エス・イー・エス、太陽電池製造装置事業に参入
太陽電池製造装置事業進出の件
エス・イー・エス株式会社は、連結子会社のエス・イー・テクノ株式会社(以下、「SET」)で事業を営んでいた太陽電池洗浄装置事業を譲り受け、当社にて太陽電池製造装置事業に進出をすることを本日決定いたしましたのでお知らせいたします。
記
当社グループにおいては、子会社であるSETにおいてクリーンエネルギー製造装置事業として太陽光発電システムの核となる太陽電池の洗浄装置をこれまでは製造販売しておりました。しかし、今後大きな成長の見込まれる太陽電池製造装置市場においてより機動的な事業展開を図るべく、SETの持つ太陽電池洗浄装置の製造販売権やノウハウを含めた事業を、今回当社において譲り受け、太陽電池洗浄装置以外の製造装置事業についても本格的な進出を図ることといたしました。
従来の石油、石炭、天然ガスといった化石資源の代替エネルギーとして、水力、風力、地熱、太陽エネルギー等への注目が高まっています。とりわけ、太陽エネルギーについては、そのエネルギー量が膨大であることから特に大きな関心を集めており、国際エネルギー機関IEAの調査では、今世紀に入ってからの太陽光発電の累積導入量が急激な伸長を遂げ、1995年から2004年までの間に12倍以上の成長となったことが示されております。
このような太陽光発電の急速な導入を受け、昨今では、太陽電池の原材料となるシリコンの供給が追いつかず、供給サイドの問題が市場拡大の制約要因となっておりました。しかし、シリコン・メーカーによる太陽電池向けシリコンの増産がここ数ヶ月の間に続々とアナウンスされる等、今後は供給体制の整備が進むとともに、太陽電池の生産活動が活発化することが予想されます。
また、長期的に見ても、環境問題に対する国際的取組みの強化やエネルギー消費量の増加を化石資源のみに依存することに伴う様々な不確実性の高まりから、太陽エネルギーの開発と利用は今後ますます進むものと考えられております。例えば、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)」(2004年6月発表)において、今後2030年までの期間を「太陽光発電の本格的な市場形成期」と位置付け、2030年までの累積導入量は約100GW(1GW=1,000MW)と想定しております。また、日本だけでなく欧州でもその様な認識は共通しており、欧州再生可能エネルギー委員会は、2004年6月に発表したRenewable Energy Scenario to 2040(2004年5月発表)において、世界の総発電量に占める太陽光発電の割合は2001年には0.01%であったのが、2040年には25%にまで拡大すると予測しております。
このように莫大な拡大の期待される太陽エネルギー関連市場において、洗浄装置以外の事業展開をにらんだ今後の成長ビジョンを描くためには、強固な資金力が必要になってまいります。今回の子会社からの事業の譲り受けによる太陽電池洗浄装置市場への進出を足がかりとし、半導体製造装置事業において培ってきた営業力、生産力、開発力およびそれを支える資金力を兼ね備えた“エス・イー・エス”が太陽電池製造装置の事業展開を担うことで、当社の持つ企業資源を有効に投入することが可能となり、それによって当社グループにおける太陽電池製造装置事業の事業価値の一層の増進と中長期的な企業価値の向上が図れるものと考えております。
以上