ローム、ラベル・POS用高耐圧・高速サーマルプリントヘッドを開発
250mm/sの高速・高画質印字を実現!
ラベル・POS用高耐圧・高速サーマルプリントヘッド
「KD2003-DF10A/KD2003-DG10A」をロームが開発
半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)はこのほど、レシート、バーコードラベル、食品ラベル、チケット印刷などの高速プリンタに最適な、高耐圧・高速サーマルプリントヘッド「KD2003-DF10A/KD2003-DG10A」を開発、2006年11月から既にサンプル出荷を開始しており(サンプル価格4,000円/個)、2007年1月から当面月産100千個の体制で量産を開始いたします。生産は、ROHM ELECTRONICS DALIAN CO., LTD.(中国)で行います。
昨今、レシート、バーコードラベル、食品ラベル、チケット印刷などでは、静かできれいな印字が可能で、かつインクが不要でメンテナンスも楽なサーマル方式によるプリンタが主流になってきています。こうしたサーマルプリンタ市場への要求として、食品ラベル向けなどをはじめとして、さらなる高速化が求められています。また、グラフィック印字やQRコード(2次元バーコード)の対応など、高画質化のニーズも高まっています。
今回ロームが開発した、階調グラフィック印字対応ラベル・POS用高耐圧・高速サーマルプリントヘッド「KD2003-DF10A/KD2003-DG10A」は、独自の超小型発熱部構造を採用することで、高速印字時の熱応答性と印字媒体への熱伝達性を両立させると共に、高耐久保護膜により印字時の高熱状態に耐える特性を合わせ持ち、250mm/sでの高速高画質印字を可能としました。さらに、高速印字時(250mm/s)の飽和濃度到達に必要なエネルギー効率は当社従来品に比べ20%アップと、省エネにも貢献します。
また、最先端LSI技術を導入した新型高密度ドライバICの採用により、回路電源電圧3.13V~5.25Vの広範囲の電源動作範囲を達成しつつ、回路電源電圧に左右されない、優れた印字出力特性も有しています。さらにCLK転送周波数はMax.16MHzに対応(回路電源電圧5V時)しており、高速データ処理も可能です。
さらに、広範囲の印加エネルギー対応、回路電源電圧の統一化、高速データ転送など、ユーザーのプリンタ回路設計に柔軟に対応が可能です。
<「KD2003-DF10A/KD2003-DG10A」の主な特長>
1)250mm/sの高速・高画質印字を実現
2)濃度効率20%UP
3)広い回路電源電圧範囲(3.13V~5.25V)に対応
4)CLK転送周波数はMax.16MHz(回路電源電圧5V時)
ロームのサーマルプリントヘッドは、従来から独自の設計技術、デバイス技術、さらに自社開発による生産技術などを駆使し、市場ニーズにいち早く対応した製品開発を行ってまいりました。今後も高速化、高効率化といったユーザーサイドの視点に立った開発を進めていく方針です。
以上
1.用語説明
UCLK転送周波数U:サーマルプリントヘッドのデータ処理の同期をとる周波数のこと。周波数が高いほどデータ処理が速くなる。
2.製品写真
KD2003-DF10A/KD2003-DG10A
※添付資料を参照