オリエンタルランド、中期経営計画「Innovate OLC 2010」を策定
中期経営計画「Innovate OLC 2010」について
株式会社オリエンタルランドは、この度、2011年3月期までの新たな中期経営計画「Innovate OLC 2010」を策定いたしましたので、お知らせいたします。
I.基本方針
当社グループを取巻く環境は、顧客の価値観の多様化や少子高齢化に伴う顧客層の変化、および雇用環境の変化といった日本の構造的な問題などにより難しい経営環境となっています。中期経営計画「Innovate OLC 2010」において当社グループは、これらの環境に対応するため、この4年間を「OLCグループの新たな成長に向けた取り組みを推進する期間」と位置づけ、利益成長と適正な資源配分により、中長期的に安定した成長を可能にする経営基盤を作るとともに“涙が出るくらい”の感動の創造を目指してまいります。
この実現に向け以下の3点を基本方針として掲げました。
(1)コア事業(東京ディズニーリゾート)の更なる強化による利益の成長
(2)新たな成長基盤の確立
(3)OLCグループ価値の向上
(1)コア事業(東京ディズニーリゾート)の更なる強化による利益の成長
〔1〕クオリティ向上
ゲスト満足(CS)向上のために、ゲストのパーク体験価値をさらに向上させてまいります。そのために、キャストの働く環境整備が必要との観点から従業員満足(ES)向上のためマネジメント力の一層の強化を行ないます。加えて、「顧客志向の更なる強化」を行ない、顧客満足の最大化を図ります。また、2009年3月期には「東京ディズニーリゾート25周年」キャンペーンの実施、「東京ディズニーランドホテル」「シルク・ドゥ・ソレイユ専用劇場」の開業など、ソフトとハードの両面から体験価値の向上を図ります。
〔2〕ターゲットの明確化
ターゲットとする顧客セグメントを明確化し、ゲスト個々のニーズにあった施策の実施により幅広いゲストに高感動な体験を提供、マーケットの拡大を図っていきます。また、天候などの外部環境に左右されない来園確約型集客の増加に向けた取り組みを強化し、入園者数実績の水準を段階的に上げていくことを目指します。
〔3〕コストの効率化
固定経費の抑制、労働生産性の向上、グループ全体でのスケールメリットを生かしたコスト削減などコスト効率化を進めることで、入園者数の変動に左右されない利益の確保を目指します。
(2)新たな成長基盤の確立
当社グループでは長期的な成長に向け、東京ディズニーリゾートに続く事業として、グループの企業使命である「夢、感動、よろこび、やすらぎ」を提供する“空間”を創造する事業を研究・開発してまいります。
当社の得意分野である人と人とのコミュニケーションとそれを演出する空間から生み出される当社ならではの価値の提供を、他社との連携も図りながら、2011年3月期までにその事業内容を定めることを目指し、複数のプランの研究を進めております。
そして、こうした方向性のもと、その一つとしてディズニー社と共に進めてきた「都市型エンターテイメント施設」に関するプロジェクトについては、本格的に事業化することを目指し、ディズニー社と共同作業で、さらに具体的な検討を進める段階に入っております。
【「都市型エンターテイメント施設」について】
当該施設は、ディズニーならではの演出が施された屋内型エンターテイメント施設です。
エンターテイメントやお食事、ショッピングなどを通じて、テーマパークとは異なるディズニーの世界をより身近に感じていただける施設として、2010 年以降、関東圏以外の大都市中心部において開設することを目指します。
※当案件に関しては、研究・開発費のみ中期経営計画に含まれております。
今後も当社グループでは、これまで築いてきたディズニー社との良好なパートナーシップを強みとしたディズニー事業展開の研究に加え、ディズニーブランドを使用しない事業も含め、舞浜エリアにとらわれることなく、長期的な視点で幅広く新規事業の可能性を模索してまいります。
(3)OLCグループ価値の向上
当社グループは、株主の皆さまに対するキャッシュフロー配分比率を高め、2008年3月期には配当性向を35%以上にすることを目標に利益還元してまいります。そして、利益の成長と直接的な利益還元によりROEの向上を目指します。
当社グループの価値向上は、経済的価値向上とともに社会的視点における価値の付加も欠かせない要素であると認識し、CSR(企業の社会的責任)にも積極的に取り組んでまいります。法令遵守といったステークホルダーからの信頼基盤を確立するための取り組みとともに、“家族の絆”や“学び”など、OLCグループの強みを発揮することができるものをテーマとし活動してまいります。そのCSRの考え方を全役職員が認識するとともに、新たに取り組む事業や施策についてもその社会的責任に基づいて展開、企業価値向上に努めてまいります。
また、当社グループの強みである“人財”の育成を強化してまいります。各事業において事業の核となる人財を育成するとともに、社員に社外での新たな挑戦機会を積極的に提供し、事業推進のできる人財を育成し、新たな価値を創造してまいります。
II.「Innovate OLC 2010」が目指す経営指標
(1)連結当期純利益: 270 億円レベル
「東京ディズニーランドホテル」「シルク・ドゥ・ソレイユ専用劇場」のオープンによる売上増やコストの低減などにより、2011年3月期には当期純利益で過去最高益となる270 億円レベル(2007年3月期比165.6%)を目指します。
(2)配当性向35%以上
当社グループは、更なる株主還元を進めてまいります。2008 年3月期から35%以上を目標とし、獲得した利益を積極的に株主の皆さまに還元してまいります。
以上