明星食品、米系投資ファンドによる株式公開買付けに反対表明を決議
公開買付けの反対に関するお知らせ
当社は、平成18年10月31日開催の取締役会において、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド-エス・ピー・ヴィーII・エル・エル・シーによる当社株式の公開買付け(以下、「本件公開買付け」といいます。)について、反対の意見を表明することを決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.公開買付者の概要
(1)商号:スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド-エス・
ピー・ヴィーII・エル・エル・シー
(2)主な事業内容:当社の株式を取得し、保有すること。
(3)設立年月日:平成15年10月20日
(4)本店所在地:リバティ・スクエア・アセットマネジメント・エル・エル・シー気付、24 フェデラル・ストリート、ボストン、マサチューセッツ、米国
(5)代表者:ウォレン・リヒテンシュタイン
(6)資本金の額:0米ドル
(7)大株主構成及び持株比率:
公開買付者は、アメリカ合衆国デラウェア州法に基づき設立されたリミテッド・ライアビリティー・カンパニー(有限責任会社)であるため、株式を発行しておりません。公開買付者には株主ではなく社員持分権を有する社員(メンバー)であるスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド(オフショア)、エル・ピー(持分権の割合100%)が存在します。
(8)当社との関係:取引関係、人的関係及び資本関係はありません。
2.本件公開買付けに関する意見の内容及び理由
(1)内容
当社は、本件公開買付けに反対の意見を表明します。株主の皆様におかれましては、本件公開買付けに応募しないようお願い申し上げます。
(2)理由
当社は、昭和25年の創業以来、「製品は工場からお客様の口許まで最高の状態であるよう願いをこめて」を社是とし、「新生!麺の明星私たちはメーカーとして独自のめん技術を生かし、お客様に新しい食生活を提供します」を基本理念として、一人でも多くのお客様に美味しさの感動を味わっていただくため、本業である即席めん事業を中心に、商品開発力、生産力及び販売力の常なる向上と共に、経営の効率化及び合理化並びに収益力の向上を図って参りました。
商品開発面においては、本業である即席めん事業を拡大し収益基盤の強化を図るために、新製造技術の研究、食品の安全性の追求を基礎として、当社独自の製めん技術である「スーパーノンフライ製法」を各種めん類に応用するなど独自性のある新商品の開発に努めております。例えば、前年度におきましては、当社の基幹ブランドである「チャルメラ」や「一平ちゃん」の大幅な商品強化などロングセラー商品の活性化と競争力の強化、「もちっ!とワンタン麺」などの「スーパーノンフライ製法」を活用した商品の拡大と定着、「飲茶三昧」、「中華ダイニング」など具入りカップスープという新しいカテゴリーへのチャレンジを基軸に、売上拡大のための施策を実施してきております。
生産面においては、来年7月を目処に約41 億円規模の新神戸工場を設立して生産能力を25%程度拡大し、これからの販売数量の増加にも十分対応可能な生産力を確保いたします。
販売面においては、経営資源の効率的かつ効果的な投入を図るため、重点商品、重点販売地域の選定を更に進めると共に、新規顧客の開拓にも努めて参ります。
海外におきましては、東南アジアの製造・販売拠点としての当社子会社シンガポール明星食品PTE, LTD.における工場建物及び生産設備の全面的な建替え、コストダウンによるシェア拡大を中心として事業強化に注力して参ります。
一方、外食事業につきましては、経営陣の刷新、店舗の業務効率アップと改善指導を更に推進し、「味の民芸」の店舗数拡大を柱とした事業の再構築を進めて参ります。また、賃貸事業につきましては、当社本社ビル等の資産の稼働率等の見直しを進め、遊休資産の見直し・処分等による財務リストラを断行いたします。
こうした諸々の施策を通じて、当社は、売上高及び利益の更なる拡大と売上高経常利益率及び総資本利益率の一層の向上に努めて参ります。
更に、利益配分につきましては、短期的な観点のみならず、中長期的な観点からも、財務体質強化及び将来の経営基盤の充実並びに事業戦略実行のための適切な内部留保と株主の皆様への安定的な配当の維持を両立させることを前提に、利益状況や業界状況を総合的に勘案の上、株主還元を重視した配当を行ってきております。
また、今般、当社は、三菱UFJ 証券株式会社をフィナンシャル・アドバイザーに指名し、より一層の企業価値向上のための施策の検討を開始いたしました。
以上のとおり、当社は、経営改革を着実に実行し、株主価値を高める具体的な措置を講じており、このような経営戦略を推進することにより当社の株主価値を増大させることが、株主の皆様の利益に資するものであると判断いたします。
一方、公開買付者は、本件公開買付けの目的が「対象者の株式を可能な限り多く取得することによって、対象者の大株主となること」であり、また、本件公開買付け終了後においては、「対象者の大株主として、経営陣への助言、株主権行使等を通じて、対象者の事業を支援し対象者の株主価値を高めるために尽力してまいる所存」である旨を公開買付開始公告及び公開買付届出書において述べております。しかし、これは、当社の大株主となって、当社の経営に対して影響力を行使する意図のあることを述べたものにすぎません。本件公開買付けは買付予定数に上限を付さないものであり、当社に対する支配権を取得することをも念頭に置いたものといえますが、本件公開買付け後においていかなる経営方針のもとで当社を運営しようとしているのか、また当社の株主価値の向上に向けていかなる施策を予定しているのか、何ら具体的に明らかにするものではありません。
公開買付者の事業内容は、公開買付開始公告及び公開買付届出書によれば、「対象者の株式を取得し、保有すること」すなわち有価証券投資であるとのことであり、また、当社の事業分野において経験やノウハウ等を有していることを示す情報もないことからすれば、公開買付者は、当社の事業に精通していないと思われます。加えて、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド(オフショア)、エル・ピーが、これまでに我が国において企業の経営権を取得し、当該企業を中長期的・安定的に経営した例もないと認識しております。
更に、公開買付者は、公開買付開始公告及び公開買付届出書において、「公開買付者の株主たるスティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド(オフショア)、エル・ピーは、従来より対象者の大株主として支援を継続しており、対象者経営陣との対話を継続してまいったところであ」る旨述べておりますが、公開買付者が、突然、一方的に本件公開買付けに及んだ経緯に鑑みれば、また、公開買付開始公告及び公開買付届出書において、「公開買付者も、他の株主一般と同様に、将来、持株を譲渡することは可能性としてありえ」る旨を明言していることからすれば、公開買付者は、短期的な利益を得ることを目的としているものであり、経営に対する長期的な展望を有しているものではないと考えられ、株主の皆様の共同の利益とは合致しないものと思われます。
また、かかる公開買付者が、当社の議決権の3 分の1 超を保有することとなった場合には、当社が今後株主総会特別決議を必要とする施策を実施する場合に種々の制約を受けることにもなります。
以上の理由から、本件公開買付けにより、公開買付者が当社株式を取得することが、当社の企業価値、ひいては株主の皆様の共同の利益を高めることにはつながらず、当社取締役会としては、本件公開買付けに反対いたします。株主の皆様におかれましては、本件公開買付けに応募しないようお願い申し上げます。
(ご参考)本件公開買付けの概要
(*添付資料参照)