住友商事、ボリビアのサン・クリストバル銀・亜鉛・鉛鉱山開発プロジェクトに資本参加
ボリビア共和国サン・クリストバル銀・亜鉛・鉛鉱山への資本参加について
住友商事株式会社(東京都中央区 社長:岡 素之)は、掲題サン・クリストバル鉱山の権益を保有するミネラ・サン・クリストバル社に資本参加することにつき、同社の親会社である米国のエイペックス・シルバー社(CEO:ジェフ・クレベンジャー)と概要下記の通り合意に達しました。
現在残る手続きを急いでおり、9月末を目処に全て完了予定です。
【プロジェクト及び資本参加についての概要】
1) ボリビアにおいて、Apex Silver社が行う銀・亜鉛・鉛鉱山開発プロジェクトの35%権益を取得
2) 権益取得手法 : サン・クリストバル鉱山の権益を100%保有するミネラ・サン・クリストバル社の株式及び親会社からの融資債券等35%を同社親会社であるエイペックス・シルバー社より買い取る。
3) 事業規模 : 約8億ドル強
4) 位置 : ボリビア共和国南西部ポトシ県に位置し、世界最大の塩湖であるウユニ湖の近く。
標高は3800-4500m。
5) 確認埋蔵量 : 銀 15千トン、亜鉛3.7百万トン、鉛1.3百万トン
6) 年間平均生産量(金属量) : 銀550トン、亜鉛168千トン、鉛64千トン
鉱山寿命 : 16年
7) 取得金額 : 224百万ドル+出来高払
(出来高=銀:当社持分の約23%+亜鉛:$1,800/MT(0.82/lb)を超える部分の20%)
8) スケジュール : 2007年第三四半期にフル生産開始予定
9) Apex Silver Mines Ltd.社概要 :
・ 93年設立のAMEX上場会社
・ 主要株主はMWQ Investment(22.5%), Fidelity Management(10.7%)、Wells Capital(10.2%), Moore Capital(9.8%)等の機関投資家10社で75.4%を保有。
・ 資本金: 377百万ドル(時価総額は、約10億ドル)
・プロジェクト参画経緯と目的: 住友商事は予てよりサン・クリストバルプロジェクト向けプロジェクトファイナンスに必要とされる鉱石の対日長期販売において協働しておりましたが、本件実施に次の様な意義を認め参画を決断致しました。
1) 本件は、今後5年以内に開発される銀・亜鉛鉱山としては、世界最大級の規模であり2007年第三四半期の建設完了と共にフル生産に入れる計画。従い中国を中心に需要が拡大し現在価格が高騰している亜鉛・鉛資源の需給緩和に向けて世界の精練業界から大いに期待されている。世界市場において本件から生産される銀・亜鉛・鉛精鉱の拡販に参画し自動車用鋼板、ダイカスト部品に代表される世界的な亜鉛の需給逼迫の緩和と業界の進展に貢献できる。
2) 日本とボリビアは、およそ14,000人超の日系人の存在や長年のODA供与を通じて伝統的に良好な外交関係にある。今回の権益購入が両国の関係促進の一助になるだけでなく米国も含めた三カ国共同案件が実現する事は、同国の安定的経済発展の為にも意義深いと考える。ポトシ県は、アンデス山脈の高地にある低開発地域だが、本件開発により地域内での雇用創出と同時に地域の道路、電力・通信設備、学校等インフラ整備等でも地域貢献できるプロジェクトとなる。
3) 将来の需要急増が予想されているリチウム鉱石の賦存が、未探鉱ながらも鉱区内に確認されており非常に将来性の有望な鉱山であると言える。
4) 今回の権益取得と同時にエイペックス・シルバー社とstrategic partnershipを構築して同社がボリビア、ペルー、メキシコ、アルゼンチンに保有する探鉱案件権益への35%の参画option(参画交渉最優先権)を同時に獲得できる。
当社と致しましては、インドネシア国バツ・ヒジャウ銅鉱山やチリ・ペルー等において保有する銅資源上流権益を筆頭に、アラスカのPogo金鉱山、マダガスカルでのニッケル開発検討、カザフスタンでのウラン鉱山の開発投資等、非鉄分野・非石化エネルギー分野での多様な鉱物資源、エネルギー資源に意欲的に取り組んでいます。本件参画による銀・亜鉛上流権益、更に上記optionから派生しうる新規鉱山権益を加えることにより、非鉄金属鉱山事業における地歩を一層堅固なものにできる。また、工業化社会の発展に必要不可欠な金属資源とエネルギーの確保とその長期安定供給において役割を果たしていきたいと考えております。
以 上
* 関連資料 参照
添付別紙 1: ボリビアの概観とカントリーリスクについて
2: サン・クリストバル関連メタル参考データ