丸紅ソリューション、研究開発用途に特化したデスクトップ型ナノインプリントシステムを販売
デスクトップ型ナノインプリントシステム(NI-273}を販売開始
MSOL(丸紅ソリューション株式会社 東京都渋谷区渋谷3-12-18 社長:吉光 澄)は、産総研(独立行政法人 産業総合研究所)技術移転ベンチャーであるナノクラフトテクノロジーズ株式会社(茨城県つくば市並木1-2-1 産総研東事業所内2G棟 社長:山田昌宏 氏)が開発した、デスクトップ型ナノインプリントシステム「NI-273」の販売を開始します。
ナノインプリント(極微細刻印)は、ナノレベルの微細な凸凹のある金型を使い、加熱した樹脂などに微細なパターンを形成する技術。「NI-273」は、高さ129センチ・幅75センチ・奥行き56センチというコンパクトサイズで、研究開発用途に特化した熱ナノインプリント装置です。加工機構部を、温度650℃(最大温度700℃)まで30秒で加熱できる独自のセラミックヒータを開発・搭載し、加熱と冷却のサイクルを従来のナノインプリント装置の6分の1程度に短縮しました。高温で加熱できることで、樹脂材料だけではなく、種々のガラス材料にも対応します。また、成型機構部は真空環境に設定することもできます。操作者の安全を確保するためのインターロック機構および緊急停止ボタンも装備。装置の動作は専用制御ソフトでパソコンから行い、研究者向けに使いやすいユーザーインターフェースを備えています。
「NI-273」の価格は、1システムあたり1,900万円(税別)。丸紅ソリューションでは、企業・大学・官公庁などの研究開発者向けに、初年度約2億円の売上を予定しています。
現在、ナノインプリントの研究開発においてデバイスの試作をしたくても、既存の量産向け装置では大型かつ高価なため導入が難しいという問題がありました。様々な用途で活用が期待されているナノインプリント技術は、研究・開発段階におけるトライ・アンド・エラーが欠かせません。本製品は、装置サイズや価格などの面において、研究者にとって利用しやすく、本格的な研究開発が可能な装置として、拡販していきます。
本装置が開発するデバイスの用途例は、以下の通りです。
<光学デバイス(Optical Devices)>
・マイクロレンズ
・光導波路
・微小光学素子(マイクロレンズアレー、偏光板、無反射膜、回折格子など)
・フォトニック結晶素子
<バイオ・流体デバイス(Bio and Fluidic Devices)>
・マイクロ流体(バイオチップ、細胞培養チップ、微小流路など)
<メディア(Patterned Media)>
・記録メディア(DVD、HDなど)
▼ナノインプリント
微細な凸凹のある金型を使い、射出成型によって樹脂などに微細パターンを写し取る技術。最初に金型を作製すれば、あとは樹脂を流し込んで量産できる。エッチング(食刻)など既存技術と比べて簡単な装置で済むことから、将来は半導体製造などにも応用できると考えられている。ただ、従来は金型を作る際、溝の深さを一本ずつ変えるのが難しかった。
【 ナノクラフトテクノロジーズ株式会社について 】
ナノクラフトテクノロジー株式会社は、産業総合研究所 技術移転ベンチャーです。2005年に国立研究機関、大学といった官学の知的活動を、迅速にビジネスに結びつけ、製造業を再生させるためにスタートいたしました。時代のうねりを味方に、自然、社会のためのイノベーションに挑戦します。ナノクラフトテクノロジーズ株式会社の詳細については、http://www.nact.biz/からご参照いただけます。
【 MSOLについて 】
エムソル(丸紅ソリューション株式会社の略称)は、丸紅株式会社の事業会社で、エレクトロニクスとITのソリューションプロバイダ。ITを基盤に、コンピュータネットワークのSI、機械設計、半導体設計/製造、電子部品、マイクロマシンなどのさまざまなソリューションを、多業種に提案しています。
製品サイト:http://www.msol.co.jp/mems/nanoimprint/
事例サイト:http://www.msol.co.jp/ever/pickup/sangyo/
※本リリースに記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。
■お問い合わせ先
<お客様からの問い合わせ先>
丸紅ソリューション株式会社 半導体システム事業部 システム三部 システム三課
TEL:03-5778-8580