三菱自、オールラウンドSUV「パジェロ」をフルモデルチェンジ
三菱自動車、"地球基準のオールラウンドSUV" 新型『パジェロ』を発売
三菱自動車は、オフロードでの走破性と、乗用車並の高速性能・快適性を併せ持つオールラウンドSUV(多目的本格4WD)として、1982年に初代を発売以来、25年目を迎え、その間に約250万台を生産し、世界170以上の国と地域のお客様からご好評を頂いている『パジェロ』をフルモデルチェンジし、10月4日(水)から全国の系列販売会社より発売する。(ショートボディ:2,415,000~3,486,000円、ロングボディ:2,625,000~4,368,000円、消費税込)
4代目となる新型『パジェロ』の開発にあたっては、標高2,500mのヨーロッパ・アルプスや、氷点下40度の冬の北欧を模擬した適合性試験、そして、アフリカの砂漠やオーストラリアの荒地での悪路走破試験など、世界中の過酷な走行状況を想定した数々の試験を実施したほか、世界一過酷なラリーと言われるダカールラリーを通して得られた走破性、耐久性を高めるための技術やノウハウをフィードバック。3代目から採用した、あらゆる路面で高い走破性能を発揮する四輪独立懸架、スーパーセレクト4WD-II(SS4-II)に加え、新たにリヤデフロックとの同時装着を可能としたASTC*1、軽量化のためのフードのアルミ化、耐久性・信頼性を高めるボディ接合部の剛性向上、メッキ鋼板の採用拡大など、数多くの技術を採用。さらに、新開発のサウンドシステム、上質感のあるインテリア、力強い直線基調のエクステリアなどにより、プレミアム感の高い地球基準のオールラウンドSUVとした。
また、安全性能では、運転席/助手席SRSエアバッグシステムのデュアルステージ化、カーテンエアバッグの新規採用などにより、社内試験においてJNCAP6☆相当のトップレベルの安全性能を実現するとともに、環境性能についても、全車「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」に適応、社団法人日本自動車工業会の「車室内のVOC*2低減に対する自主的な取り組み」を前倒しで達成したほか、環境負荷物質(六価クロム、鉛、水銀など)の低減を図った。さらに、生産面で工程内品質作り込み活動であるISQC*3を取り入れるなど、十分な品質を確保している。
*1 ASTC:Active Stability & Traction Control
*2 VOC:Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物)
*3 ISQC:In Stage Quality Creation
1.『パジェロ』 商品概要
(1)ラインナップ
・ ロングボディ(7人乗り)とショートボディ(5人乗り)の2タイプとし、ロングボディには、上質さと高級感を追求した、「SUPER EXCEED」「EXCEED-X」「EXCEED」の3つのグレードと、アクティブなライフスタイルに適応する「ZR-S」「ZR」の2つのグレード、合計5つのグレードを設定。また、軽快で躍動感のあるショートボディには「VR-II」「VR-I」の2つのグレードを設定した。尚、「EXCEED」「ZR-S」「ZR」「VR-I」には、嗜好の強い装備を取り外したシンプルな「ベーシックパッケージ」を設定し、お求めやすい価格設定とするとともに、お客様の幅広いニーズに応えた。
(2)デザイン
・ スタイリングは一見して『パジェロ』とわかる歴代『パジェロ』のデザインテイストを踏襲し、オフロードでの走行機能を形にしたオールラウンドSUVらしい力強い直線を基調とした。また、フロントフェイスは、野生の山猫(『パジェロ』のネーミングの由来)の目をモチーフとし、障害物にヒットし易いヘッドライトの下面を切り上げたデザインを特長とした。
・ 大型のサイドミラーは、サイドターンランプを内蔵するとともに、ハウジング下部には夜間に足下を照らし出すアプローチランプを備えた。また、ハウジング下部にデフレクターを備えることでドアガラスへの雨水の付着が少ない新デザインとした。
・ バックドアのスペアタイヤガーニッシュは、スペアタイヤの状態を確認できる背負い式を踏襲しつつ、ライセンスプレート、リヤビューカメラ、リヤフォグランプといった機能をバックドアの中央に配置することで、後方からのリヤコンビランプの視認性を高めた。さらに、スペアタイヤの取り付け位置を、従来型に対し50mm低下することで、重心高の低下や、ドライバーの後方視界を改善した。
・ インテリアは、エレガントで洗練されたイメージのベージュ内装(EXCEED系)と、スポーティなブラック内装(全グレード)を設定した。
・ インストルメントパネルは、全体を力強い断面でシンプルな構成としたうえで、走行に関する様々な情報を表示するセンターインフォメーションディスプレイを最上位置に、その下にオーディオパネル、最下段にエアコンのコントロールパネルを配し、機能別の配置をしっかりと行ったほか、頻繁に操作するスイッチを大型化し、視認性、操作性を高めるなど、いつでも正確な操作が行えるように配慮した。
・ ボディカラーは、ロングボディには、EXCEED系に4種の3ウェイ2トーン、5種のモノトーン、ZR-Sに3種類のスペシャル2トーン、ZRに3種のモノトーン、ショートボディにはVR-IIに5種のスペシャル2トーンと、VR-Iに5種のモノトーンを設定した。
【有料色 ホワイトパール:31,500円(消費税込み)、3ウェイ2トーン:42,000円(消費税込み)】
(3)走破性向上
・ 悪路での走破性を確保するための基本スペックである、アプローチアングルは36.6°(ショートボディは36.7°)、ランプブレークオーバーアングルは22.5°(ショートボディは25.2°)、デパーチャーアングルは25°(ショートボディは34.8°)を確保。オールラウンドSUVに相応しい、十分な対地障害角とした。
・ エンジンは、各部に改良を施すことにより高出力と環境性能を高い次元で両立させたV6 3.8L 24バルブ SOHC MIVEC*4(連続可変バルブタイミング&リフト)エンジン(SUPER EXCEED、EXCEED-X、VR-II)と、V6 3L 24バルブ SOHC ECI-MULTIエンジン(EXCEED、ZR-S、ZR、VR-I)の、2つのV6ガソリンエンジンを設定した。
*4 MIVEC:Mitsubishi Innovative Valve timing and lift Electronic Control system
・ V6 3.8L 24バルブ SOHC MIVECエンジンは、新たに採用した低速モードと中・高速モードの2つのモードをもつ可変動弁機構と可変吸気機構を、低回転域、中回転域、高回転域の3ステージで最適に制御することで、低回転域から中・高回転域まで力強いフラットなトルク特性と、クラストップレベルの高出力性能を実現した。さらに、熱容量の少ないクラムシェル構造のステンレス板金製エキゾーストマニホールドを採用することで触媒の早期活性化が可能となり、触媒の改良や高効率配置と相まって排出ガス性能を改善した。
・ V6 3L 24バルブ SOHC ECI-MULTIエンジンは、電子制御スロットルや、ステンレス板金製エキゾーストマニホールドの採用により、燃費、排出ガス性能を改善した。
・ トランスミッションは、V6 3.8Lエンジンには5速の、V6 3Lエンジンには4速のINVECS-II オートマティックトランスミッションを採用。ともにエンジン性能向上に合わせたシフトスケジュールを変更するなど、パワーをより有効に使える設定とし、燃費の向上も図った。
・ 更に、燃費向上のためATオイルを早期に適正温度まで上昇させることにより、走行開始後、早期の直結モードおよび、フリクションロス低減を可能とするATFウォーマを採用した。
・ センターデフロックによる高い悪路走破性に加え、前後トルク配分33:67のセンターデフをベースにビスカスカップリングによるトルク可変制御を行なうなど、様々な路面で最適な前後駆動配分を実現。加えて、高いトラクションによる安定性、優れたハンドリング性能も実現する、4つのモードの切換えが可能なスーパーセレクト4WD-II(SS4-II)を従来型と同様に採用した。
【2Hモード】
晴れた日の市街地走行などで、余分な駆動系のフリクションを低減し、低燃費走行を可能とする2WD(後輪駆動)走行モード。
【4Hモード】
市街地、高速、ワインディングなどすべてのオンロードと、圧雪/アイスバーン、フラットダートといった幅広いオフロードシーンに対応するSS4-IIの基本走行モード。
【4HLcモード】
センターデフをロックすることで、積雪路や砂地、ダート路など走行抵抗の大きな路面で駆動力を確実に路面に伝え、力強い走行を可能とする走行モード。
【4LLcモード】
ローギア+センターデフをロックし、岩場や泥濘地など大きな駆動力を必要な場合に使用する走行モード。
・ 後輪左右の差動を制限し、センターデフロックの前後直結と相まってスタックからの脱出性を高めるリヤデフロック機構を全車にメーカーオプション設定した。(ベーシックパッケージを除く)
・ エンジン出力や各輪の制動力制御を行い、優れた操縦安定性と高い走破性を実現するASTCの制御を改良した。(SUPER EXCEED、EXCEED-X、VR-IIに標準装備、ベーシックパッケージを除きその他メーカーオプション)
・ ASTCに、リヤデフロック作動状態を検出する機能を新たに追加することで、リヤデフロックとの同時装着を可能とし、オフロード走破性の幅を広げた。
(4)信頼性、耐久性向上
・ サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン、リヤにマルチリンク式ダブルウィッシュボーンの4輪独立懸架方式を従来型から踏襲。スプリング、ショックアブソーバー、スタビライザー、ゴムブッシュの特性を改良することで、ロールの少ない安定感の高いコーナリング特性とフラットな乗り心地を両立した。
・ フロントブレーキは、新たに大型の17インチブレーキディスクと、対向4ポットキャリパーを採用、効きと耐フェード性を向上させた。(SUPER EXCEED、EXCEED-X)
・ 265/60R18の大径タイヤと、精悍なデザインの2種類のアルミホイール(ラグジュアリー10本スポーク:SUPER EXCEED スポーティ6本スポーク:EXCEED-X、VR-II)を新たに採用した。
・ 従来型から踏襲した、信頼性、耐久性の高いビルトインフレームモノコックボディを更に改良。スポット溶接部位の拡大、カウルトップの高剛性化、高張力鋼板化(270MPa級から440MPa級)、適所に構造用接着剤を採用するなど、ボディ剛性を高めた。
・ フードにアルミ合金を採用することで約9kgの軽量化を達成。車体軽量化、前後重量配分の適正化に加え、フード開閉時の負担を大幅に低減した。
(5)安全性能、環境性能
・ 万一の衝突時に乗員傷害値を大幅に軽減する、運転席/助手席用デュアルステージSRSエアバッグシステム、乗員を拘束する新型プリテンショナーとフォースリミッター付きのシートベルト、サイド&カーテンSRSエアバッグ(SUPER EXCEEDに標準装備、ベーシックパッケージを除きその他メーカーオプション)を採用した。
・ さらに、衝突時のエンジン/トランスミッションの後方移動、ステアリングコラム、ブレーキペダルの衝撃吸収構造など、効率的にエネルギーを吸収し、乗員の傷害値を軽減する構造を採用することで、JNCAP6☆(社内試験結果)相当の高い安全性を確保した。
・ UV&ヒートプロテクトガラスを、フロントウインドシールド/フロントドアガラスに標準装備。後席周りのプライバシーガラス(リヤドア/クォーター/テールゲート)と合わせて、全方位の窓で紫外線・赤外線の室内への侵入を低減した。
・ 脱臭機能付クリーンエアフィルター内蔵のフルオートエアコン、消臭天井を全車に標準装備。生活臭やタバコ臭、VOCを低減・抑制し、クリーンで居心地の良い室内空間を実現した。
・ 社団法人日本自動車工業会の「車室内のVOC低減に対する自主的な取り組み」を前倒しで達成、さらに環境負荷物質(六価クロム、鉛、水銀など)を大幅に低減するなど、室内外の環境に配慮した。
・ 全車「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」に適応した。
(6)エンターテイメント、ユーティリティ
・ インストルメントパネル中央の最上段に、燃費や速度などの走行情報、高度や方位、気圧、外気温などの環境情報に加え、オーディオ、時計、カレンダーなど多岐にわたる情報を提供するセンターインフォメーションディスプレイを搭載した。(EXCEED系、VR-IIに標準装備、ベーシックパッケージを除きその他メーカーオプション)
・ ロングボディには、従来型から好評の床下収納式のサードシートを採用。ヘッドレストも、シート同様床下に収納可能となり、利便性を向上させた。
・ バックドア部分には、上段には救急箱やティッシュボックスなどが納まる大容量のフリースペース、下段には三角停止表示板が収納できる収納スペースを設定した。
・ ロングボディ車には、12スピーカー、860Wのハイパワーアンプ、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)、5.1チャンネルシアターサラウンド機構を内蔵した、高品質な迫力ある音場を実現するロックフォードアコースティックデザイン プレミアムサウンドシステムTMを新たに開発し、搭載した。(EXCEED系に標準装備、ZR-S、ZRにメーカーオプション設定。ただし、ベーシックパッケージを除く)
・ 大容量のデータ格納が可能な30GBのハードディスク、カーナビ最速レベルのルート検索が可能な専用LSIを採用した、7インチワイドディスプレイHDDナビゲーションを搭載した。(SUPER EXCEEDに標準装備、ベーシックパッケージを除きその他メーカーオプション)
・ ロングボディ車の後席天井には、DVDやCDの再生を可能としたDVD内蔵9インチワイド液晶ディスプレイをオプション設定した(ベーシックパッケージを除く)。このシステムは、ロックフォードアコースティックデザイン プレミアムサウンドシステムTMと協調させることにより、5.1chシアターサラウンドで様々な映像/音楽ソースを楽しめる仕様とした。
(※ 以下、詳細は添付資料を参照してください。)