凸版印刷、ICタグを利用して部品の組み立てミスを防ぐシステムを開発
ICタグによって部品の組み立てミスを防ぐ『誤組み立て防止システム』を開発
~ピッキング作業の精度と効率が向上し、各種情報の収集・連携が可能に~
凸版印刷株式会社(本社:千代田区、代表取締役社長:足立 直樹、以下 凸版印刷)は、ICタグを利用して、部品の組み立て作業を支援する『誤組み立て防止システム』を開発しました。
部品を組み立てる製造現場では、製造のための出庫指示に応じて部品を在庫から選び出す「ピッキング」作業が行われています。部品の取り扱い数は大量で、また一見するだけでは判別しにくい類似した形状のものも多数あるため、現状、間違った部品が取り付けられるミスが発生し、製造現場での改善課題となっています。
このような部品を取り間違えた半製品が組み立て工程内で検知できず、後工程に進み、最終工程段階になってようやく判明した場合には、組み立て作業のやり直しなどの時間ロスや、製品自体が不良となるコストロスなどにも繋がり、ピッキング作業の課題の一つとなっています。
今回凸版印刷が開発した『誤組み立て防止システム』は、ICタグを利用して部品の組み立てミスを防ぐ仕組みです。具体的には、予め作業者が携帯する「作業者カード」、選択すべき部品が記されている「作業指示書」、選択した部品を載せておく「ピッキングトレイ」のそれぞれにICタグを貼付します。それらの情報を事前に紐付けしておき、作業台に設置したリーダ/ライタ(R/W)に「作業者カード」「作業指示書」「ピッキングトレイ」を一度に載せ、作業に取り掛かる前に組み合わせが正しいかを判別させることで、誤った作業を未然に防ぎます。いつ誰が作業を行ったかも記録に残すことが可能で、これまで以上に情報の収集が容易にできます。
また本システムは、製造にかかわる「人」「もの(材料)」「作業(指示書)」をICタグを使って容易に特定できるため、将来的にはピッキング作業以外の製造現場の情報収集においても活用でき、効率的に運用していくことが可能です。
凸版印刷では今後、本システムを機械・電機などの製造業を中心に積極的に販売を展開していきます。
<導入のメリット>
・ピッキングミスによる時間・コストロスを防止。
・ピッキング作業支援により作業効率の向上(ベテランでなくても作業がスムーズに行える)。
・ピッキング作業の進捗状況が可視化できると共に、作業時間やピッキング作業者のログ取りなどの各種情報の収集が容易に可能。
・本作業工程以外にも物品管理の作業効率や精度を向上させるツールとして、ICタグの活用展開を図ることが可能。
<作業フロー>
1)作業テーブル(RW設置)に作業者カードをかざす(置く)。
2)作業テーブル(RW設置)に作業指示書を置く。
3)作業テーブル(RW設置)に作業指示で指示されたピッキングトレイを置く。
4)1)~3)のICタグの組み合わせが正しいとピッキング対象部品の棚に設置したLEDが点滅。
5)LEDが点滅している部品棚から部品をピッキングし、LED横の確認スイッチを押す。当該LEDが点滅から点灯に変わる。
6)すべてのピッキング作業が終了し、部品棚すべてのLEDが点灯状態に変わった状態で、作業テーブル(RW設置)に作業者カード、作業指示書、ピッキングトレイを置き終了。→部品棚すべてのLEDが消灯する。
<参考価格>
最小構成システム(3段3列部品棚パイプラック対応) 300万程度~
※導入先の設備環境やシステム対応により個別見積もりが必要
<販売目標>
3年間(2009年度まで) 3億円
以 上