米インテルとSTマイクロなど3社、民生・産業機器向けフラッシュ・メモリの新会社を設立
インテル、STマイクロエレクトロニクス、フランシスコ・パートナーズが
フラッシュ・メモリをリードする新会社を設立
新会社は革新的でコスト効率に優れた不揮発性メモリ・ソリューションを提供
STマイクロエレクトロニクス、インテルコーポレーション、ならびにフランシスコ・パートナーズの3社は、2006年に合計36億ドル規模の売上を創出した事業の主要資産をベースにして、独立した半導体会社を新設することに合意したと本日発表しました。この新会社の戦略的フォーカスは、携帯電話、MP3プレイヤ、デジタル・カメラ、コンピュータやその他のハイテク機器などを含む、様々な民生機器や産業機器に向けてフラッシュ・メモリ・ソリューションを提供することです。
新会社は、インテルとSTがそれぞれ所有していた研究開発、製造、営業、マーケティングなどの資産を集約し、合理化されたグローバルな企業としてコスト効率に優れかつ革新的な不揮発性メモリ・ソリューションを生み出すために必要な事業規模を備えています。
40年以上にわたるSTとインテルによる、次世代の相変化メモリを含む不揮発性メモリの技術開発における経験を組み合わせることで、新会社は優位性を確保し、総合的なメモリ・ソリューションを顧客に提供し、今後の新たな不揮発性メモリ技術への移行を加速することになります。
STの社長兼CEOで新会社の非常勤取締役会長に就任するカルロ・ボゾッティは次のようにコメントしました。「この新しい会社は、現在ならびに次世代の不揮発性メモリ技術の提供に必要とされるあらゆる要素を擁しており、STのフラッシュ・メモリ事業に対する関わりを刷新するものです。」
インテルコーポレーション社長兼CEOのポール・オッテリーニは次のようにコメントしました。「新会社は、この厳しい競争市場において、最新鋭製品に対する顧客の要求に応えるために必要な人員、事業規模、技術リーダーシップを備えています。」
現在インテルコーポレーション副社長兼フラッシュ・メモリ事業本部本部長で、新会社のCEOに就任予定のブライアン・ハリソンは、次のようにコメントしました。「新会社は発足時から、ワイヤレス通信分野におけるフラッシュ・メモリ・ソリューションの先進サプライヤとなります。我々は、顧客に総合的なNORもしくはNANDベースのソリューションを提供でき、これが新会社の成長に向けた多大な可能性と数多くの新しいアプリケーションや様々な地域に向けた製品開発の可能性を持っていると確信しています。」
今回の合意では、新会社に対して、STがNANDに関するジョイント・ベンチャーへの投資持分とNOR事業の経営資源を含むフラッシュ・メモリに関する資産および経営資源を売却し、インテルはNOR型フラッシュに関する資産を売却します。これにより、インテルは最終的に、新会社の株式の45.1%を所有し、4億3,200万ドルの現金を受け取ります。
一方STは最終的に、新会社の株式の48.6%を所有し、4億6,800万ドルの現金を受け取ります。また、投資会社のフランシスコ・パートナーズ(米国カリフォルニア州サンマテオ郡メンロパーク)は、新会社の株式の6.3%に相当する転換優先株に対して1億5,000万ドルの現金を投資する計画ですが、諸事情によって調整されます。3社は、新会社に対して、13億ドルの中長期融資と2億5,000万ドルの運転資金枠を用意しました。中長期融資に関しては、複数の銀行によるコンソーシアムによって引き受けられる予定です。融資によって得られた資金は、新会社の運転資本、インテルならびにSTへの購入費用の支払いに充てられます。現在、新会社への移管手続きは、当局の認定作業およびその他の慣例的手続きが進められており、2007年下半期中に完了する予定です。
「新会社は、通信分野や産業分野の顧客からの多種多様な要求に応えられる非常に広範な不揮発性メモリ・ソリューションを提供する能力を持つことになります。」とフランシコ・パートナーズの創設者でマネージング・パートナーであるディパンジャン・デブはコメントしました。
新会社のCEO(最高経営責任者)にはブライアン・ハリソンが就任し、COO(最高執行責任者)には現在STの上級副社長でフラッシュ・メモリ・グループの責任者であるマリオ・リチャデロが就任する予定です。新会社は、本社をスイスに構え、オランダに会社登記される予定です。主要な研究・製造拠点は世界9箇所、従業員総数は約8,000名、世界各国にセールス部門を擁する計画です。
インテルとSTから新会社に引き継がれる資産・経営資源には2,500件に及ぶ特許と1,000件の申請中の特許が含まれています。また、新会社は、携帯機器やほとんどのデジタル情報機器で処理される情報やコンテンツの増大に伴うメモリの需要増加により、今後の事業拡大が期待できます。STとインテルの統合には、両社が協力してきた相変化メモリも含まれており、潜在顧客により迅速かつ効率的に先端フラッシュ・メモリ技術を提供することを可能にします。
■インテルについて
シリコンの技術革新で世界をリードするインテルは、人々の仕事と生活をさらに豊かにする先進的な技術と製品を開発、イニシアティブを推進していきます。インテルに関する情報は、http://www.intel.co.jpで入手できます。
■STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力とを組み合わせることにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。
またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。さらに詳しい情報は、http://www.stjapan.co.jp/(日本語)http://www.st.com/(英語)をご覧ください。
■フランシコ・パートナーズについて
フランシコ・パートナーズは、テクノロジーや関連サービスなどのビジネスに投資を集中している世界的な投資会社です。約50億ドルの資本を有する同社は、テクノロジー分野の株式公開企業ならびに未公開企業や企業分割に構造的な投資を行っており、取り扱い金額は3000万ドルから30億ドルにわたります。さらに、詳しい情報は、http://www.franciscopartners.comをご覧ください。