キヤノンMJ、アルゴ21株式に対する公開買付けを開始
株式会社アルゴ21 株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
当社は、平成19年5月16日開催の取締役会において、下記のとおり株式会社アルゴ21(コード 4692 東証第一部、以下「対象者」といいます。)の株式及び新株予約権を公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)により取得することを決議いたしましたので、お知らせいたします。
記
1.買付け等の目的
当社は、従来の卸売業からソリューション業への業態転換に向け体質強化を進めた結果、2006年に、グループ連結業績で、4期連続増収増益、2期連続最高売上・利益更新を達成し、同年4月に変更した新社名に相応しいスタートを切ることが出来ました。また、同年には、キヤノングループが掲げている「グローバル優良企業グループ構想フェーズIII」(2006~2010年)の一環として、「長期経営構想(2006~2010年)」(以下「長期経営構想」といいます。)もスタートさせました。長期経営構想の中で、当社は、2010年に売上高1兆1,000億円、経常利益率5.2%以上の経営目標を掲げるとともに、ITソリューション事業の売上目標を3,000億円とする方針(ITS3000億円計画)を打ち出しております。
当社は、2003年に旧住友金属システムソリューションズ株式会社(現キヤノンシステムソリューションズ株式会社(以下「CSOL社」といいます。))の全株式を取得し、同社をグループにおけるITソリューション中核企業へと成長させてまいりました。CSOL社においては、システムインテグレーション(以下「SI」といいます。)事業、パッケージソフト商品事業、基盤系事業の整理統合強化を進めております。これに加え、CSOL社は、医療ソリューション事業やCAD事業強化のためのM&Aなどを進めてまいりました。また、その他のグループ各社におきましても、M&Aや事業提携などを積極的に遂行しております。
しかしながら、当社は、ITS3000億円計画達成のためには、こうした事業強化策だけでは不十分であると考えております。今後、グローバルな競争が激化するITソリューション分野においては、自社の強みを活かしつつ、顧客にワンストップでサービスを提供できるITソリューションカンパニーの創設が急務であると考えられます。当社は、アルゴ21を当社グループの一員として迎えることにより、ITS3000億円計画実現に向けた飛躍的な成長路線を磐石にすることができると考えております。すなわち、アルゴ21は、1984年の創業以来、情報システムの企画、構築から運用管理に至るまでの一貫したサービス体制により、ITサービス業界において独自性のある事業展開を進めてきました。特に、金融や公共を中心に蓄積されたノウハウをベースとしたSIサービスに強みを発揮し、顧客、パートナーから強く信頼される存在として活動しています。かかるアルゴ21とCSOL社との連携により、両社のSI事業における開発力、構築力を活かして、ITソリューション事業の強化を大きく図ることが出来るものと考えられます。また、他の事業領域におけるグループ各社とのシナジーも期待することができます。
以上の考えの下、当社は、アルゴ21との間で事業提携ないし資本提携について協議・検討を重ねてまいりましたが、本公開買付けを実施することが両社の企業価値の向上に資するものであると判断し、両社間で本公開買付けの実施等に関して平成19年5月16日付で合意書(以下「本合意書」といいます。)を締結いたしました。本合意書においては、本公開買付け終了後における当社の指名する者のアルゴ21の役員の選任に関して本公開買付けの結果当社の有することとなるアルゴ21の議決権の割合に応じて両社間で誠実に協議の上決定すること、当社及びアルゴ21並びにそのグループ会社のシナジーを最大化するべく本公開買付け終了後のアルゴ21の事業展開等について誠実に協議を行うこと等について、両社間で合意しております。
当社は、本公開買付けの結果、アルゴ21を子会社化することを企図しておりますが、同社の上場廃止は必ずしも企図しておりません。したがって、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数は5,800,000株(買付等を行った後における株券等所有割合は54.21%)としております。しかしながら、当社及びアルゴ21は、アルゴ21の株主の利益に鑑み、本公開買付けに応募いただいた株券等については全てを買付ける旨合意しており、本公開買付けにおいては、応募株券等の総数が上記買付予定の株券等の数を下回った場合又は応募株券等の総数が上記買付け予定の株券等の数を上回った場合のいずれの場合であっても、応募株券等の全部を買付けることとしております。
なお、アルゴ21の株式は東京証券取引所市場第一部に上場されておりますが、上記の通り本公開買付けはアルゴ21の上場廃止を企図するものではありません。しかしながら、本公開買付けでは買付けを行う株券等の数に上限を設定しないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める株券上場廃止基準に従い、所定の手続きを経て、アルゴ21の株式は上場廃止となる可能性があります。
東京証券取引所の定める株券上場廃止基準に抵触した場合につきましては、当社は、アルゴ21の少数株主の利益を保護するべく、株式交換等によるアルゴ21の完全子会社化等も視野に入れておりますが、現時点では具体的な対応方針及びその条件等の詳細については決定しておらず、本公開買付けの結果東京証券取引所の定める株券上場廃止基準に抵触するに至った段階で、本公開買付けの結果を踏まえ慎重に検討を行ってまいります。
また、当社は、本公開買付けの結果アルゴ21の上場が維持されるか否かにかかわらず、本公開買付けの終了後2008年度を目処に、アルゴ21とCSOL社(2006年12月期実績(連結)売上高43,029百万円、経常利益3,151百万円、総資産額16,227百万円、資本金3,617百万円、従業員数1,775名)との間で事業統合を行うことを検討しております。これにより、当該事業統合後の新会社は、当社グループにおけるITソリューション事業の中核として競争力のある企業となることを目指します。さらに、当社はかかる統合を受けて、更なる規模拡大と提供サービスの質的向上を進め、日本の情報サービス産業を牽引していく存在となることを目標とします。なお、かかる事業統合の具体的な形態及び条件(本公開買付けの結果アルゴ21の上場が維持されている場合において、当該事業統合後に同社の上場を引き続き維持するか否かを含みます。)については、現時点では未定であり、本公開買付けの結果当社の有することとなるアルゴ21の議決権の割合及び本公開買付け後の各社の具体的な状況等に応じて、今後検討の上決定する予定です。
アルゴ21経営陣にはすでに以上の趣旨に対する共感の意を表していただいており、同社の平成19年5月16日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の決議がなされております。
*以下、詳細は添付資料をご参照ください。