東京電力、オフィスでの利用を想定した高速電力線搬送通信の実証試験を開始
オフィスでの利用を想定した高速電力線搬送通信(高速PLC)の新たな実証試験の開始について
~関電工本社ビルでも実施~
当社は、オフィスでの利用を想定した高速電力線搬送通信(以下、高速PLC[注1])の漏えい電界[注2]低減技術に関する実証試験を、本年2月から当社本店において実施しておりますが、本日、総務省関東総合通信局より、新たに株式会社関電工本社ビルにおける試験設備の設置許可をいただき、実証試験を開始いたしました。
高速PLCは、新たにLANケーブルを敷設することなく、既設の屋内電力線を利用して光ファイバに匹敵する高速の通信が可能となるなど優れた特長があり、近く、屋内での実用化が見込まれております。その一方で、既存の無線設備等に対する影響を防止するため、利用に伴って発生する漏えい電界を低減する技術の確立が求められております。
こうした中、当社は、平成16年3月から、社宅や本店において、高速PLCの漏えい電界低減技術に関する実証試験を実施してまいりましたが、より多くのデータを蓄積して試験精度の向上を図るため、このたび実証試験場所をさらに拡大するものです。
今回の新たな実証試験では、関電工本社に、使い勝手の向上を図った新型モデムを設置し、多様な配線形態や使用形態を想定した漏えい電界低減技術の検証や、複数のモデムを設置した場合など、実際のオフィスにおける漏えい電界の特性評価などを行います。また、ビル内配線に関する知識と敷設実績が豊富な関電工と協調して実施するなど、実用化に向け一歩進んだ試験を行います。
当社は、今後とも、様々な配線形態や使用形態を考慮した漏えい電界低減技術の効果確認を行い、高品質なブロードバンド環境をより多くのお客さまにご利用いただけるよう、高速性・利便性に優れた高速PLCの実用化・事業化を視野に入れた検討を進めてまいります。
以 上
[注1]高速PLC
既存の屋内電力線などに通信信号を注入して高速な通信を実現する技術で、従来の低周波帯(10~450kHz)を利用する低速PLCに対し、高周波帯(2~30MHz)を利用する。現在、最大200Mbps級の通信速度を達成する技術が開発されているが、現行法(電波法)では実用化が認められていない。
[注2]漏えい電界
通信線や電力線などに通信信号を注入した際に副次的に発生する電界・電波で、発生量が多いと既存の放送や通信と干渉する原因となる。
添付資料
別紙:関電工本社ビルにおける実証試験の概要について
