住友商事、中国でタングステン粉の製造・販売事業に進出
住友商事、中国でタングステン粉の製造に進出
住友商事株式会社(社長:岡 素之、以下「住友商事」)は、中国の江西省において、タングステン粉製造・販売事業に進出することを決め、来月にも合弁契約書に調印する。具体的には江西希土金属及タングステン集団(以下「JXTC」)の所有する1000TPYの工場を同集団より切り離し、住友商事、安泰科技有限公司(以下「安泰科技」)が出資をして 3000TPYに増設する。住友商事(中国)有限公司(社長:北川信夫)が約3.85億円を出資し、35%の株式を取得する。同様にJXTCが45%、安泰科技が20%の出資比率となる。
タングステン粉は、粉末冶金や超硬工具、電子部品といったハイテク製品の材料となる重要な中間製品である。本事業では、原料のAPT(パラタングステン酸アンモニウム)を加工してタングステン粉を製造する。加工技術は確立されており、中国製の設備で十分市場の満足する製品が製造できるが、問題はAPTを長期安定的に調達できるかであり、JXTCと組むことで集団内の鉱山、APT生産工場を取り込むことを狙う。
安泰科技は中国における粉末冶金大手であり、本事業により1000TPY程度のタングステン粉の確保を目的としている。当面合弁会社は国内の販売を主眼に置くが、JXTCの保有するE/L(輸出割当枠)を活用して、日本市場の開拓も視野に入れる。住友商事は、安泰科技とともに日本で逼迫感のあるレアメタルの確保を急いでおり、本件は河北省での工具製造事業、工具鋼製造事業に続く第3弾。今後は、JXTCとも協調してタングステン以外のレアメタルにも事業展開してゆく予定。
(合弁会社の概要)
*添付資料をご参照ください。
以 上