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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2025'03.10.Mon
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2007'02.27.Tue

ファンケル、ビタミンCは1日数回に分けて摂取した方が酸化ストレスに効果的など研究成果を発表

第28回日本臨床栄養学会総会にて発表
ビタミンCの経口摂取方法の違いによる血中ビタミンC動態と酸化ストレスおよび脂質代謝におよぼす影響

~ビタミンCは1日数回に分けて摂取した方が酸化ストレスに効果的~
ビタミンCは目的によって、より適切な摂取方法があることを確認


 株式会社ファンケル(本社:横浜市中区、代表取締役社長執行役員:藤原謙次)の総合研究所と和洋女子大学、東邦大学の共同研究グループは、ビタミンC(以下V.Cと略す)の経口摂取方法の違いによる血中V.C動態と酸化ストレスおよび脂質代謝におよぼす影響について研究をしてきました。この結果、V.Cは目的により摂取方法が違うことを見出し、V.Cを複数回に分けて摂取した方が、V.Cは血中に保持され、抗酸化能が保持されることを明らかにいたしましたので、第28回 日本臨床栄養学会総会にて発表致しました。

 以下に発表資料を明記いたします。


-ビタミンCの経口摂取方法の違いによる血中ビタミンC動態と酸化ストレスおよび脂質代謝におよぼす影響-


○ 本 三保子1、五十嵐 紘美1、橋詰 直孝1、速水 耕介3、後藤 彩子3、岡村 博貴4、渭原 博2
1和洋女子大学家政学部健康栄養学科、2東邦大学大橋病院臨床検査部、3(株)ファンケル総合研究所、4(株)ファンケル学術本部

【目的】
 ビタミンC(以下V.Cと略す)の経口摂取後の血中動態※1については多く報告されているが、至適分割摂取に関する報告は少ない。そこでどのような摂取法が血中V.Cの保持量がよいか、さらに酸化ストレスマーカー*2、血中脂質に及ぼす影響について検討した。

【方法】
 健常女子大学生9名を対象とし、1000mgのV.Cを1回摂取法、2分割摂取法、3分割摂取法で、クロスオーバー二重盲検比較試験※3を行った。V.C摂取後、経時的に採血および採尿を行い、血清・尿V.C、酸化ストレスマーカーである尿バイオピリン※4、抗酸化能※5測定キット血清PAO(Potential Anti Oxidant)、 T-chol、LDL-chol※6を測定した。

【結果】
 摂取後3時間の血清V.Cピークは1回摂取法が最も高い値を示した。一方、8時間曲線下面積では3分割摂取法、2分割摂取法、1回摂取法の順で大きくなった。尿V.C /Cre※7の変化は血清V.Cと同様の動態を示した。尿バイオピリン/Creの8時間曲線下面積は1回摂取法で低い値を示し、血清PAOの変化は血清V.Cと同様の動態を示した。摂取8時間後の血清T-chol値およびLDL-chol値は、3分割摂取法では摂取前値と差がみられなかったが、1回摂取法、2分割摂取法では低下傾向を示した。

【考察】
 1000mgのV.Cを2回または3回に分割して摂取した方がV.Cは血中に保持され、抗酸化能も保持していた。摂取8時間後までの血清・尿V.Cおよび酸化ストレスマーカーの変化によると、V.Cは摂取方法の違いにより血中動態および酸化ストレスに大きく影響を与えることが明らかになった。一方、血清コレステロールに対しては1000mgのV.Cを1回または2回で摂取したほうが影響を与えると考えられた。

【結論】
 以上の結果から、V.C1000mgを3分割摂取のほうが血中V.C保持力はある。V.Cの抗酸化能は血中保持力に関係しているが、酸化や脂質代謝に及ぼす影響はV.C血中保持では説明できず、V.Cの高い血中濃度に関係していることが推定された。

【まとめ】

1)ビタミンC1000mgを摂取する場合、一度に摂取するよりも一日3分割で摂取した方が、ビタミンCが血中に保持されて、酸化ストレスに大きく影響を与えることが分かった。
2)血清コレステロールに対しては1000mgのビタミンCを1回または2回で摂取した方が影響を与えることが分かった。

⇒ ビタミンCは目的によって、より適切な摂取方法があることを確認。


~用語解説~
*1 血中動態
 服用した薬物の体内における挙動を表すものの一つで、時間とともに血液中に含まれる薬の濃度の変化を追ったものである。
 この試験ではビタミンCの挙動を追跡した。

*2 酸化ストレスマーカー
 酸化された度合い(酸化ストレス)の指標。今回は尿中に排泄されたバイオピリンを用いた。

*3 クロスオーバー二重盲検比較試験
 臨床試験の方法の一種。
 クロスオーバー:同じ被験者が違う処置を繰り返し行うこと。今回は、ビタミンC 1000mgを1回、2回、3回に分けて(違う飲み方)、処置を受けた。
 二重盲検比較試験:被験者も研究者も今どのような処置を受けているか隠して行う方法。この方法で得られた試験結果は、最も信頼性が高い。
 従って、今回の試験は、「同じ被験者が違う処置を繰り返し行い、試験中は被験者も研究者も今どのような処置を受けているか判らない」方法で行ったということになる。

*4 尿バイオピリン
 バイオピリンは、ビリルビンが酸化されたものであり、これを測定することにより酸化ストレスの程度がわかる。バイオピリンは尿中に排泄されるので(尿バイオピリン)これを測定する。

*5 抗酸化能
 酸化ストレスに対する防御能力の程度。高いほど酸化ストレスに対して防御力が大きい。

*6 血清PAO、T-chol、LDL-chol

 血清PAO
  PAOはPotential Anti Oxidantの略で抗酸化能の程度を測定する方法の一つ。銅イオンの還元を利用して測定する。血清PAOは血清の抗酸化能をあらわす。

 T-chol
  総コレステロール値の略

 LDL-chol
  LDL-コレステロールの略

*7 尿V.C /Cre
 尿中に排泄されたビタミンCの量をクレアチニン値で補正した値。


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