STマイクロ、ICカード・アプリケーション向けシングルチップ・マイクロコントローラーを発表
STマイクロエレクトロニクスは、ジェムアルト社と共同開発したICカード・リーダ用マイクロコントローラを発表
ICカード・インタフェース・ファームウェアがあらかじめプログラムされ、アプリケーションとハードウェア両面からサポートされた新しいST7マイクロコントローラ
デジタル・セキュリティ分野の世界的リーダーであるSTマイクロエレクトロニクス( http://www.st-japan.co.jp/ 、NYSE:STM、以下ST)は、世界をリードするICカード・リーダのサプライヤ*であるジェムアルト社とのパートナーシップ契約によって生まれた、PC内蔵型および独立型ICカード・アプリケーション向けのシングルチップ・マイクロコントローラST7GEMを発表しました。この新しいST7GEMは、ジェムアルト社のICカード・インタフェース・ソフトウェアがあらかじめプログラムされたSTのST7ファミリのセキュア・マイコンで、数点の外部受動部品を追加するだけで組込みICカード・リーダのソリューションを実現することができます。
STは、過去よりICカード向けMCUのリーディング・サプライヤであり、過去5年間はICカード・リーダ分野におけるリーディング・サプライヤの一角を占めています。EMVCo社認定済みのST7GEMは、STのASSP(特定用途向け標準製品)マイクロコントローラ・ファミリの最新製品であり、2002年から量産され実績のあるST7SCRセキュアMCUの機能を強化したものです。極めて高いレベルのセキュリティを非常に低コストで実現することに加えて、ジェムアルト社の組込みファームウェアにより、ICカード読取機能の追加または開発を最小限の設計作業で行うことが可能です。
内蔵型ICカード・リーダは、ユーザ認証を可能にし、医療、銀行、行政機関およびその他の分野の機密情報を保護するためのポータブルPC向けセキュリティ機能として、ますます普及が進んでいます。ST7GEMは、大手ポータブルPCメーカーの製品にすでに採用されているほか、その他の業界リーダーも自社PC向けデバイスとして評価・認定作業中です。また、USBまたはシリアル・インタフェース経由で接続する独立型リーダのほか、POS(Point-of-Sale)端末、PINパッド(暗証番号入力端末)、携帯電話、PDA、STBなどにも最適なソリューションです。
STの8bitマイクロコントローラ事業部ディレクタであるYoussef Benmokhtarは、次のようにコメントしています。「ジェムアルト社とのパートナーシップにより、アプリケーションおよびシリコン業界リーダーの専門技術が結集された結果、あらゆるメーカーにICカード・リーダの実装を可能とする使いやすいソリューションが開発されました。ユーザは、アプリケーション・ソフトウェアを独自開発する必要性がなくなり、優れたセキュア・ソフトウェアを直ちに利用できるようになると同時に、製品化までの時間短縮を実現することができます。」
ジェムアルト社のスマート・リーダ&トークン担当上級副社長であるAlain Sigaud氏は、次のようにコメントしています。「シリコン技術のリーダであるSTとデジタル・セキュリティ分野のリーダであるジェムアルトの相乗効果により、この新しいソリューションを共同で販売促進することができるでしょう。ICカード機能を組み込む必要がある各種デバイスにシームレスかつコスト効率よく統合できることから、幅広く普及が進むものと思います。」
ST7GEMは、周辺回路としてISO/IEC 7816シリアル・ホスト・インタフェース、USB2.0対応インタフェース、5.0V/3.0V/1.8VタイプのICカードとの互換性を保証するパワーアップ/パワーダウン制御機能付きカード電源、およびカード挿抜検出機能付きカード管理ユニットを内蔵しています。一般的な各種オペレーティング・システム用のドライバも内蔵されているため、これ1つでEMV準拠ICカード・インタフェースを容易に開発できます。さらに、16KByteフラッシュ・プログラム・メモリと768バイトRAMのほか、タイマ、ウォッチドッグ、電圧低下検出回路も搭載しています。
ST7GEMは現在量産中で、24ピンSOおよびQFNパッケージで提供されます(サンプル出荷対応中)。また、ジェムアルト社が開発した評価キットのほか、PCB推奨事項、回路図、および部品表を含むアプリケーション・ノートも準備しています。
本プレスリリースは、以下のURLでもご覧いただけます。
http://www.st-japan.co.jp/data/press/p2177s.html
*出典:フロスト&サリバン(Frost & Sullivan)社「World Smart Card Reader and Chipset Markets」(2007年1月)
◆EMVCo社について
EMVCo LLC社は、EMV(TM) Integrated Circuit Card Specifications for Payment Systems(EMV決済システム用ICカード規格)の管理、維持、および拡張を目的として、ユーロペイ(Europay)社、マスターカード(MasterCard)社、およびビザ(Visa)社によって1999年2月に設立されました。2002年のマスターカード社によるユーロペイ社の買収、2005年のJCBインターナショナル(JCB International)社の参加を経て、現在はJCBインターナショナル社、マスターカード・インターナショナル(MasterCard International)社、およびビザ・インターナショナル社(Visa International)の3社によって運営されています。
◆ジェムアルト社について
ジェムアルト(Gemalto)社(Euronext NL:0000400653 GTO)は、年間売上高17億ユーロ(2006年度予想)を誇り、約100カ国で事業を展開し、1,500人の研究開発技術者を含む1万人以上の従業員を擁するデジタル・セキュリティ分野のリーダです。ジェムアルト社のソリューションは、デジタル革命によって人々の生活がますます変わりつつある中、個人のデジタル・インタラクションをより便利に、より安全に、より楽しめるようにすることを目的としています。同社は、ICカード、SIM、電子パスポート、トークンなどのパーソナル・セキュア・デバイスのソフトウェア・アプリケーション開発から設計・製造、さらには顧客向け展開サービスの運営に至るまで、エンド・ツー・エンドのデジタル・セキュリティ・ソリューションを提供しています。同社の製品およびサービスは、通信、金融サービス、電子政府、ID管理、マルチメディア・コンテンツ、デジタル著作権管理、ITセキュリティ、公共交通機関などのさまざまなアプリケーションにおいて、世界中で10億人以上の人々に利用されています。ジェムアルト社は、2006年6月にアクサルト(Axalto)社とジェムプラス(Gemplus)社の合併によって誕生しました。さらに詳しい情報は、ジェムアルト社のホームページ( www.gemalto.com )をご覧ください。
◆STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com
<お客様お問い合わせ先>
〒108-6018 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟18階
STマイクロエレクトロニクス(株)
MPAグループ
TEL:03-5783-8250 FAX:03-5783-8218
(※ 英文リリースは関連資料を参照してください。)