横河電機、モバイル通信端末向けのRFデバイスをテストするRFサブシステムを開発
半導体テストソリューション
通信、高周波デバイス用RFサブシステム「SHFSM」開発と発売のお知らせ
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀周造)は、第3.5世代携帯電話やワンセグ、モバイルWiMAXなどのモバイル通信端末向けのRFデバイス(※注1)および、RF機能を搭載したSoC(システム・オン・チップ)を、高速かつ低コストでテストするRFサブシステム「SHFSM」を開発しましたのでお知らせします。発売は7月上旬を予定しています。
RFサブシステム「SHFSM」は、当社の次世代通信デバイステスタ「TS6900」と組み合わせて「TS6900S」として販売するほか、システムLSI対応テスタ「TS6000H+」用のRFオプションとして販売します。
これにより、単機能RFデバイスから、RF機能を含んだSoCまでを、同一プラットフォームで効率よくテストできるようになります。
<開発の背景>
携帯電話を代表とするモバイル通信端末の機能は日々発展を遂げています。これら高機能化を支えるRFデバイスは、携帯電話における通信規格のアップグレード、ワンセグの普及、無線LANや高速道路でのETCに代表されるDSRC技術(※注2)といった各種通信技術の進化を背景に、著しい技術革新を遂げています。それに応じて、半導体テストシステムに対するニーズは、高速測定、多数個同時測定、測定周波数の広帯域化、広ダイナミックレンジなど、より高度なものとなってきています。
一方で、省電力と機器の小型化などのニーズを受けて、複数の機能をワンチップ化するSoC技術が急速に進んでいます。RFデバイスにおいても、RF部分とデータ信号処理部分を統合したSoCが実用化されつつあり、半導体テストシステムにも、RF部分のみではなく、RF機能を含んだSoC全体のテストが求められようになってきています。
当社では、半導体テストシステムに対するこれらのニーズを満たす、RFサブシステム「SHFSM」を開発しました。
<新製品の特長>
1)業界最高水準の高速、高安定な測定の実現
測定機能部分に、スーパーヘテロダイン方式(※注3)を採用したことで正確な測定を実現しました。
また、測定時間を従来製品比で最大85%短縮できます。
2)測定対象の拡大と高効率化
・マルチ測定対応(スーパーヘテロダイン方式で2ch搭載)
・ダイナミックレンジの拡大
・広帯域化
・信号源の高純度化
・高耐久性
3)各種通信方式への対応
携帯電話(第3.5世代)、モバイルTV(ワンセグ、DVB-H(※注4)等)、小電力無線、モバイルWiMAX等の各種通信方式への対応を可能とすると共に、携帯電話の次世代通信規格候補のSuper3Gにも対応します。
<主な市場>
携帯電話、ワンセグ、無線LAN、GPS、小電力無線、DSRC等のRFデバイスの製造メーカ、テストハウス
<用途>
RFデバイスのウエハテスト、ファイナルテスト
<販売目標(海外での販売を含む)>
2007年度 20台
(※注1)RF(Radio Frequency)デバイスについて
無線通信機器において、高周波電波信号を増幅、復調する集積回路のことです。
(※注2)DSRC(Dedicated Short Range Communication 専用狭域通信)について
道路脇に設置された無線装置と車載器の間の無線通信のことです。ETC(自動料金収受システム)が実用化されており、今後この通信を活用した様々なサービスの実用化が見込まれています。
(※注3)スーパーヘテロダイン方式について
受信信号と局部発振器の信号を混合して双方の周波数差を、いったん中間周波数に変換後、受信した高周波信号の増幅を行なう方式のことです。
(※注4)DVB-H (Digital Video Broadcasting for Handheld)
携帯電話向けデジタル放送規格。主に欧米で採用されています。
以上
詳細は、こちら【http://www.yokogawa.co.jp/ts/lsi/tester/tester-ja.htm】