損保ジャパン・リスク、「ERM研究開発部」を設置しコンサルティング体制を拡充
「ERM(企業の統合リスクマネジメント)」の支援体制の強化
- ERM研究開発部を設置し、コンサルティング体制を強化 -
株式会社損害保険ジャパン(社長:佐藤 正敏)の関連会社で、リスクコンサルティング業務を行う株式会社損保ジャパン・リスクマネジメント(以下「損保ジャパン・リスク」、社長:瀬尾 隆史)は、企業の統合リスクマネジメントであるERM※に関する支援を行う「ERM研究開発部」を4月1日に設置し、企業の抱えるリスクに関するコンサルティング体制の拡充を図ります。
※ERM=Enterprise Risk Management(エンタープライズ・リスクマネジメント):企業の統合リスクマネジメント。
「ERM」は、「企業価値の維持と増大」を目的とし、企業価値や企業経営に影響をおよぼす全てのリスクを対象としています。対象のリスク領域が広範であることから、リスクに対応する社内の部門が多くなり、必然的に全社展開になります。このため、マネジメントシステムとしての展開が求められ、企業トップの関与が必要不可欠になります。
1.背景
2006年5月1日に会社法が施行され、また2006年6月14日に金融商品取引法(日本版SOX法)が公布されたことにより、企業に「内部統制システムの構築」が求められており、改めて、「ERM」が注目されています。
「ERM」は事業運営に支障や変動をもたらす全事象を統合的に管理する手法で、事故や災害リスクだけでなく、経営リスク、財務リスク、業務リスクなどあらゆるリスクが対象となります。
2.「ERM」コンサルティング体制の強化
損保ジャパン・リスクでは、従来から「リスクマネジメント体制構築の支援コンサルティング」を通じて、「企業のERM」を支援してきました。
今回は、このERMに対する企業ニーズに応えるため、以下のとおり、支援体制を強化します。
(1)従来の「研究開発部」は「ERM研究開発部」と改称し、リスクファイナンスなどのソリューションを研究する人員を増やし、ERMに関する研究と支援メニューの開発業務を担当します。(組織図は【別紙】参照)。
(2)「リスクマネジメントシステム室」にコンサルタントを増員して、「ERM室」と改称し、「リスクの洗い出し、損失規模の定量化、対応リスクの優先順位付けの支援」のコンサルティングを担当します。
(3)経営リスクや財務リスクなどについては、専門のコンサルティング会社と提携し、サービスを提供する体制を整えていきます。
(4)洗い出された個別リスク(BCM[事業継続マネジメント]など)には、既存の8つの事業部が対応します。
(5)「ERM」支援のコンサルティングの事例
<リスクマネジメント体制構築の支援コンサルティング>
[1]対象とするリスクの範囲の決定支援
[2]企業の取り巻くリスクの洗い出し支援
[3]リスクの発生頻度や損失規模の基準設定の支援
[4]洗い出したリスクを適切に分類
[5]対策リスクの優先順位付けの支援
[6]リスク管理委員会の運営などについての支援
<対策を必要とするリスクへのコンサルティング事例>
[1]経営リスク・・・金融機関オペレーショナルリスクの計量化を提供
・・・共済の保有リスク量の定量評価を提供
・・・M&A対策などは提携会社との連携で提供
[2]財務リスク・・・為替変動リスクや原材料高騰リスクなどの対策は提携会社と連携で提供
[3]業務リスク・・・製造物責任リスクや情報漏えいリスクなどの解決策を提供
[4]事故災害リスク・・・自然災害リスクや環境汚染リスクなどの解決策を提供
[5]リスクファイナンス・・・保険やデリバティブなどのリスクファイナンス商品は損害保険ジャパンが提供します。
3.今後の展開
2007年度は、ERM研究開発部門の人員を倍増し、ERMの研究や支援メニューの開発業務を充実します。また、ERM室のコンサルティング件数の倍増を目指します。
以上
《添付別紙》
・2007年度の損保ジャパン・リスクの組織図
・「伝統的リスクマネジメント」と「ERM」との比較表