TCM、「ZWシリーズ」からバケット容量3.0m3のホイールローダ「ZW180」を発売
新型ホイールローダZW180発売
TCM(株)(社長石木厚重)では、ホイールローダ「ZWシリーズ」の第2弾として、ZW180(バケット容量3.0m3)を追加し、5月10日から販売を開始いたします。
「ZWシリーズ」は、当社と日立建機株式会社が共同で開発を続けているホイールローダの新シリーズで、2006年1月の発売以来、世界中の現場で高い評価を受けています。
このたびZW180は、「ZWシリーズ」の基本性能を踏襲し開発され、作業内容に応じエンジンとポンプの両方のトルクを協調して制御する「TT(Total Torque-control)システム」を採用したほか、さらに進化した走行3モードを搭載し、作業量増大と燃費低減を両立いたしました。
ZW180の発売により、「ZWシリーズ」は全4機種となります。今後、さらにラインアップを充実させ、さらなる販売の拡大を図ってまいります。
<主な特長>
1.作業性の向上(走力が作業力を押し上げる)
(1)TT(Total Torque-control)システムの採用
作業内容に応じて3つの作業モードから最適モードが選択でき、作業量増大と燃費低減を両立いたしました。
・Pモード:重掘削作業に適したモード
・Nモード:通常の積み込み作業に適したモード
・Lモード:燃費重視の軽作業に適したモード
(2)さらに進化した電子制御オートトランスミッションの採用
車速と車両の負荷を検知し、滑らかな変速を実現しました。さらに、作業内容に応じて3つの走行モードを選択でき、スムーズな走りを実現しています。
・走行Lモード:
アクセルペダルがハーフアクセルでも自動的にシフトアップし、低燃費を実現。
運搬作業や長距離移動に適したモード
・走行Nモード:
V字掘削や通常の積込みなど一般的な積込み作業に適したモード
・走行Hモード:
負荷の状況に応じて自動的に1速までシフトダウンする、仕事量重視の作業に適したモード
この他にも、マニュアルでシフトチェンジできる走行Mモードを設定しております。
(3)新油圧回路の採用
新パラレルタンデム回路の採用により、従来機ではできなかった、リフトアームとバケットを同時に動かす複合動作が可能になりました。掘削や積込みといったフロント作業を効率良く、スムーズに行えます。
さらに、作動油の吐出量を制御できる可変容量型ポンプの採用により、必要なときに、必要な量だけ作動油を供給することが可能になったため、作動油を無駄に流すことがなくなりました。
また、高圧化を図ったことで油圧効率が向上し、燃費の低減にも効果を発揮します。
(4)クラッチカットオフのモードの採用
平地でのスピーディな作業、傾斜地での確実な作業など、あらゆる作業環境に柔軟に対応できるよう、ブレーキの踏み込み量に応じてクラッチのカットオフタイミングを変えられる3モードを設定しました。
・クラッチカットSモード:平地での積込み作業に適しています。
・クラッチカットNモード:緩斜面での作業に対応します。
・クラッチカットDモード:急斜面でのホッパーへの投入作業に向いています。
2.居住性の向上
(1)優れた視界
・前面ガラスを足元まで広げるとともに、リヤガラスのピラーレス化により、ほぼ全周が見渡せるワイドパノラマキャブを実現しました。
・キャブ前面に曲面ガラスを採用することで上方の視界が広がり、積込み作業時にもバケットの動きを直接目視できます。
(2)加圧キャブと樹脂ルーフの採用
・加圧キャブの採用により、採石現場などで発生する非常に細かい粉塵の侵入を防ぎ、キャブ内を清浄に保ちます。
・キャブ上に樹脂ルーフを採用したことにより、強い日差しがあってもキャブ内の温度上昇を抑え、エアコンの冷却効率を格段に向上させます。
3.メンテナンス性の向上
(1)CAN(Computer Area Network)採用により車体搭載コントローラのトータル制御の実現
・ハンドル・モニターへの故障コード表示と故障診断装置ドクターZW の採用
(2)給油脂インターバルの大幅延長
・フロントピンに新型ブッシュ(HNブッシュ)を採用(当社従来機:100→ZW:500時間)
・新センターベアリングの採用(当社従来機:250→ZW:1000時間)
・新プロペラシャフトの採用(当社従来機:250→ZW:2000時間)
・新作動油の採用(当社従来機:2000→ZW:4000時間)
(3)容易なメンテナンス作業
・作業の楽なガルウィング式エンジンフードの採用
・点検・交換がし易い、燃料フィルタ、エンジンオイルフィルタ、ウォーターセパレータ
・掃除の楽なオープン式冷却ファン(ゴミ吐き出し逆回転機能付き)
4.安全性の向上
(1)キャブにはISO規格に合格した(*)ROPSおよび(**)FOPSを内蔵しています。
(2)パノラマキャブ、ランドシェープ式エンジンフードの採用で視界を大幅に向上しました。
(3)傾斜付きステップでキャブへの楽な乗り降りを実現しました。
*ROPS(Roll-over Protective Structures):
転倒時にシートベルトを装着したオペレータを保護する構造
**FOPS(Falling-object Protective Structures):
落下物からオペレータを保護する構造
<目標販売台数>
350台/年(OEM販売含む)
<主な仕様>
※ 関連資料参照
以上