カネカ、自動車メーカーと共同で次世代製品開発など自動車部材事業を本格展開
自動車部材分野に本格展開。
次世代の新規製品の開発を加速
― 研究開発本部に「自動車部材開発室」を新設 ―
◎株式会社カネカ(本社:大阪市。社長:大西正躬)は、引き続き成長分野として期待される自動車部材分野の事業を本格展開する。当社は、昭和60(1985)年に企業化したビーズ法発泡ポリプロピレン(商品名:『エペランPP』)が自動車バンパーの緩衝材(芯材)として世界の自動車メーカーに採用されているなど、自動車部品や内装材向けに様々な製品を供給してきた。
◎当社は、本年5月16日付けで研究開発本部に「自動車部材開発室」を設置し、自動車産業の開発戦略や先端技術の方向性をいち早く把握すると共に、自動車メーカーと共同してテーマを設定し、自動車産業のキーワードである「環境・安全・快適」に最適な新製品・新技術開発をスピーディに進める。当社グループの技術力、研究開発力をベースとして、自動車部材開発の全社的なセンター機能を果し、自動車部材関連事業の飛躍的な拡大を推進する。
◎当社は、得意とする高分子技術をベースに、今までに培ってきたコアシェルポリマー技術、反応硬化型テレケリックポリマー技術、ナノコンポジット技術を深耕させ、昨年11月以降、塩素含有アクリルグラフト共重合樹脂、エポキシ樹脂用モディファイヤー、ポリアクリレート系反応硬化型テレケリック液状樹脂、ナノコンポジット系射出成形用樹脂など、独自の開発製品を相次いで市場投入してきた。すでに一部では、自動車部材として採用が始まっている。
今後も、当社が世界で初めて開発に成功した精密重合(リビングカチオン、リビングラジカルによる分子制御)による熱可塑エラストマーの開発を積極的に進める。
◎自動車業界では従来のコストダウンに繋がる軽量化や環境対応としての非石油系素材の活用などに加えて、ハイブリッド、燃料電池などのガソリン車に替わる複数の次世代パワートレインが提案され同時に高度なエレクトロニクス化も急務となってきており、車載部材においては「材料革命の到来」といえる時期に差し掛かっている。
これに対して、当社は研究開発本部に機能性材料、エレクトロニクス、ライフサイエンス、樹脂加工の各RDセンター及び事業部ごとに各研究部門を擁しており、これらが保有する関連技術を横断的に組み合わせて融合させることにより、次世代の自動車用高機能性部材の開発に対応し加速させる。
具体的には、発酵技術を駆使したバイオポリマーと樹脂加工技術の組合せ、エレクトロニクス素材の自動車用途への展開、機能性材料と樹脂加工技術による部品の軽量化などを、次世代の開発テーマとして計画している。
以上