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2025'12.05.Fri
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2006'12.05.Tue
 長年宿敵同士であったMicrosoftとNovellは、少なくとも1つの最重要目標について合意に達した。その目標とは、Red Hatの影響力を低下させることだ。

 MicrosoftとNovellは米国時間11月2日、両社の技術的、法的提携の概要を発表した。この提携は、両社の製品の連携強化と、オープンソースソフトウェアとMicrosoft製ソフトウェアの併用に伴う法的問題の除去を目的としている。

 Microsoftの最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏とNovellのCEOのRonald Hovsepian氏は、サンフランシスコで開かれた記者会見の中で提携を発表した。長年ライバル関係にあった両社が、プロプライエタリソフトウェアとオープンソースソフトウェアの「橋渡し」を公約したとあって、報道各社はこの発表を大々的に報じた。

 この提携は、両社だけでなくソフトウェア業界全体にとっても重要であることは間違いないが、一部の業界関係者はある疑念を抱いている。

 Microsoft製ソフトウェアとオープンソースソフトウェアを併用するユーザー数は増加傾向にある。Microsoft、Novell両社の製品の相互運用性の強化は、それらのユーザーにとって大きなメリットだ。しかし一方で、Microsoftはなぜ、同社の技術的目標を達成するために、好みのLinuxベンダーとしてNovellを選び、同社と特許権に関する合意を結ぶ必要があったのかを疑問視する声も上がっている。

 この件について、元Novellの幹部で、現在はオープンソース企業Alfrescoの事業開発担当バイスプレジデントを務めるMatt Asay氏は次のように述べている。「(Ballmer氏は)この世から消し去りたいと心から願っている技術にお墨付きを与えた。しかし、それは同氏の本心からの行動でないことは明らかだ。(同氏は)より力の弱いNovellを支援し、NovellとRed Hatを共倒れさせようとしている。そう感じるのは私だけだろうか」

 Red Hatは市場シェアでNovellを圧倒しており、NovellよりもMicrosoftにより強い競争上の脅威を与えている、とAsay氏は指摘する。同氏はさらに、今回の発表を聞いて、前評判が高かった2004年のMicrosoftとSun Microsystemsとの合意を思い出した、と付け加えた。

 Ballmer 氏は、2日の記者会見の席上で、今回の提携は、両社の製品を様々な法的問題から守り、さらに双方の相互運用性を強化することで、「顧客にとってより魅力的な製品にする」ことを目的としている、と語った。

 「われわれは、WindowsとLinuxを併用している顧客がNovellの『SUSE』シリーズを選択してくれることを切に願っている。われわれも同製品の販売を支援するつもりだ」(Ballmer氏)

 今回の提携で、MicrosoftがLinuxやオープンソースビジネスモデルの人気をどのように受け入れるようになったかが浮き彫りになった。

 両社が行った相互運用性強化の公約は、Microsoft製ソフトウェアとNovell製ソフトウェアの併用を熱望する顧客の興味を引くだろう、とアナリストらは指摘する。両社が公約する相互運用性は、Microsoft OfficeとNovellが支持するOpenOfficeだけでなく、仮想化技術も対象となる。

 また、両社間の特許に関する合意は、Microsoftの.Netフレームワークを基盤としたオープンソースの開発プラットフォーム「Mono」や、Novellが支援するオープンソースファイル交換ソフトウェア「Samba」も対象となっている。

 また両社は、「Windows Server」と「SUSE Enterprise Linux」のマネジメントの強化も公約した。

 これほど広範な技術提携であるにも関わらず、金融アナリストらは、この提携はMicrosoftにとってさほど大きなプラス効果は期待できない、と指摘する。

 Goldman SachsのアナリストのRick Sherlund氏は3日、「Microsoft and Novell--Calm down, not that big a deal(MicrosoftとNovellの提携--冷静になれ、これはさほど大きな提携ではない)」と題されたメモの中で、それでも今回の提携は、両社にとってマーケティング上の大きな利点があると述べた。

 「(両社の提携は)顧客にとってメリットがある。またNovellも、SUSE Linuxの市場シェアが比較的低いことからマーケティングの強化を熱望していたが、(今回の提携で)それが実現できる。一方Microsoftは、オープンソースコミュニティと協力することで同社のイメージアップが図れる」(Sherlund氏)

 2日の提携発表のニュースを受け、業績不振にあえぐNovellの株価はこの日、17%も上昇した。一方、Red Hatの株価は若干下落した。

 恐らく驚きには値しないだろうが、Red Hatは2日、同社のウェブサイト上でMicrosoftとNovellの提携を批判した。同社は、MicrosoftとNovellの販売提携は、将来さまざまな法的障害を生む可能性があると指摘する。

 Red Hatは、哲学的な理由から特許問題をめぐるMicrosoftとの休戦に反対しているようだ。「Red HatもMicrosoftとの同様の特許契約の締結を検討したか」との質問に対し、同社は「革新のための税金など考えられない」と答えた。

 2日の記者会見で、Red Hatについて質問されたBallmer氏は、Microsoftが他の企業とも今回と同様の法的、技術的提携を結ぼうとしていたことを示唆した。しかし、Novellはオープンソースソフトウェアとプロプライエタリソフトウェアを合わせたビジネスモデルを確立していたことから、Microsoftが同社を提携の相手先に選んだのは当然の成り行きだった。

 Ballmer氏はRed Hatについて言及し、「われわれは業界の多くの企業と議論してきた。仮説として1社の名前が挙がっているので、恐らく他の企業も推測可能だろう」と述べ、さらに次のように語った。「ある時、Ron(Hovsepian)氏から電話で連絡があった。(Hovsepian氏は)Novellを今後どの方向に導くべきかを検討していたのだ。われわれがビジネスの問題、特許の問題、技術の問題を一度に処理できる方法を考え付いたのはまさにその時だった」(Ballmer氏)


この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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(CNET Japan) - 11月6日
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