ローム、撮影画像を自動で最適補正するアダプティブイメージエンハンサーLSIを発売
環境光の変化に合せて逆光、低照度画像をリアルタイムに最適補正
AIE アダプティブイメージエンハンサ「BU1570KN」をロームが開発!
半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)はこのほど、ロームのハードウェア画像処理技術により、カメラ撮影画像の明るすぎる部分や暗すぎる部分を選択的に自動補正することにより、飛躍的に視認性を向上できるAIE(アダプティブイメージエンハンサ)LSI「BU1570KN」を開発しました。この新製品は既にサンプル出荷を開始しており(サンプル価格1,000円)、2006年12月から当面月産10万個の体制で量産を開始いたします。生産は、前工程をローム本社(京都市)、後工程はROHM ELECTRONICS PHILIPPINES,INC.(フィリピン)で行います。
昨今、防犯に対する意識が高まるなか、カメラを搭載したセキュリティシステムは大きな広がりを見せております。
しかしながら、門柱につけられたドアホンカメラ、コンビニの監視カメラなどさまざまな条件下で設置されるカメラは、環境光の変化が激しく、カメラを通した画像の視認性が著しく悪化することがありました。今回ロームが開発したAIE「BU1570KN」では、ロームのハードウェア画像処理技術により、画像データを全体の輝度を一律に変えるのではなく、影になって見えにくい部分の輝度を上げると同時に明るすぎる部分については輝度を落として撮影データを補正し、被写体を取り巻く環境光が変化する厳しい条件下でカメラの性能を最大限に引き出すとともに、視認性を大幅に向上することを可能にしました。
<「BU1570KN」の主な特長>
1)AIE技術(ロームのハードウェアによる画像処理技術)で、動画の毎フレームに対し、環境光に合わせてその画像に最適な画像を補正。
2)輝度判別、画像エンハンス、カラーコレクションの3つのブロックで、カメラ映像に対してAIEアルゴリズムに従いそれぞれ最適に画像を補正するため、カメラの性能を最大限に引き出すことが可能。
3)データの入出力に同じインターフェースを使用し、既存システムのカメラモジュールと画像処理の間に手軽にアドオンが可能なため、大幅なシステム変更が不要。
4)0.13μmCMOSプロセスの完全ハードウェア処理で、高速補正と低消費電力(コア電圧1.5V、15mA typ(VGA30fps)を実現。(fps:frame per seconds)
5)カラーコレクション機能を内蔵し、色鮮やかな画質を実現。
6)最大200万画素まで対応可能で、ホームユース、セキュリティ向としては幅広いカメラ画素数をサポート。
ロームでは、カメライメージプロセッサとして、スタンダードJPEGからMPEG4動画対応までデジタル家電からセキュリティシステム、玩具まで幅広い用途に応じた製品ラインアップを揃えています。ロームでは、高い画像処理技術を生かして今後ともお客様のニーズに沿った製品開発を進めると共に、さらなる製品シリーズの拡充に努めてまいります。
以 上
1.語句説明
○AIE:(Adaptive Image Enhancerの略)
ロームのハードウェアによる画像処理技術の呼称。被写体が置かれた環境に適応し、画像を修正する機能を表しています。
○アルゴリズム:
算術演算の組み合わせにより、ある特定の目的を達成するための処理手順。
2.製品写真
添付資料をご参照ください。