J.D.パワー、「2006年メキシコ自動車顧客満足度調査」結果を発表
メキシコの自動車顧客満足度、トヨタとホンダのモデルがそれぞれ2つのセグメントでトップ
2006年メキシコ自動車顧客満足度調査(VOSS)
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D.パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D.パワー)は、2006年メキシコ自動車顧客満足度調査(Vehicle Ownership Satisfaction Study、略称VOSS)の結果を発表した。
当調査は、新車購入後6~18ヶ月経過した車の所有者を対象に、メキシコにおける自動車顧客満足度を調べるものである。3回目となる今年はメキシコの3大自動車市場であるメキシコシティ、グアダラハラ、モンテレイにおいて2006年5月から7月にかけて面接調査を実施し、2005年型車を新車から乗っているユーザー5,052人から回答を得た。
当調査では4つのファクターにおける顧客の経験をもとに総合的な満足度を算出している。それらのファクターは、「品質と信頼性」、「車の魅力(デザイン、スタイリング、性能、快適性)」、「アフターサービス」および「維持費」である。
◆新型車やフルモデルチェンジがブランド・ロイヤルティの向上に影響◆
セグメント別ランキングのトップモデルは次の通りとなった。
セグメント トップモデル
エントリー・サブコンパクトカー ダッジ アトス
アッパー・サブコンパクトカー ルノー クリオ
コンパクトカー トヨタ カローラ
ミッドサイズカー ホンダ アコード
エントリーSUV ホンダ CR-V
ミニバン トヨタ シエナ
トヨタとホンダがそれぞれ2つのセグメントでトップに入った。トヨタはカローラとシエナ、ホンダはアコードとCR-V である。ひとつのメーカーが2つ以上のセグメントでランキングトップとなったのは2004年の調査開始以降初めてのことである。
両社はメキシコ自動車市場でシェアを大幅に拡大している。その要因のひとつは両社がメキシコの新車購入者の要望やニーズを把握し、それに応えていることである。トヨタはメキシコ市場に参入して日が浅いため、販売店の設備が新しい点や製品ラインも比較的新しい点で有利である。ホンダはメキシコに進出してすでに10年が経過しているが、顧客満足度を非常に大きく向上させている。
新型車やフルモデルチェンジ車であることが総合的な顧客満足度に大きく影響することが明らかになった。総合満足度にとって最も重要なファクターのひとつである「車の魅力」に関する満足度は、モデルが古くなるにつれ低下する。しかし市場に導入されたばかりの新型車では非常に高くなる。特にアッパー・サブコンパクトカー・セグメントでそれが顕著である。同セグメントのフィアット・パリオは2005年にフルモデルチェンジしたが、「車の魅力」で業界最大の伸びを示した。
メキシコは世界で最も競争が激しい自動車市場のひとつとなった。年間の販売台数は100 万台を若干超える程度だが、現在250 以上のモデルが販売されており、10年前の僅か90 モデルから大幅に増加している。年間の販売台数が平均1,650 万台程度の米国の310 モデルと対照的である。メキシコの自動車市場は年々競争力の高いモデルやブランドが増え急速に拡大している。顧客を獲得し維持していくためには、新型車の市場投入や既存モデルのフルモデルチェンジが欠かせなくなっている。今年の総合満足度の業界平均スコアは2005年から13 ポイント上がって769 ポイントだった。最も大きく向上したファクターは「品質と信頼性」だった。また自動車の品質が好意的な口コミ効果をあげるために重要であることがわかった。自分の車の品質に満足していない顧客は知人に対して同じモデルを推奨することが少なく、そのモデルやブランドを避けるように勧める傾向がある。6つ以上の不具合を経験した顧客は平均8人にそのモデルやブランドの車を購入しないように勧めている。
さらに、一発修理が販売店のアフターサービスに対する顧客満足度に必ずしも影響与えるわけではないことがわかった。実際、修理が一回で完了した顧客の55 %以上がその販売店を推奨していない。アフターサービスに対する満足度は顧客とサービス・アドバイザーとのやりとりに影響されやすい。点検・修理を正確に行うことに加え、完了した点検・修理の内容を説明することや期日を守るなどのことが顧客を満足させるために大きな役割を果たす。市場に新たなブランドが参入するとアフターサービスでも新たな基準が生まれる。そのため自動車メーカーは上がり続ける顧客の期待に応えなくてはならない。自動車メーカーや販売店には、顧客が何を求めているかを正確に理解するための努力が求められている。
<株式会社J.D.パワー アジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D.パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA 機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001 およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイトhttp://www.jdpower.co.jpまで。
<J.D.パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001 取得。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズは、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D.パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界38 カ国に290 カ所以上の拠点を有し、2005年の売上高は60 億ドルにのぼる。詳細はウェブサイトhttp://www.mcgraw-hill.comまで。