カネカ、独自技術によりエポキシ樹脂用新規モディファイヤーの開発に成功
独自技術によりエポキシ樹脂用新規
モディファイヤーの開発に成功
― エポキシ樹脂の強靭性、耐久性が飛躍的に向上。5年後、売上高100億円を目指す ―
◎株式会社カネカ(本社:大阪市。社長:大西正躬)は、独自の技術によりエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂にコアシェルゴム粒子を100ナノサイズに均一に分散した新規モディファイヤー(製品名:『カネエースMX』)の開発に成功し、来年春より本格販売を開始する。主な特徴としては、コアシェルゴム粒子をあらかじめエポキシ樹脂に混合・分散した形で販売するため、ユーザーは高温・高圧でコアシェルゴム粒子を分散させる過程を省略することができる、更にエポキシ樹脂本来の特性である耐熱性を損なわず、強靭性、耐久性を大幅に向上させることができる。
◎来年4月、当社高砂工業所(兵庫県高砂市。工業所長:芋生清美)の敷地内に新たに工場(敷地面積:740平米)を建設する。引き続き、2010年央稼働を目標に、当社100%出資の米国子会社であるカネカテキサス(株)(米国テキサス州パサディナ市。社長:山崎重軌)の敷地内に工場を建設する計画である。日米合わせた設備投資額は、付帯設備を含め約20億円。売上高については、5年後に約100億円を目指す。
◎エポキシ樹脂は接着性、強靭性、耐熱性、電気絶縁性などに優れ、パソコンやプリンターなどの電子部品、自動車や電化製品の塗料・接着剤、耐久性が要求される土木・建築用途など、広く産業分野で利用されている。更に、航空機や鉄道車両などの部品材料として、炭素繊維やアラミド繊維などで強化されたエポキシ樹脂の複合材料が使用されてきており、その需要はますます拡大していくと予測されている。特に、軽量化と共に衝突安全性などが要求される航空機・車両・船舶用途や、積層板・封止剤など耐久性・耐熱性が要求される電子材料用途など、最先端高付加価値分野では強靭性、耐久性などの品質要求はより一層高まってきている。
◎当社は、塩ビ強化用モディファイヤーのMBS樹脂をはじめ、弾性シーリング材のベースポリマーとして世界初の変成シリコーンポリマーなど、独自技術による機能性樹脂を開発し、グローバルに事業展開を進め、順調に拡大させてきている。これまでに培われた分子設計技術により独自のコアシェルポリマーを開発したことに加え、コアシェルポリマーを均一分散させる革新プロセスの発明により、エポキシ樹脂の強靭性、耐久性などの大幅な向上を可能としたことで、当社の重点戦略分野である機能性樹脂事業の拡大とグローバルな展開をより一層加速させていく。
以 上