日立、欧州3ヶ所で建設する石炭火力発電設備3基を一括受注
欧州で大型の石炭火力発電設備3基を一括受注
日立製作所 電力グループ(グループ長&CEO:丸 彰/以下、日立)は、日立の子会社である日立パワーヨーロッパ(CEO:重弘 勝矢/以下、HPE)と共同で、ベルギーの最大手電力会社であるエレクトラベル社(Electrabel S.A.)から、欧州3ケ所で建設する石炭火力発電設備3基を一括で受注しました。受注金額は、日立とHPEの合計で約3,000億円です。発電出力は1基あたり約80万キロワットで、2012年12月までに3基すべての運転が開始される予定です。
今回、新設される発電所のうち一ヵ所は、オランダ ロッテルダム市内のマースフラクテに建設される計画です。他の二ヵ所のうち一ヵ所は、ドイツ北西部のシュターデに建設が計画されており、残りの一ヵ所は、ドイツ北部のブルンスビュッテルまたはドイツ西部のヴィルヘルムス・ハーフェンに建設されることが検討されています。新設する発電所は、超臨界圧技術を採用した最新鋭の大型の石炭火力発電所で、日立が蒸気タービンおよび発電機の設計と製造を担当し、HPEがボイラ、排煙の脱硝脱硫処理を行う環境装置、周辺機器類の調達と主要機器の全体エンジニアリングおよび据付作業を担当します。
欧州では電力需要が堅調に伸びている一方で、EU(欧州連合)による環境規制の強化が推進されています。超臨界圧技術は、高温の水蒸気を連続発生させ、タービンへ送り込む水蒸気の温度を高めることで、使用する石炭の消費量を低減させ、発電所の運転効率を向上させることができる技術であり、経済性の向上と環境負荷の軽減を両立させる一つの方策として期待が寄せられています。
日立とHPEは、2006年11月にドイツ・ヴァルズム石炭火力発電所10号機(79万キロワット超臨界圧、ドイツ西部)の発電設備を受注しており、このプロジェクトにおける経験と実績、さらに技術力や提案力が総合的に評価され、今回の受注に至りました。今後も、日立とHPEは、欧州における大型の石炭火力発電設備プロジェクトにおいて、積極的な事業展開を行い、受注拡大に努めていきます。
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