三菱鉛筆、顔料分散技術から環境に優しい繊維染色用インクを開発
筆記具のインク開発から生まれた顔料分散技術より
環境に優しい、繊維染色用インク
「uni COLOR FOR Textile」開発に成功
三菱鉛筆株式会社(本社:東京都品川区 代表:数原英一郎)は、当社が長年にわたり培ってきた筆記具用インク開発から生まれた顔料分散技術を展開し、環境に優しい、繊維染色用インク「uni COLOR FOR Textile」開発に成功しました。
1.開発の背景
サインペン、ボールペンなどの液体筆記具の着色剤には、染料と顔料の2種類があります。従来の筆記具用着色剤としては、染料が主流でしたが、顔料は染料に比べ耐水性、耐光性に優れているため、筆記具におけるインクの顔料化は世界的な大きな流れとなっています。
当社顔料インクは長期安定性維持のために顔料をナノオーダーまで微細化する顔料分散技術を駆使しています。この技術は筆記具用インクにとどまらず、印章用インクや化粧品分野及び繊維染色用インク開発へと広げております。
2.繊維染色用インク「uni COLOR FOR Textile」の特長
■微細化顔料による鮮明な色相・色調、優れた堅牢性、柔軟な風合い品質の達成
従来、顔料による繊維着色は発色性、堅牢性※)、風合い等、色々な面で問題を有し、繊維染色加工業界では殆ど使用されてきませんでした。
三菱鉛筆はナノサイズまで微細化した顔料を特殊ポリマーでコーティングすることにより、繊維表面に均一で強固なマイクロコート化を可能とする技術を開発しました。
(次頁「図-1.従来顔料インクとの違い」参照)
この新規技術によって生まれたインク「uni COLOR FOR Textile」は、優れた風合い堅牢性※)を可能とすることができ、同時に鮮明な色相、色調を提供することができます。
※)堅牢性…「染色された繊維が色落ちし難い。耐摩擦、耐洗濯の色落ち性」
*参考図などは添付資料を参照
3.GREENPLAN※)への参画
クラボウ(本社:大阪市中央区 代表:丹羽?)繊維事業部と株式会社インクマックス(本社:東京都港区 代表:大室良磨)、三菱鉛筆株式会社の三社で地球環境保全に貢献するため"未来の地球環境を考える"をコンセプトに、染色工程における"エコプロセシング"技術の開発を三社共同でスタートさせました。
熱処理や洗浄を行うことなく着色剤を繊維に均一に固着させる技術を検討した結果、水の使用量や温室効果ガスの排出量を大幅に低減できる染色技術の確立に成功し、"GREENPLAN"が誕生しました。
※)"GREENPLAN" … 一般の染色加工に比べ水使用量を約95%、温室効果ガス排出量を約40%低減できる新しいタイプの染色技術です。
*「GREENPLAN」は2008春・夏クラボウ繊維事業部展で展示いたします。