生化学工業、ヒアルロン酸医療機器「ムコアップ」の製造承認を取得
ヒアルロン酸医療機器「ムコアップ(R)」製造承認取得のお知らせ
生化学工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:水谷 建)は、内視鏡的粘膜切除術の補助材として使用するヒアルロン酸医療機器「ムコアップ(R)」(開発コード:SI-4404)に関し、厚生労働省より製造承認を取得しましたので、お知らせします。今後、「ムコアップ(R)」の速やかな保険償還価格の取得、発売を目指します。
内視鏡的粘膜切除術は、胃や大腸などの消化管粘膜にできた腫瘍を、内視鏡を利用して切除するもので、開腹手術と比較して患者の皆様の身体的な負担が少ないことから、入院期間の短縮、早期社会復帰に繋がる治療方法といわれています。「ムコアップ(R)」の主成分であるヒアルロン酸は、優れた粘弾性をもち、生物学的に安全性の高い物質です。「ムコアップ(R)」を腫瘍部位の粘膜下層に注入することで、粘膜隆起を長時間にわたり形成・維持することができます。この作用により、腫瘍部位を切除、剥離する際の操作性を向上させ、安全かつ完全な施術を補助します。また、完全切除率の向上を通して、再発に伴う再治療を必要とする症例が減少し、医療費の削減に繋がることが期待されます。
「ムコアップ(R)」が、胃や大腸にできた腫瘍に対する内視鏡的粘膜切除術の標準的な補助材として普及し、患者の皆様のQOL(生活の質)の向上に貢献できることを期待しています。また、生化学工業は、ヒアルロン酸を応用した関節機能改善剤アルツシリーズ、眼科手術補助剤オペガンシリーズを製造販売しており、ヒアルロン酸関連事業のラインナップが更に充実することとなります。
承認内容の概要は以下の通りです。
製造承認取得日:2006年10月19日
販 売 名 :ムコアップ(R)
一般的名称 :その他の内視鏡用非能動処置具(内視鏡用粘膜下注入材)
効能・効果 :内視鏡的粘膜切除術における胃及び大腸腫瘍部位の粘膜隆起形成・維持
承認取得者 :生化学工業株式会社
<ご参考>
(1)内視鏡的粘膜切除術
同手術では狭い消化管内で、腫瘍を安全に全て切除することが求められています。
そのため、非常に高度な技術レベルが必要であり、また、腫瘍部位の粘膜隆起を十分に長時間持続することが重要視されています。
現在、生理食塩液を粘膜下層に注入し、隆起させる方法が行われていますが、注入液の流出や再注入の必要性が高いことなどにより、改良が求められています。
(2)消化管がん
厚生労働省の調査によると、日本国内においてがんは、1981年より死因の第1位となっており、2004年には総死亡の31.1%を占める疾患です。そのうち、消化管に関するものは約3割を占めています。近年の消化管がんに対する診察システムの充実や、診断技術、医療技術の開発が進み、がんの早期発見が増加しています。
以 上