ライオン、マレーシアに植物由来の界面活性剤製造・販売の新会社を設立
海外子会社の設立および新工場建設に関するお知らせ
ライオン株式会社(社長・藤重貞慶)は、本日開催の取締役会において、パーム油を原料とする植物由来の界面活性剤「MES(アルファスルホ脂肪酸メチルエステル塩)」を製造販売する子会社(仮称:Lion Oleochemicals(Malaysia) Sdn.Bhd.)をマレーシアに設立することを決議しましたので、お知らせいたします。なお、会社設立後、新工場の建設に着手し、2008年12月から「MES」の生産を開始する予定です。
1.新会社設立の経緯と目的
当社は、1991年から、衣料用洗剤の主洗浄成分としてパーム油を原料とする植物由来の界面活性剤「MES」を採用しております。「MES」は、石油由来の界面活性剤に比べ、大気中のCO2増加抑制につながる*1ほか、高洗浄力、生分解性、耐硬水性*2などに優れた特長を有しており、これからの環境対応にも優れた洗剤の原料として、海外メーカーからも注目されております。
当社は、優れた特長を持つ界面活性剤「MES」を、世界の洗剤市場に供給するという事業構想の下、パーム油の主要生産国であるマレーシアに子会社を設立し、「MES」を製造する新工場を建設することといたしました。
*1 植物原料の界面活性剤が、自然環境に出て分解されるときもCO2が発生しますが、このCO2は、元々植物が大気中から吸収したものなので、大気中CO2の新たな増加にはつながりません(カーボン・ニュートラル)。
*2 「MES」は、洗剤の洗浄力が発揮されにくいといわれる「硬水」(カルシウムなどを多く含む水)でも洗浄力が低下しにくい性質を備えています。
2.MES事業の構想
再生産可能な資源による循環型社会実現のため、当社は、「MES」を、世界の洗剤の標準規格にすべく、今後総額100億円を超える積極的な設備投資を行い、年産10万トン*3規模の「MES」を供給する予定です。今回は、その第一期として、43億円の設備投資により年産2万5千トン規模の生産工場を建設し、2008年12月から事業開始いたします。
*3 これは、洗浄成分の量として、日本での一年間の衣料用洗剤需要の約1.5倍を賄う量です。
3.新会社の概要
社 名:仮称:Lion Oleochemicals (Malaysia) Sdn.Bhd.
資本金:9千万マレーシアドル(約31億5千万円、2007年12月末予定)
会社設立:2007年6月
営業開始:2008年12月(予定)
代表者:可知 光晴(当社上席執行役員 国際事業本部長兼新規事業推進室長、2007年6月就任予定)
所在地:マレーシア共和国ジョホール州
業務内容:界面活性剤および化学品の製造販売
4.新工場の概要
所在地:マレーシア共和国ジョホール州タンジュンランサット工業団地(下図)
生産品目:界面活性剤「MES(アルファスルホ脂肪酸メチルエステル塩)」
生産能力:「MES」として年産10万トン(予定)
第一期生産能力 年産2万5千トン
敷地総面積:約80,000m2
生産開始:2008年12月(予定)
ライオンは、環境対応先進企業として、持続可能な循環型社会の実現を目指して、積極的な環境対応活動(ECO LION活動*4)を展開してまいります。
*4「温暖化ガス排出量削減」「商品を通じた環境配慮」「資源の循環的・有効活用」「化学物質の安全管理」「社内の環境意識醸成」の5つを柱とした、当社の環境保全に対する取り組み
以上
(※ 参考資料は関連資料を参照してください。)