忍者ブログ

ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

ニュースサイトなど宛てに広く配信された、ニュースリリース(プレスリリース)、 開示情報、IPO企業情報の備忘録。 大手サイトが順次削除するリリースバックナンバーも、蓄積・無料公開していきます。 ※リリース文中の固有名詞は、発表社等の商標、登録商標です。 ※リリース文はニュースサイト等マスコミ向けに広く公開されたものですが、著作権は発表社に帰属しています。

2024'11.26.Tue
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2007'05.27.Sun

日立、超解像方式によるデータ再生時の信号誤りを低減する技術を開発

次世代大容量・高密度の光ディスクの実現に向けた、再生信号誤り低減技術を開発
超解像方式を用いた多層記録を可能とし、記録容量500ギガバイトの実現に寄与


 日立製作所中央研究所(所長:福永 泰/以下、日立)は、このたび、次世代の大容量・高密度光ディスクの実現に向け、次世代光ディスク技術の有力候補として期待されている「超解像方式」でデータを再生した時の信号誤りを低減するための基本技術を開発しました。超解像方式とは、従来の光記録の物理限界を超え、微小な記録マークでの記録・読み出しを可能とする、次世代光ディスク技術の有力候補として期待されている再生方式です。今回は、これまで超解像方式について課題とされてきた再生時の信号誤りを低減するため、信号処理技術ならびに媒体設計技術を新たに開発し、信号誤り率を実用的なレベルにまで低減できることを実証しました。
 本技術により、光ディスクの記録層を重ねる多層方式と超解像方式を組み合わせた、CDサイズで1枚あたり500ギガバイトの大容量・高密度光ディスクの実現*1が期待されます。

 近年、デジタルハイビジョン画像の記録メディアとして、またハードディスクの大容量化に対応したバックアップメディアとして、光ディスクのさらなる大容量化が求められています。これまで、光ディスクの大容量化は、記録再生に用いる半導体レーザ光源のスポットサイズを微小化し、記録密度を向上させることで実現されてきました。しかし、光スポットの微小化にはレーザの波長と集光レンズの性能で決まる物理的な限界があることから*2、近年、次世代の光ディスク大容量化技術として、物理限界を超えて微小な記録マークを読み出すことができる「超解像方式」が注目されています。超解像方式とは、光を吸収して温度が上昇すると、屈折率などの光学特性が変化する薄膜(超解像膜)を記録層内に形成した媒体を用いるもので、光スポットの中心付近だけが高温になる性質を利用して、光学特性が変化する微小な記録マークを読み出す方式です。現行方式に比べ、4倍程度の記録密度の向上が期待されていますが、さらなる大容量化のためには、記録層を多数用いる多層記録膜との組合せが求められます。しかし、記録層内の超解像膜は光を吸収しやすいため、多層にすると奥の記録層まで光を到達させることが困難であることに加え、データ再生時の信号誤りが大きいという本質的な課題がありました。
 前者の課題に対して、日立では、これまで、読み取り専用(ROM)ディスク向けに、記録層内に超解像膜を点在させて埋め込み、これを記録ピット*3に用いる媒体技術*4を開発してきました。この媒体技術を用いることによって、光は超解像膜以外の部分を透過して手前の層から奥側の層まで到達させることが可能となります。これらの技術により、2層ディスクの両層で超解像効果が得られることを実証してきました。

 さらに今回、日立では、もう一つの課題である、再生時の信号誤り率を低減するために、その要因を明らかにし、それを改善する技術を開発しました。開発した技術の概要は、以下のとおりです。

(1)記録マークの低温時の光学特性をスペース領域と同一にする記録膜設計技術
 記録マーク部に埋め込んだ超解像膜の光学特性が、低温時にはスペース領域と同一になる記録膜の設計技術を開発しました。これにより、光スポット内に複数の記録マークが存在する場合でも、中心部の高温部分に存在する記録マークからの超解像の再生信号だけを、他の低温部分の記録マークから得られる信号と明確に区別して読み出すことが可能になります。

(2)信号誤り率を低減する雑音処理回路技術
 低温領域から読み出される信号が一定量以上になると、信号誤り率が急激に高まることを突き止めました。さらに、再生信号に比べ、低温領域から得られる信号が低周波数であることに着目し、低周波信号のみを取り除く雑音処理回路技術を考案しました。

 上記の方法により、今回、雑音信号を排除し、超解像信号のみを再生可能であることを確認しました。また、トラックの走行方向に対して現行光ディスク方式の3倍程度の高密度記録を行った場合に、信号誤り率を現行の光ディスクと同等レベルにまで低減できることを、シミュレーションによって確認しました。
 これにより、光ディスクの記録層を重ねる多層方式と超解像方式を組み合わせた、CDサイズで1枚あたり500ギガバイトの大容量・高密度光ディスクの実現*1が期待されます。

 なお、本成果は、2007年5月21日から米国オレゴンで開催される光記録に関する学会「Optical Data Storage 2007」にて報告します。

*1:1層あたり100ギガバイトの記録層を5層積層した場合。
*2:光スポットサイズは光の波長とレンズの分解能性能を示す開口数(NA)で決定され、あるサイズを限界としてそれ以上小さく絞ることはできません。光の波長が短いほど、また、レンズのNAが高いほど、光スポットを小さくすることが可能です。
*3:CDやDVDなどをはじめとした円盤状の光学記録メディアに、データを記録するのに利用される微細な「くぼみ」のこと。
*4 
記録膜は、記録ピットを作製したディスク基板に超解像膜を積層させ、化学機械研磨などでピット部分以外の超解像膜を除去して作製します。記録面の大半は、記録マーク以外の領域(スペース領域)であり、超解像膜が除去されていますので、光の透過性が向上し奥の層まで到達させることが可能になります。


以 上

PR
Post your Comment
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
trackback
この記事のトラックバックURL:
[27886] [27885] [27884] [27883] [27882] [27881] [27880] [27879] [27878] [27877] [27876
«  BackHOME : Next »
広告
ブログ内検索
カウンター

忍者ブログ[PR]