アジレント、次世代携帯電話向け3GPP LTE信号発生ソフト「Signal Studio」を販売
アジレントが次世代携帯電話向け3GPP LTE信号発生ソフトウェアを発表
「Agilent Measurement Forum 2007」において、日本初公開
アジレント・テクノロジー株式会社(社長:海老原 稔、本社:東京都八王子市高倉町9番1号)は、3GPP Long Term Evolution(LTE)用のソフトウェア「Signal Studio」を発表、本日より販売、出荷を開始します。今回発表の「Signal Studio」は、当社のベクトル信号発生器「Agilent N5182A MXGシリーズ」または「Agilent E4438C ESGシリーズ」とともに用いるソフトウェアです。ワイヤレス部品や機器の研究開発および製造分野に向けたもので、次世代携帯電話通信向けの3GPP LTE対応製品の設計、評価において、アジレントが保証し、最適化された信号を発生することができます。3GPP LTE規格は、高速データレート、低遅延、パケット通信に最適化された無線技術の実現に向け、3Gを革新していくための枠組みを提供するものです。これにより、モバイル放送やビデオに関連した新サービスを実現する可能性を秘めています。
アジレント・テクノロジーでは、6月5日(火)から6月8日(金)までの4日間、東京コンファレンスセンター・品川において「Agilent Measurement Forum(AMF)2007」を開催します。今回発表の製品は、AMF2007のうち、6月7日(木)および8日(金)の2日間開催する「Wireless/Component Test Day」において日本初公開します。
今回発表の「Signal Studio」は、規格に基づいたLTE信号を発生できる強力なPCベースのソフトウェアです。使いやすいユーザインタフェースにより、使い慣れたツリー構造の操作で簡単に信号を生成することができます。規格が正式決定する前ではあったものの、当社ではこの製品の発表前に業界の専門家の助力を得て、このソフトウェアが生成する信号が正当なものかを評価しています。当社のベクトル信号発生器とともに用いて信号を発生させることで、エンジニアは、パラメトリックテストや機能テストと同じ環境下で、設計中の部品や機器の特性評価や改善を行なうことができるようになります。
「Signal Studio」は、LTE対応携帯電話端末や基地局に用いられるパワーアンプなどの部品のテストや評価に最適な、スペクトラム的に正しい信号を生成します。発生する信号はスペクトラム的に正しいものであることから、現実の世界の信号を擬似することができます(適切なバンド幅、ピーク対平均電力比、スペクトラム形状を持つ等)。シミュレーション用にトランスポート層の情報を定義したユーザファイルを取り込むことができるので、早い段階からレシーバの設計やテストを行なうことができます。
このソフトウェアの特長として、特定のアプリケーション向けに信号特性を最適化するため、LTEのパラメータを調整できる機能があります。調整可能な主なパラメータとしては、バンド幅(1.25、2.5、5、10、15、20MHz)、変調方式(QPSK、16QAM、64QAM)、チャネル数、チャネルのタイプ(データまたは制御)、チャネル・パワー・レベル、ペイロード・データ、リソース・ブロック・アロケーションなどがあります。この柔軟性により、さまざまな運用状況(ユーザがほとんどいない状況や、多くのユーザが異なるレートでデータ通信をする場合など)を想定した部品性能のテストや最適化が可能となります。最悪のケースを想定した信号も生成できるので、部品が市場に出回る前に欠陥を特定することも可能です。グラフィカル・ユーザ・インタフェースにより信号の設定が簡単であるほか、.NET APIによりテスト実行を統合することも可能です。
アジレントのシグナル・ソース・ディビジョン担当副社長のグレッグ・ピータースは次のように語っています。
「計測業界のトップ企業として、当社は、3GPP LTE対応次世代携帯電話の研究開発、製造を効率的かつ効果的に行なうのに必要なツールを提供していくことをお約束いたします。今回発表のソフトウェア『Signal Studio』は業界の専門家にも評価いただいたスペクトラム的に正しい信号を生成する能力を有しており、これは市場における当社のリーダシップを示す好例と考えております。3GPP LTE規格が成熟し、LTEのインフラが整った際には、3GPP LTEソリューションの機能拡張を行ない、引き続き最先端のお客様をサポートしてまいります。」
「3GPP LTE用Signal Studio」は、当社のベクトル信号発生器「Agilent MXGシリーズ」または「Agilent ESGシリーズ」とともに用いるものです。「Agilent N5182B MXGシリーズ」は業界最高の近接チャネル漏洩電力比(ACPR)性能とスイッチング速度を実現していると同時に、稼働時間を最大化できるセルフメンテナンス機能を搭載しています。高性能の基地局向けマルチキャリア・パワーアンプ(MCPA)などの通信システム用部品の設計、製造部門に最適な製品です。
「Agilent E4438C ESGシリーズ」は、低位相雑音、高出力、優れたレベル確度といった特長を有しています。デジタル入出力、フェージングを含む、最先端のベースバンド機能により、初期段階におけるLTEレシーバの評価に最適です。
「Agilent N7624B Signal Studio」ソフトウェアについてのさらに詳しい情報は以下のウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.agilent.com/find/signalstudio
【販売方針】
*目標市場:3GPP LTEに対応した部品や機器の研究開発、製造部門向け
*参考販売価格:
N7624B-SW1 Signal Studio for 3GPP LTE(E4438C ESG用) 50万円
N7624B-SW3 Signal Studio for 3GPP LTE(N5182A MXG用) 40万円
*販売・出荷開始日: 本日
◆お客様からのお問い合わせ先:
計測お客様窓口 電話:0120-421-345
アジレント・テクノロジーについて
アジレント・テクノロジー(NYSE:A)は、コミュニケーション、エレクトロニクス、ライフサイエンス、化学分析市場における世界のプレミア・メジャメント・カンパニーであり、またテクノロジー・リーダーでもあります。19,000名の従業員を擁し、110カ国以上でビジネスを展開しています。アジレントは、2006年度、50億ドルの売上高を達成しました。アジレント・テクノロジーの情報は、以下のウェブサイトでご覧ください。
http://www.agilent.co.jp