丸紅ソリューション、イスラエル社製の無線LANスイッチとアクセス・ポイントを発売
エクストリコム社製無線LANスイッチ及びAPの販売開始
VoWLAN市場向け、電波干渉やスループット問題を解消
MSOL(丸紅ソリューション株式会社 東京都渋谷区渋谷3-12-18 社長:吉光 澄)は、エクストリコム(Extricom イスラエル、ヘルズリア、社長:ギデン・ロッテム氏(Mr. Gideon Rottem))社製無線LANスイッチ「EXSW800」および無線LANアクセス・ポイント「AP EXRP-20」の販売を10月2日より開始します。
EXSW800は8ポートの無線LANスイッチで、複数の専用アクセス・ポイント(AP EXRP-20)を仮想的に1台として扱い、電波干渉等に起因する無線LAN通信の問題点を解消する独自技術、Interference-Free(TM)※(注1)を搭載しています。従来の無線LAN環境では、複数の電波の周波数が近いほど電波干渉が強くなるため、隣接アクセス・ポイント(AP)と密に、しかも同一チャンネルで配置すると電波干渉が発生します。エクストリコムでは、無線LANスイッチに専用のアクセス・ポイントを組み合わせ、無線端末の接続、APの切り替えなど通信に関わる処理をすべてEXSW800側で集中制御します。
無線端末が別のセル(注2)に移動した場合、従来は、無線端末自身が接続しているAPを別のAPに自動で切り替える(ハンドオーバー)際に再認証作業が必要ですが、その際通信の遅延が発生する場合があります。特に無線IP電話など音声通信では、音声が途切れる、または通話が切れてしまうなどの問題が発生します。エクストリコムでは、常に複数の近隣のAPと接続することで、中断のない通信・通話を実現しました(注3)。
なお、ユーザ端末側では、無線LANの標準規格である802.11準拠の無線LANカードで、利用することができます。
EXSW800の特長は、以下のとおりです。
1.Packet-by-Packet(TM)技術
通信パケット間の衝突や干渉を回避する技術(Packet-by-Packet(TM))により、接続している複数のAPの中から、パケットごとに最適なAPを選択します。
2.Interference-Free(TM)に基づき仮想的な1台のAPとするエクストリコムの無線LAN構成では、従来は必須であった、AP間における電波干渉エリアを最小限に抑えるための綿密な事前調査(セル計画、AP設計)が不要です。
3.WPA(Wi-Fi Protected Access),AES(Advanced Encryption Standard),802.1xなど最新のセキュリティ方式をサポート。安全で中断のない無線LANでの音声通話(VoWLAN)を実現します。802.11i, 802.11eは、ファームウェアアップデートにて対応予定です。
4.NTTドコモ社の販売する、FOMA「N900iL」との動作検証が済んでいます。
一方、APは、PoE(Power over Ethernet)(注4)機能をもちます。カテゴリ5ケーブルをスイッチから設置拠点まで引き、そこへAPを接続するだけの簡易設置が可能です。
AP EXRP-20の主な機能は、以下のとおりです。
1.CPU、メモリ等の能動部品を搭載せず、ユーザ・データが蓄積されないために、AP盗難の際にも安心です。
2.APにはIPアドレスが付与されないため、「なりすまし」で無線LAN接続することを不可能にします。
3.端末とAP間の接続は、WPA暗号化に準拠(データ/ボイス)しており、セキュリティ機能を補完します。
4.1台のAPは、最大2チャンネル(2006年末に最大3チャンネル)まで搭載可能で、それぞれIEEE 802.11a/b/gから任意の通信規格を選択できます。2.4GHzの周波数帯においては、IEEE 802.11の規格上、3つの干渉しない周波数帯域が利用可能ですので、音声とデータでそれぞれ異なる周波数帯域を選ぶことにより、無線端末がQoS(Quality of Service)を実装していない環境においても、音質を保障することが可能です。
EXSW800の国内販売価格は、64万円(税別)です。APの販売価格は、8万円(税別)です。EXSW800は、AP接続用に8ポート搭載しています。基本パッケージ(1セット)価格は、EXSW8001台及びAP 8台で、128万円(税別)です。
無線LANスイッチ (EXSW800) 64万円(税別)
無線LAN AP (Ultra Thin(TM)AP EXRP-20) 8万円(税別)
販売目標は、販売開始後1年間で年間約200セット、2.5億円の売り上げを計画しています。
【 エクストリコム社について 】
Extricom社(本社および開発拠点:イスラエル ヘルズリア、販売拠点:米国NY、社長:ギデン・ロッテム氏(Mr. Gideon Rottem))は、2002年6月に設立され、VoWLAN市場において先駆的なデータ/音声用無線LAN機器を開発・販売しています。無線LANに関する4つの特許を持ち、17件を出願中です。モトローラ社など複数企業の投資を受けています。2006年無線LAN技術に関する数々の賞に選出されました。詳細は、 http://www.extricom.com/ よりご覧いただけます。
・FierceWiFiの選ぶTop15モバイル・ブロードバンド・カンパニー
・ITweekの選ぶTop100ベンダー2006
・Techworldの選ぶ「ワイヤレス・プロダクト・オブザイヤー2006」
【 MSOLについて 】
エムソル(丸紅ソリューション株式会社の略称)は、丸紅株式会社の事業会社で、エレクトロニクスとITのソリューションプロバイダ。ITを基盤に、コンピュータネットワークのSI、機械設計、半導体設計/製造、電子部品、マイクロマシンなどのさまざまなソリューションを、多業種に提案しています。MSOLは、エクストリム社と国内販売代理店契約を締結しています。
製品サイト: http://www.msol.co.jp/it/extricom/
※1 携帯電話における基地局構成のコンセプトを無線LAN技術に取り入れた技術であり、エクストリコム社の特許。無線LANサービスを均質な面状に提供することを可能とします。一エリア内AP配下でのユーザの中に、APから遠いユーザが一人でもいると、データ転送に時間がかかり、全ユーザに影響する無線LANネットワークのボトルネックとなることがありますが、Interference-Free(TM)技術でEXSW800が各無線端末に最適なAPを選ぶことにより、全ユーザが最大帯域を享受できる環境を実現します。
※2 携帯電話やPHSなどに代表される広域移動通信において、一つの基地局がカバーする区域のこと。セル一つに一つの基地局(本文中ではAP)が対応します。
※3 エクストリコム社の無線LAN機器で構成するネットワーク上では、端末からの電波を、複数のAPで受信します。EXSW800からAPへ、また、APから端末へのダウンリンクでは、受信電波強度が高いAPの経路が自動選択されます。一方、端末からAP、また、APからEXSW800へのアップリンクでは、電波が届くすべてのAPを経由する機能をもたせています。これは、アップリンクAPダイバーシティというエクストリコム社の特許技術です。アップリンクとダウンリンクをEXSW800で集中制御し、AP間のハンドオーバーや再度の接続処理を不要とします。アップリンクは、常に複数の近隣のAPと接続しています。ダウンリンクで最適な経路を選び、輻輳(ネットワークのトラフィックが増加して、有効な通信がまったくできなくなってしまう状況)を回避します。
※4 イーサネットの配線に使うケーブル(カテゴリ5のより対線)を利用して電力を供給する技術。
*文中の製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。価格・形式は予告なく変更になる場合がございます。
< Extricom製品に関するお問合せ先 >
丸紅ソリューション株式会社 ITソリューション事業部 営業開発室 デジタルメディア課
電話:03-5778-8670 E-mail:extricom@cyndy.msol.co.jp