携帯で安全に共有できる仕組みを整え、これまでの動画共有サイトとは違った楽しさを提供します。
両社では、本実験を通じ、携帯による動画共有機能に関して商用環境での実用性を検証します。実験期間は2007年10月末までを予定しています。
1.本実験の背景と目的
「携帯動画共有実験」は、昨年10月より「gooラボ」上で行ってきた、携帯で撮影した動画をその場で簡単に編集してサムネイル画像(*3)やパノラマ画像(*4)をサイト上に公開できる「携帯動画パノラマ実験」(*5)にて頂いたご意見や、独自のユーザ調査の結果に基づいて、行われています。
現在、動画共有サービスの利用ニーズが高まっていますが、動画共有サービスにて動画を掲載したことがある利用者は1割に満たない(*6)のが現状です。また、SNSに今後求められる機能として、「家族、友人、同僚等もっときめ細かいアクセス制御ができる機能」が最も多く挙げられています。(*7)これに対し、本実験では、公開先を限定できるSNS機能を搭載することで、例えば、赤ちゃんの笑顔は家族や親戚だけに、バーベキュー大会の動画は職場の同僚の間で共有するといったことが可能になりました。
また、携帯だけで動画の撮影・閲覧は勿論のこと、撮影した動画の前後に予め用意されたオープニングとエンディング映像を組み合わせることができるなど動画の編集も容易に行えるため、「いつでも、どこでも」動画を撮影し、すぐに視聴することができます。さらに今までも携帯でSNSを利用する際に動画を見ることができるサービスはありましたが、どのような内容かは実際に動画を再生して見てみないとわかりませんでした。しかし、本実験では、動画の特徴的な部分を静止画で確認することができるため、動画を再生するまでもなく見たい動画を探すことができるようになり、使い勝手が大幅に向上されました。
これにより、動画を撮影する楽しさを手軽に体験できる機会を提供し、「身近な動画を共有する」新たなサービスの市場性について探ってまいります。
2.実験の概要
「携帯動画パノラマ実験」で提供した機能に改良を加え、新たな実験サービスとして提供します。主な特徴は以下のとおりです。
(1) 携帯で快適に動画投稿(別紙2)
携帯で撮影した動画は、メールにファイルを添付して送信するだけで掲載可能です。さらにNTTのサイバーソリューション研究所(*8)(以下、NTT研究所)の映像解析技術によって、投稿された動画の中から、自動的に特徴あるシーンの画像(サムネイル)が表示されます。そのため、動画をダウンロードすることなくひと目で内容が確認できます。また、携帯の小さな画面でも自動生成したパノラマ画像をより大きく見やすく表示するとともにサムネイルとパノラマ表示を自由に切り替え可能としたことで、携帯の通信速度や画面サイズを考慮した、快適に利用できる動画共有サービスになっています。
(2) SNS機能で安心(別紙3)
公開先を「非公開」「友達だけに公開」「特定グループだけに公開」「友達の友達まで公開」「全体に公開」の5段階に選択する機能や、友達を招待する機能など、既存のSNSの機能に加え動画の公開先を段階的に制限できるようにすることで、より多くの方に安心して利用してもらうことができます。
また、友達が投稿した動画や、自分がコメントした動画が本人のトップページにまとめて表示されるので、自分に関係のある動画を効率良く視聴することができます。
(3) 動画テンプレート機能「あてこみ」で手軽に編集(別紙4,別紙5)
ユーザが投稿した動画に、予め用意されたオープニングとエンディングの映像が自動的に合成される、動画テンプレート機能「あてこみ」を追加しました。ユーザは動画テンプレート毎に用意されたメールアドレスに動画を送るだけで「あてこみ」を簡単に利用できます。提供開始時には、ニュース番組風の「今日のニュース」と、結婚式用の「一言メッセージ」など数種類のテンプレートを用意し、ニュースキャスターやレポーター気分を味わうことができます。
3.技術のポイント
NTT研究所が開発した、携帯SNSに適した映像閲覧が可能な「携帯動画SNS技術」と、簡単操作で多彩な動画編集が可能になった「動画テンプレート編集技術」を利用しています。
(1) 携帯動画SNS技術
SNSの限定公開制御機能に加え、携帯でも快適に動画を視聴できるユーザインタフェースを追加しました。新しいユーザインタフェースでは、次の3通りの検索方法を提供します。
<1> 友達、グループといった人の関係を手がかりに探す
<2> ジャンルなどのメタデータを手がかりに探す
<3> 自動生成されるサムネイル画像やパノラマ画像を手がかりに動画内容で探す
これらのユーザインタフェースにより、家族や友達といった「人の関係」を手がかりとした絞込みを行った後、「サムネイル画像」や「パノラマ画像」を手がかりにした階層的な検索が可能になりました。これにより、より早く目的の動画を探し出し、動画を通じた知り合い同士のコミュニケーションを円滑に行うことができます。
(2) 動画テンプレート編集技術
撮影された映像と予め用意されたオープニングとエンディング映像を自動的に合成して編集映像を生成する技術です。今までの一般的な映像編集ソフトは機能が豊富な反面、一般の人には使いこなすのが難しいという問題がありました。本技術では、編集ノウハウをテンプレートとして記述しておくことで、ユーザはテンプレートを選択し、撮影映像を投稿するだけの簡単操作で、気軽に魅力的な動画を作成できるようになります。本実験中にもより多彩なテンプレートを順次追加していく予定です。
4.各社の役割と今後の予定
(1) NTT
本実験サービスに必要なNTT開発の技術を提供します。これにより、商用環境における同機能の有用性および有効性を検証します。
(2) NTTレゾナント
利用動向や利用者のご意見を基にビジネス性を評価し、本実験で得られたデータをもとに、「goo」でのサービス化も視野に入れビジネス性の検討を行う予定です。
5.利用方法
「goo」トップページ( http://www.goo.ne.jp/ )から「gooラボ」をクリック
⇒ 「サービスリリース欄」から「携帯動画共有実験」をクリック
⇒ QRコードを読み取りURL(「携帯動画共有実験」携帯サイト)にアクセス
もしくは、携帯メールアドレスを送信してURLをメールで受け取ってアクセス
⇒ ユーザ登録を行えば準備完了
※ 本実験を利用するためには、NTTドコモのFOMA 900 / 700シリーズ、および、iモード付加機能が必要です。(iモード、iモーションメールを使用します。)
[用語解説等]
(*1) goo( http://www.goo.ne.jp/ )
NTTレゾナントが運営する『goo』は、1か月あたり約3,600万ブラウザ(※)からのアクセスを有する、日本を代表するインターネットポータルです。サービスの中核である「検索サービス」ではWebページの検索サービスのみならず、辞書や地図、その他各種実用情報などの多彩且つ膨大なデータベースの検索サービスを提供しています。併せて「コンテンツ」「パーソナル便利ツール」「コミュニティサービス」等の幅広いサービスも提供し、これらのサービスをより便利に活用できる「gooID」の会員数は約785万にも達しています。また、それらサービスへのアクセス者数を背景として、国内屈指のネット調査サービス「gooリサーチ」等を、主に法人向けに提供しています。
(※) 2007年1月の弊社ログシステムより、『goo』へのアクセスデータから、当該期間中にアクセスされたユニークブラウザ数をカウントし算出。
(*2) SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
ネット上で知人関係を構築するサービス。多くの場合、既存会員からの紹介によってのみ入会できる。友人どうしや「友人の友人」との情報交換などが可能。
(*3) サムネイル画像
コンテンツの内容を表す小さな画像のことで、映像の中から複数の特徴的な画像を抜き出すことにより一覧性を高めることができます。
(*4) パノラマ画像
映像から連続した場面のサムネイル画像を抽出し、それらを自動的に貼り合わせて変換した一枚の画像。この画像により、映像内容の空間的広がりをひと目で把握できます。
(*5) 「携帯動画パノラマ実験」
ポータルサイト「goo」上の実験サイト「gooラボ」で、2006年10月18日から今回の「携帯動画共有実験」が始まるまで行っていた実験です。
(関連ニュースリリース http://www.ntt.co.jp/news/news06/0610/061018a.html )
この実験により得られた成果として、個人が撮影した動画は知り合い同士の限定公開に適していること、PCとの併用ではなく携帯のみでサービスを利用しているユーザが予想以上に多いこと、サムネイル・パノラマ画像は映像の閲覧性向上に役に立つことなどがあり、それらを本実験に反映しています。
(*6) 「動画共有サイトに関する調査」
NTTレゾナント(gooリサーチ)・インターネットコム株式会社(japan.internet.com)共同調査結果「動画共有サイトに関する調査」(調査期間:平成19年4月5日~4月7日、調査対象:全国のインターネットユーザ1,088人)より。
(*7) 「ソーシャルネットワーキングサービス利用実態」調査
NTTレゾナントおよび三菱総合研究所による「gooリサーチ」自主調査「ソーシャルネットワーキングサービス利用実態」調査結果(調査期間:平成18年12月26日~12月29日、調査対象:全国のインターネットユーザ2,186人)より。
(*8) サイバーソリューション研究所( http://www.ntt.co.jp/cclab/ccsouken/sl/sl_index.html )
ユーザの視点に立ったブロードバンド・ユビキタス時代の情報通信サービスを目指し、サービスプラットフォームによる新しいサービスの自由な協調・連携と、ネットワールドとリアルワールドの調和(リッチヒューマンエクスペリエンス)の調和に向けた技術を核として、近未来の生活ITサービスの研究開発を行っています。