TDK、アンプ付きアモルファスシリコン可視光センサーを発売
アンプ付きアモルファスシリコン可視光センサを商品化
業界最小*形状サイズ1210を達成。出力電流も大幅アップ
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、可視光センサとしては業界最小*形状となる1210タイプのアンプ付きアモルファスシリコン可視光センサ「BCS1210A1L」と「BCS1210A1H」を商品化いたします。
多機能化が進む各種携帯機器やデジタルカメラは、同時に小型化・長時間駆動も重要な特性として必須条件となっております。こうした背景のもと、可視光センサの出力を利用してディスプレイの輝度を調整する機能は、バッテリー消費の低減をする上で重要な役割を果たしてきました。さらなる機器の小型化、効率化のためには、センサ素子の小型化と高出力化が急務とされてきております。
こうした市場要求に応えるべく開発された本製品は、小型化による省スペース化を果たしながら、アモルファスシリコン可視光センサ従来製品に対して大幅なセンサ出力電流の向上という、センサとして重要な要求条件の向上に成功しました。
受光部にアモルファスシリコンを採用したアンプ付可視光センサは、株式会社半導体エネルギー研究所(社長:山崎 舜平)とTDKにより共同開発されたもので、赤外領域の光に対してほとんど感度がなく、光感度範囲が人間の視覚領域に極めて近いため、単結晶シリコン光センサのように、感度補正フィルタをかける必要がありません。しかし、このような利点がある一方で、単位面積あたりの出力電流が小さいという課題があり、従来製品最小サイズ(2.0×1.5mm)から小型化することは困難でした。
この課題をクリアし、商品化したのがアンプ付アモルファスシリコン可視光センサです。本製品は、業界最小*の形状である1.2×1.0×0.6mmを実現しました。1.2×1.0mmの極小センサ内にアンプを形成し、アモルファスシリコン受光部からの信号を増幅させ、アモルファスシリコンの光感度波長範囲の特長はそのままに、出力電流の大幅な向上を達成。商品化する2機種の出力は、代表値でそれぞれ3μAと24μAを保持しており、従来品の0.1μAから飛躍的な向上を実現しました。
小型化と高出力化をともに実現したのが本製品、「BCS1210A1L」と「BCS1210A1H」です。
* 2007年4月現在、TDK調べ
●製品画像:アンプ付きアモルファスシリコン可視光センサ BCS1210A1シリーズ
(※ 関連資料を参照してください。)
【主な特性】
・BCS1210A1L (アンプ内蔵型・ワイドレンジ/サイズ:1.2×1.0×0.6mm)
感度波長範囲:350~750nm
ピーク感度波長:580±20nm
出力電流:3μA(Typical)
暗電流:4nA(max.)
・BCS1210A1H (アンプ内蔵型・高感度型/サイズ:1.2×1.0×0.6mm)
感度波長範囲:350~750nm
ピーク感度波長:580±20nm
出力電流:24μA(Typical)
暗電流:30nA(max.)
【主な特長】
1.業界最小のセンササイズ、1.2×1.0mmを達成
2.光感度範囲が人間の視覚領域に極めて近く、視感度補正フィルタなしでも誤差の少ない測光が可能
3.単結晶シリコン光センサに比べて温度係数が小さく、ほとんどの場合で温度補償が不要
4.RoHS指令対応
5.鉛レスはんだによる表面実装が可能
【主な用途】
携帯電話、ワンセグTV、デジタルカメラのLCD、OLEDなどの自動輝度調整による省電力化、画質向上、バックライト用LEDや電化製品のON/OFF、または節電モードの制御。
【生産・販売計画】
・サンプル価格:80円/個
・生産場所:日本
・生産能力:200万個/月
・生産開始:2007年4月より
【両社の概要】
◆TDK株式会社
所在地:東京都中央区日本橋1-13-1
設 立:1935年12月7日
資本金:326億41百万円
代表取締役社長:上釜 健宏
事業内容:電子素材部品製造、記録メディア製品製造
◆株式会社半導体エネルギー研究所
所在地:神奈川県厚木市長谷398
設 立:1980年7月1日
資本金:43億48百万円
代表取締役社長:山崎 舜平
事業内容:結晶系薄膜集積回路、液晶ディスプレイおよびELディスプレイ、導体薄膜トランジスタの研究開発およびこれらに係わる特許取得ならびに権利行使