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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.25.Mon
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2007'06.07.Thu

ロシュ、「Actemra」の投与による関節リウマチの新たな症状改善効果を確認

Actemraについて
・国内では、関節リウマチおよび全身型若年性特発性関節炎の効能追加を申請中です。
・日本での効能・効果は「キャッスルマン病」、販売名は「アクテムラ(R)点滴静注用200」です。


Actemra:関節リウマチ患者における
優れた症状改善効果を示す新たな結果が得られる

2番目の多国籍第III相臨床試験により、関節リウマチの治療におけるIL-6受容体抑制の重要な役割がさらに明らかとなる。


 ロシュは本日、Actemra(tocilizumab)の2番目の多国籍第III相臨床試験(TOWARD (注1))において主要評価項目が達成され、従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)とActemraとの併用投与群では、DMARDsのみの対照群に比べて多くの患者で投与開始24週目の症状に改善が認められたことを発表しました。症状は標準的なACRスコア(注2)を用いて評価されました。本試験は、DMARDsで効果不十分な、活動性のある中等度から重症の関節リウマチ(RA)患者を対象として実施されました。

 ロシュ医薬品事業CEOのウィリアム・バーンズは、「TOWARD試験の結果は、Actemraの有効性と安全性、およびIL-6受容体抑制の価値を示すものです。我々は、この大規模な多国籍第III相臨床試験からさらなる結果が得られることを期待しています」と、語っています。
 本試験に登録した患者のうち約40%は米国の患者であり、このデータは、本年および2008年に開催される国際的な学術集会に提出されます。

 TOWARD試験は、Actemraに関する5本の第III相臨床試験のうち2番目の試験で、残りの試験のうち2本は2007年後半に結果が報告される予定です。2007年1月には、日本国外で実施された1番目の第III相臨床試験(OPTION(注3))において、メトトレキサートの効果が不十分な患者における主要評価項目を達成したことが発表されました。


TOWARD試験について
 TOWARD(Tocilizumab in cOmbination With traditional DMARD therapy)試験は、中等度から重症のRA患者1,216名を対象とした多国籍臨床試験です。この試験は、米国を含む18カ国、130施設で実施されました。この2群からなる無作為化二重盲検試験では、従来のDMARDsを含む一般的な抗リウマチ薬(生物学的製剤は除外)を併用し、4週間隔でActemra8mg/kgまたはプラセボのいずれかが投与されました。従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)とActemraとの併用投与群では、DMARDsのみの対照群に比べて多くの患者で投与開始24週目の症状に改善が認められました。本試験の母集団を対象に、Actemraの薬物動態、免疫反応、および薬力学のパラメーターについても探索しました。

Actemraについて
 Actemra(tocilizumab)は、初めてのヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体であり、その独特の作用機序により、まだ完全な治療法が確立されていないRAという疾患に対して新たな治療の選択肢を提供するものです。ロシュと中外製薬は日本国外で共同開発を進めており、欧米を含む世界41カ国で4,000名以上のRA患者を対象に第III相臨床試験を実施しています。日本では2005年6月に世界初のキャッスルマン病治療薬として発売しました。また、2006年4月に、関節リウマチおよび全身型若年性特発性関節炎の追加適応症の申請を行いました。

関節リウマチについて
 RAは進行・全身性の自己免疫疾患であり、関節内の細胞膜の慢性的な炎症や疲労および、骨粗鬆症や貧血、肺・皮膚・肝臓への諸影響をも引き起こす場合があることを特徴とします。炎症によって関節の形成や機能が損なわれ、痛み、こわばりや腫れが起こり、やがては骨・関節破壊により関節の機能が失われ、多くの場合、進行性の障害につながっていきます。さらに、慢性的な炎症が続くことにより主要な臓器機能へ影響が生じ、余命の短縮につながる場合もあります。RA発症後10年で、仕事や日常生活を支障なく継続できる患者の割合は50%以下とされており、世界中で2,100万人の患者がいるといわれています。

関節リウマチにおけるロシュについて
 ロシュにとって今後数年間、最も有力な成長領域の一つに位置付けられているのが新たに発展している自己免疫疾患領域であり、RAはその最初の適応です。MabThera(rituximab)の上市に続き、いくつものプロジェクトが開発段階にあり、さらにこの領域を強化することを可能としています。MabTheraはRAの病因に重要な役割を持つB細胞を標的とした最初で唯一の治療薬です。また、Actemraは、ロシュにとって2番目の革新的な医薬品であり、RAにおける重要な炎症因子であるIL-6の活動を阻害する作用を持つ最初のヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体です。Actemraは中外製薬が共同研究により創製したものであり、ロシュは中外製薬と共に国際開発を進めています。その他、臨床第I、第II、第III相段階のものを含む複数のプロジェクトにより充実したパイプラインが形成されており、中でもヒト化抗CD-20抗体(ocrelizumab)は、RAを対象とした第III相臨床試験への移行を間近に控えています。

ロシュについて
 ロシュは、スイスのバーゼルに本社を置く、医薬品および診断薬領域における研究開発型の世界的ヘルスケア企業です。世界最大のバイオテクノロジー企業であり、疾病の早期発見、予防、診断、治療のための革新的製品やサービスのサプライヤーとして、人びとの健康とQOLの改善に多方面で貢献しています。診断薬事業、がんおよび移植領域の医薬品で世界第1位、ウイルス感染症領域ではマーケットリーダー、そして自己免疫疾患および炎症、代謝、中枢神経系などの主要な治療領域でも活躍しています。2006年度の売上は、医薬品事業では333億スイスフラン、診断薬事業では87億スイスフランでした。また、ロシュは世界各国に約75,000人の社員を擁し、多数のパートナー企業と研究開発契約や戦略的アライアンスを締結しており、ジェネンテックと中外製薬の株式の過半数を保有しています。ロシュ・グループに関するさらに詳しい情報は、 www.roche.com をご覧下さい。

追加情報
 ・ロシュと自己免疫疾患: www.roche.com/med_events_mb1106


参考:
注1.TOWARDは、Tocilizumab in cOmbination With traditional DMARD therapy の略です。
注2.ACR反応率は、米国リウマチ学会(American College of Rheumatology)が提唱した、抗リウマチ療法に対する効果の測定に用いる標準的な評価基準です。患者には、疾患の症状と測定項目の数の減少率を明確にすることが求められます。例えば、20%ないし50%の低下(RA症状の減少率)は、ACR20、ACR50、ACR70のように表します。現存する治療法の場合、ACR70は例外的で、患者の病態が著しく改善したことを表します。
注3.OPTION は、TOcilizumab Pivotal Trial in Methotrexate Inadequate respONders の略です。

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