富士経済、ヘアケア・ヘアメイクとメンズコスメの化粧品市場調査結果を発表
ヘアケア・ヘアメイク6品目、メンズコスメ5品目の化粧品市場調査を実施
大型ブランドの投入で活性化するヘアケア・ヘアメイク市場
2007年(見込) 4,863億円(前年比0.4%増)
育毛剤ブームの沈静により縮小するメンズコスメティックス市場
2007年(見込) 1,028億円(前年比3.2%減)
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 代表取締役 阿部英雄03-3664-5811)は、2007年3月~4月にかけて、ヘアケア・ヘアメイク6品目、メンズコスメティックス5品目の化粧品市場の調査を実施した。その結果を調査報告書「化粧品マーケティング要覧2007 No.2」にまとめた。
<調査結果の概要>
1.ヘアケア・ヘアメイク市場
●2006年 4,843億円(0.6%増) 2007年(見込) 4,863億円(前年比0.4%増)
2006年は「ツバキ」(エフティ資生堂)の新投入による大量のプロモーションが話題となり、トイレタリーを中心として競合他社も新ブランド・新ライン発売や既存主力ブランドの大幅刷新を行ったことからインバス市場は活性化した。トイレタリーブランドでは新ブランド・新ライン追加やリニューアル時に高機能を訴求するとともに価格の引き上げを実施しており、化粧品系ブランドとの機能、価格差は小さくなってきている。一方で、ヘアスタイリング剤やヘアカラーは依然として市場縮小が続いている。
2006年の資生堂グループによる「ツバキ」投入を契機としてシェア争いが激化したインバスカテゴリーは、2007年に入り花王、P&Gジャパンがそれぞれ新ブランド「セグレタ」、「パンテーン クリニケア」を投入してシェア奪回を狙っている。
2.メンズコスメティックス
●2006年 1,062億円(2.6%減) 2007年(見込) 1,028億円 (前年比3.2%減)
2005年はスカルプケア市場の拡大によって前年並となったが、2006年の市場は育毛剤需要が沈静化したことや、その他の品目の多くが伸び悩み再び市場は縮小し、前年比2.6%減の1,062億円となった。ロート製薬の10代向け「オキシー」や若年層ニーズの皮脂やニキビケアを揃えた新ブランドが消費者に受け入れられヒットし、メンズフェイスケア市場が拡大したが、その他の品目では市場が縮小している。
今後、フェイスケアではスキンケアに対する男性需要によって拡大していくとみられるが、フォームやジェル剤型のスタイリング剤やシェービング化粧料の需要は縮小が予測される。また、主要メーカーは、ほぼ隔年ごとに育毛剤を発売し、シェア拡大に重点をおいた活動を行っていくと見込まれる。現在中高年向けブランドは微減傾向であるが、2007年からの団塊世代の大量退職により大幅に需要が減少する可能性がある。
<注目市場>
1.ヘアトリートメント
●2006年 745億円(前年比8.9%増) 2007年(見込) 781億円(前年比4.8%増)
ドライヤーやパーマ・ヘアカラー施術により傷んだ髪に養分を補給し、回復させる化粧料で、洗髪時に使用し洗い流すタイプのインバストリートメントと洗い流さないタイプのアウトバストリートメントに大別される。2006年は、参入各社がスペシャルケアの位置付けでアウトバストリートメントに注力したこと、トイレタリー系メーカーが「ツバキ」、「スーパーマイルドチカラ」(エフティ資生堂)や「いち髪」(カネボウホームプロダクツ)など大型ブランドを投入したことが寄与し、市場は前年の伸びを上回った。
インバストリートメントは大型ブランドの投入、既存ブランドのリニューアルや1ブランド内に複数アイテムをラインアップするケースが増えていることから、ドラッグストアを中心とした棚を巡る競争はより激しくなるとみられる。アウトバストリートメントは髪のケア意識が高い若年女性を中心として使用が定着しており、この現象は今後も続くとみられる。
業務用ヘアトリートメントの店販品は一般ルート商品との競合が厳しいものの、商品の細分化によりサロンからのニーズに応え、積極的な商品投入とともに拡販に努めていることから今後も大幅な市場拡大が見込まれる。
2.シャンプー
●2006年 1,454億円(前年比1.5%増) 2007年(見込) 1,470億円(前年比1.1%増)
2006年はエフティ資生堂の大型ブランド「ツバキ」の発売に伴い大規模な広告が展開され、他社も主要既存ブランドのリニューアル、新ラインの追加や、「いち髪」、「スーパーマイルドチカラ」など新ブランドの投入により激しいシェア争いが繰り広げられたため市場は活性し、2005年の落ち込みから回復した。ダメージケア訴求をメインとした商品が増加傾向にあるが、2006年から2007年にかけては「トワニースカルプケアシャンプーV」(カネボウ化粧品)や「セグレタ」(花王)など、スカルプケアも含めた中高年層向け商品が投入されており、機能の幅が広がっている。「セグレタ」や「パンテーン クリニケア」(P&Gジャパン)など大型新ブランドの投入や既存品のリニューアル(「モッズ・ヘア」(ユニリーバ・ジャパン))により、主要メーカーは価格引き上げを図っている。また、「ツバキ」や「いち髪」が機能訴求に加え、”日本人の髪質に合わせた商品”としてのイメージを強く打ち出しヒットしたことから、今後はイメージ戦略も重要な要素になるとみられる。
3.スカルプケア
●2006年 375億円(前年比6.0%減) 2007年(見込) 358億円(前年比4.5%減)
※フケ、かゆみを予防し、頭皮を健やかに保つことを目的としたヘアトニックと、同時に抜け毛を予防、養毛効果を訴求した医薬部外品の育毛剤
2005年は新発売の資生堂フィティット「薬用アデノゲン」が牽引するかたちで市場が拡大したが、2006年は他のメーカーから新製品の発売はあったものの、「薬用アデノゲン」を含め上位ブランドの多くが実績を落とし市場は縮小した。育毛剤ブームが落ち着き、新製品について消費者があまり購買意欲を示さないことなどが市場の縮小の要因とみられる。2007年は花王のインバスブランド「セグレタ」にスカプルケアアイテムが揃えられ、またコーセーの「プレディア」、アデランスの「メデローナ」など女性用の新商品が多く投入され再び女性向けの需要拡大が注目される。
現在高価格の新製品を積極的に販売するメーカーは資生堂フィティット、ツムラライフサイエンス、ライオンなど数社になっていることから、2008年以降の新ブランド発売による市場の活性化が期待される。
4.メンズフェイスケア
●2006年 142億円(前年比10.9%増) 2007年(見込) 145億円(前年比2.1%増)
10代後半から40代前半にかけて、幅広いスキンケア意識の高まりによって、若年層向けブランドを中心に洗顔料やフェイシャルシートの商品数が増え市場は拡大している。洗顔需要が高いため洗顔料やフェイシャルシートのアイテム追加が多いが、化粧水や整肌料(ジェル、美容液など)についても皮脂ケアや肌荒れケア、老化防止などの機能訴求商品が増えている。2006年はロート製薬の10代向けの新ブランド「オキシー」がヒットし、市場が拡大した。
メンズフェイスケアは商品の認知や浸透には時間がかかるものの、リピート率が高いことからメーカーでは取り組みに力を入れている。洗浄力の向上に加え毛穴の汚れを落とすといった機能訴求も広がり、肌質別に高保湿タイプやアンチエイジング訴求など消費者ニーズを汲み取った商品の発売によって、今後も徐々に市場は拡大すると見られる。
<調査対象>
◆ヘアケア・ヘアメイク:1.シャンプー 2.リンス・コンディショナー 3.ヘアトリートメント
4.ヘアスタイリング剤 5.ヘアカラー 6.コールドウェーブ液
◆メンズコスメティックス:1.メンズシャンプー・リンス 2.メンズスタイリング剤 3.スカルプケア
4.シェービング化粧料 5.メンズフェイスケア
<調査方法>
富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体などへの面接取材及び公的統計等による補完
<調査期間>
2007年3月~4月
以 上
資料タイトル:「化粧品マーケティング要覧2007 No.2」
体 裁 :A4判 179頁
価 格 :100,000円(税込み105,000円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第二事業部 Cosmetic Division
TEL:03-3664-5831(代) FAX:03-3661-9778
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