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ニュースリリースのリリースコンテナ第一倉庫

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2024'11.28.Thu
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2007'04.17.Tue

東レ、繊維に新たな機能を効率的に付与できるナノスケール加工技術を開発

ナノテクノロジーによる新たな繊維加工技術「ナノプレム(R)」の開発について
-高エネルギーにより繊維をナノレベルで効率的に改質-


 東レ(株)は、この度、高エネルギーを与えて繊維を分子レベルで活性化し、繊維の表面や内部をナノレベルで改質することにより、繊維に新たな機能を効率的に付与できるナノスケール加工技術「ナノプレム(R)」を開発しました。この技術を適用することにより、繊維への全く新しい機能の付与、複数機能の両立、従来機能や耐久性の格段の向上、適用素材の拡大などが可能となりました。

 「ナノプレム(R)」は、紫外線、マイクロ波、電子線、イオン、電子、ラジカルなどの高エネルギーを繊維に与えることで、繊維を構成するポリマーを分子レベルで活性化し、その結果、官能基導入、エッチング、架橋、グラフト(注)など、ナノレベルでのさまざまな改質が可能となります。与える高エネルギーのレベルを調整することにより、従来の繊維の特徴を残したまま繊維表面のみを改質することもできるほか、繊維内部まで改質することも可能です。本技術により、繊維自体の改質によって新たな機能発現が期待できるほか、機能剤を付与する際にも、繊維と機能剤を化学結合させることができるため、従来の加工では相性の悪かった繊維と機能剤の組み合わせも可能になります。
 「ナノプレム(R)」加工では、繊維を構成する特定の化学構造(ポリマー構造)に対してのみ反応する高エネルギーを与えることで、無駄のない、制御された改質を可能にしています。また、従来の機能加工において必須媒体である水を必要としないドライプロセスでの反応を可能にすることにより、加工プロセスの大幅な効率化に成功しています。従来の機能加工では、繊維自体を改質する場合も、機能剤を繊維に付着させ加工する場合も、その反応レベルを制御することは困難でした。また、改質および加工の際に水を媒体として必要とすることから多くのプロセスが必要であり、効率的ではありませんでした。

 東レは、本年10月に本格始動した中期経営課題“プロジェクト Innovation TO(R)AY 2010”の中で、5つの経営課題を掲げています。今回の「ナノプレム(R)」は、ナノテクノロジーを駆使し、経営課題の1つである“技術のInnovation”に挑戦することで開発した新技術であり、東レグループが目指す21世紀の企業イメージのひとつである「技術革新の東レ」を体現するものです。東レは、今後も、ナノテクノロジーの追究により新技術を見出し、“Innovation”(革新と創造)の経営を推進して参ります。


(注)
 官能基導入:繊維分子鎖に新しい反応しやすい部分を形成させること。
 エッチング :繊維分子鎖を切断して、灰化、除去すること。
 架   橋 :繊維分子鎖同士を結合させること。
 グラフト  :繊維分子鎖の側鎖に別の化合物を結合させること。


以 上

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