三洋エプソン、2.8インチ半透過型RAM内蔵のLTPS液晶ディスプレイを開発
モバイル機器の超低消費電力化を実現する
2.8インチ半透過型RAM内蔵LTPS液晶ディスプレイを開発
セイコーエプソングループの三洋エプソンイメージングデバイス株式会社(社長:有賀修二、東京本社:東京都港区浜松町2-4-1、以下 三洋エプソン)は、携帯電話などのモバイル機器に要求される低消費電力化を実現する、2.8インチ半透過型画素内RAM(random access memory)内蔵低温ポリシリコンTFT(LTPS)液晶ディスプレイを開発いたしました。
放送のデジタル化による通信と放送の融合、ネットワーク社会におけるケーブルとモバイルのシームレスな融合により、多様なモバイル機器の開発への期待と、より一層の利便性の向上が期待されています。また、モバイル機器に搭載される中・小型液晶ディスプレイに求められる性能も、高画質や薄型モジュール、低消費電力化など、ますます高まってきています。こうした状況に対応するため、三洋エプソンでは、「いつでも、どこでも、美しいディスプレイを、より使いやすいカタチで提供する(HCL-S戦略)」ことを基本コンセプトに商品・技術開発を展開してまいりました。
このHCL-S戦略の一環として、三洋エプソンは、特に携帯電話などのモバイル機器に要求される低消費電力化に着目し、ディスプレイ上に時間や写真などをカラー表示した状態でも低消費電力を実現する、2.8インチ半透過型画素内RAM内蔵LTPS液晶ディスプレイを開発いたしました。
携帯電話などのモバイル機器向けに多く採用される半透過型の液晶ディスプレイは、内部に設置したバックライトを光源とする透過型方式と、外光を光源とする反射型方式を掛け合わせた、低消費電力を実現するディスプレイとされています。しかしながら、低消費電力状態にあるスリープモード時には、画面の表示が完全に消えてしまうか、一部しか表示されないことがほとんどです。
三洋エプソンの2.8インチ半透過型RAM内蔵液晶ディスプレイでは、最終表示画面を記憶させるSRAM(static random access memory)の画素への内蔵に成功、26万色表示と8色の表示色の切り替え機能の装備を実現しました。これにより、入力作業時などのアクティブモード時では、従来どおりの26万色で画面が表示される一方、スリープモード時では、内蔵バックライトを必要としない反射型方式となり、SRAMが記憶した最終表示画面が8色で継続表示されます。この状態では、データの書き込みやバックライトの駆動電圧を必要としないため、低消費電力状態で、8色の全画面カラー表示が可能になります。
なお、本液晶ディスプレイは、欧州RoHS指令(*1)の規制をクリアしており、国内外の携帯電話などのモバイル機器市場のほか、新たなアプリケーション分野での製品化を推進していく予定です。
2.8インチRAM内蔵液晶ディスプレイは、10月18日より20日までパシフィコ横浜(横浜市)で開催される「FPD International 2006」(主催:日経BP社)に展示予定です。
三洋エプソンは、セイコーエプソングループの中長期基本構想SE07「Digital Image Innovation」におけるi3戦略(ディスプレイ)を担う中核会社として、「いつでも、どこでも、美しいディスプレイを、より使いやすいカタチで提供する(HCL-S戦略)」を基本コンセプトに、商品・技術開発に注力し、中・小型液晶ディスプレイのNo.1カンパニーを目指します。
※2.8インチ半透過型RAM内蔵液晶ディスプレイの仕様については、こちらをご参照ください。
以 上
*1:RoHS(the Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electric equipment)指令。EU加盟国で2006年7月以降に販売される電気電子機器に対し、6つの特定有害物質の含有を規制する。