富士通、デジタル家電向け「FR80S」コア搭載32ビットマイコンを発売
デジタル家電向け「FR80S」コア搭載32ビットマイコン新発売
~既存FR製品のソフト資産を流用でき、処理性能30%向上~
当社は、32ビットマイクロコントローラー(以下、マイコン)「FR」ファミリー(注1)に、新たなCPUコアである「FR80S」を搭載したデジタル家電向け製品ラインナップを加え、第一弾として高速動作版「FR80S/T1シリーズ」を開発し、2007年9月より販売開始します。
「FR80S」CPUコアでは、既存のFR製品の命令セットを継承しつつ、CPU処理性能を30%以上高速化(注2)しています。
デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、DVDレコーダ、オーディオ機器などのデジタル家電製品では、モデルチェンジのたびに便利な付加機能が追加され、それに伴いマイコンの処理内容も増加しています。また、多彩なディスプレイ表示などへの対応により、マイコンで処理するデータが大容量化し、ますますCPU性能の高速化が求められています。
こうした要求に応えるため、従来に比べて30%以上処理性能をアップした、新たな32ビットCPUコア「FR80S」を搭載したマイコンのラインナップを加えます。各製品の周辺機能仕様は全て同一のため、ソフト資産の流用が可能で、お客様のアプリケーションでのモデル展開に容易に対応できます。
「FR80S」搭載マイコンの第一弾として、高速動作に対応した「FR80S/T1シリーズ」を新たに開発し、プログラムの大容量化が進んでいるオーディオ機器やプリンタなどに向けて「MB91F639」、製品機能アップによりマイコンの多ピン化が要求されている一眼レフデジタルカメラやデジタルテレビなどに向けて「MB91F647」の2製品の販売を開始します。今後さらに低消費電力版、多機能版など豊富な製品ラインナップを取り揃え、お客様の多様なご要望にお応えしていきます。
なお、本製品は、富士通VLSI株式会社(注3)、富士通デバイス株式会社(注4)、富士通マイクロソリューションズ株式会社(注5)と共同で開発したものです。
また本製品について、5月16日(水曜日)から18日(金曜日)に東京ビッグサイトで開催される「第10回組込みシステム開発技術展」で展示します。
■ サンプル価格、および販売開始時期
・製品名 「MB91F639」
サンプル価格(税込) 1,000円
販売開始時期 2007年9月
・製品名 「MB91F647」
サンプル価格(税込) 1,000円
販売開始時期 2007年10月
共通評価用チップ「MB91V650」は2007年8月より販売開始。
■ 販売目標
月間50万個(2製品合計)
■ 「FR80S/T1シリーズ」の特長
1. 新CPUコア「FR80S」搭載で処理性能向上
パイプライン処理の改善などによって、既存の「FR」コアからCPU処理性能を30%以上アップした「FR80S」コアを搭載しました。「FR80S」は、既存「FR」の命令セットを継承していますので、お客様のこれまでのソフト資産が流用可能です。
2. 業界最高速のA/Dコンバーター(注6)を2ユニット搭載
約1.2マイクロ秒(注7)でアナログ信号をデジタルに変換できる高速A/Dコンバーターを2ユニット内蔵しています。これにより、さまざまなセンサーからの情報を高速処理することが可能になります。
3. 業界最多、全12チャネルのシリアルインターフェースを搭載
映像や音声処理用の各種デバイス制御用として、12チャネルのマルチファンクションシリアルインターフェースを内蔵しています。マルチファンクションシリアルインターフェースでは、ソフト切り替えにより、SIO(注8)、UART(注9)、I2C(注10)の通信方式に対応することが可能です。
* 関連資料「FR80S CPUコア搭載マイコンの製品展開」 参照
■ 当社マイコンへの取り組み
当社はフラッシュマイコンをコア製品と位置づけ、お客様に3つのバリュー“供給力”、“信頼性”、“技術力”を提供する「FF Value」(富士通フラッシュマイコンバリュー)を提唱しています。当社製品はCANマイコンをはじめとする車載用、デジタルAV、情報家電など幅広い分野で採用され、高い評価をいただいています。
■ 商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
■ 添付資料
PDF 「FR80S/T1シリーズ」の仕様概要
以上
■ 注釈
(注1) 「FR」ファミリー:
Fujitsu RISCファミリー。富士通32ビットマイコンのファミリー名。
(注2) CPU処理性能を30%以上高速化:
CPU性能アップ率はソフトに依存して変動します。
(注3) 富士通VLSI株式会社:
社長 高橋 仁、本社 愛知県春日井市。
(注4) 富士通デバイス株式会社:
社長 和田 邦彦、本社 東京都品川区。
(注5) 富士通マイクロソリューションズ株式会社:
社長 藤田 鋼一、本社 神奈川県横浜市。
(注6) A/Dコンバーター:
アナログ信号をデジタル信号に変換する回路。
(注7) 約1.2マイクロ秒:
最小A/D変換時間は、周辺機能動作クロック及び外部回路の条件によって変わります。
(注8) SIO:
クロック同期通信機能。
(注9) UART:
調歩同期式シリアル通信機能。
(注10) I2C:
Philips社提唱のバス通信機能。複数の機器を2本の信号線でデータのやり取りを行うインターフェース。
■ 本件に関するお問い合わせ
電子デバイス事業本部 システムマイクロ事業部ソリューション技術部
電話: 044-754-2181 (直通)
E-mail: edevice@fujitsu.com