矢野経済研究所、管工機材卸商業の最新市場動向調査結果を発表
管工機材卸商業の最新市場動向
◆調査要綱
調査の目的
矢野経済研究所では、隔年で建設資材卸業における管工機材卸業界にフォーカスし、その経営状況、事業実態等について、有力企業へのヒアリング、アンケート調査等を実施し調査レポートを作成しており、本年も業界動向並びに事業実態を調査・検証した
調査の対象
全国の管工機材卸業者116社
調査の方法
専門調査員による直接ヒアリング調査
電話アンケート調査
各種統計等の収集・分析
調査の期間
2006年10月1日~2007年4月20日
◆調査結果サマリー
◎引続き建材卸商、電設資材卸商との業際領域が拡大しており、業際商品における競争がますます激化する傾向にある!
◎2005年度の管工機材卸商業の市場規模は、対前年度比105.1%の1 兆8,624億円!
◎近年増収傾向が続く管工機材卸商業界ではあるが、素材高騰によるところが大きく、実態は横這傾向の感が強い!
◎団塊世代の大定年時代をむかえ、優秀な人材の確保に苦心する企業が多く、業界全体の課題となっている!
◆資料体裁
資料名:「2007年版管工機材卸商経営総鑑」
発刊日:2007年4月27日
体裁 :A4判、348頁
定価 :126,000円(税込価格)
○株式会社矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越孝
設立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル
URL: http://www.yano.co.jp/
【調査結果の解説】
<引続き建材卸商、電設資材卸商との業際商品領域が拡大>
・建設業界における卸業には、一般建築資材を取扱う建材卸商と、電気設備資材を取扱う電設資材卸商、そして管材を取扱う管工機材卸商などがある。
・この3業態で、ともに取扱っている商材として、設備機器類(キッチン、バスユニット、空調機器等々)があり、これらは業際商品と呼ばれることも多い。
・この業際商品は、各業態とも主たる取扱商材との関連が深い商材でもあると同時に、昨今のリフォーム、リニューアル需要の高まりなどから、他の一般建築資材よりも高付加価値を見出せる商材となっている。
・したがって、各業態ともにその取扱いに注力しており、結果、業際商品における競争がますます激化していく傾向となっている。
<2005年度の管工機材卸商業の市場規模は1兆8,624億円:図表>
・調査、分析の結果より、管工機材卸商業における市場規模を推定した。
・推定結果としては、2003年度が1兆6,607億円、2004年度が1兆7,720億円、そして2005年度が1兆8,624億円となった。
・また、2006年度以降について、2006年度は1兆9,555億円、2007年度2兆141億円、そして2008年度が2兆746億円と予測した。
・ここ数年、年5~6%増で堅調に推移してきているが、この傾向は2006年度までであり、2007年度ごろには年3%増程度となり、やや落ち着きを見せ始めると推察される。
<近年の増収傾向は素材高騰に起因するところが大きく、実態は横這傾向に近い>
・既述のように市場規模は近年5~6%増の成長率を見せているが、これら成長の背景には素材価格の高騰ということがあげられる。
・これにより販売単価が増加傾向となり、結果、市場規模を押し上げる主要因になっている。(特にこの2~3年の成長要因はこれに起因するところが大きい。)
・したがって、実際の市場感としては、増収傾向というよりも横這傾向に近いものとなっており、素材価格の高騰が落ち着きしだい、成長が鈍化していく可能性が高いであろう。
<団塊世代の大定年時代をむかえ、優秀な人材の確保が業界全体の大きな課題になる>
・昨今の管工機材卸商業界において、もっとも大きな課題・問題点としてクローズアップされているのが、“人材”不足問題である。
・団塊世代の大定年時代をむかえ、特に営業力の低下についてはいずれの事業者においても免れることができないこととなっている。
・それらを少しでもカバーすべく、営業人員の効果的な育成や、新入社員を獲得するための業界の魅力造りなどについて、大手事業者を中心に注力している。
・その他の対策として、定年退職者の再雇用促進を行なう事業者も増加してきている。
・いずれにせよ、事業を担ってきた中核社員の退職による、営業力、技術力低下を如何に最小限に抑えることができるかということが、今後の業界内における勢力の決定要素の1つとなっていくだろう。
(※添付資料あり)