キッセイ薬品と武田薬品、「グルファスト錠」と「α-GI」の併用療法で効能追加が承認
速効型インスリン分泌促進薬「グルファスト(R)錠」
α-グルコシダーゼ阻害剤との併用療法効能追加のお知らせ
キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役社長:神澤陸雄、以下、「キッセイ薬品」)は、武田薬品工業株式会社(代表取締役社長:長谷川閑史、以下、「武田薬品」)と共同で販売している「グルファスト(R)錠5mg、同10mg(以下、グルファスト錠)」(一般名:ミチグリニドカルシウム水和物)について、この度、5月24日付にて、α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI)との併用療法の効能追加が承認されましたのでお知らせ致します。
グルファスト錠は、キッセイ薬品が創製・開発し、平成16年5月から武田薬品と共同販売している速効型インスリン分泌促進薬です。本剤は、服用後速やかに効果を発現することから、インスリン分泌を自然なパターンに近づけて食後高血糖を改善するとともに、作用持続時間が短いため空腹時の低血糖を惹起しにくい特長があります。一方、α-GIは、糖質を腸管で二糖類から単糖へ分解する酵素(α-グルコシダーゼ)の作用を阻害し、糖質の消化・吸収を遅延させることで食後高血糖を改善する薬剤で、武田薬品の「ベイスン(R)錠」(一般名:ボグリボース)などがあります。
これらの異なる作用機序を持つ二剤の併用療法の臨床的な有用性を確認することを目的とし、α-GI単独療法を対照とした二重盲検比較試験の結果、α-GI単独療法に比べ、グルファスト/α-GI併用療法は低血糖リスクを増加させることなく、血糖コントロールの指標であるHbA1Cを有意に改善することが明らかになりました。
本効能追加により、α-GI製剤にグルファスト錠を併用することで、より良い血糖コントロールを得ることが可能となり、糖尿病の薬物治療の選択肢が広がることが期待されます。また、本併用療法により、食後の急峻な血糖の上昇(グルコーススパイク)をより改善することが確認されました。グルコーススパイクは動脈硬化を促進する危険因子であり、心筋梗塞などの心血管障害リスクを上昇させることが明らかになっており、本併用療法は、これらのリスクを軽減する有用な治療法となる可能性が期待されています。
以上